好きな人を前に緊張してアガらないための心理テクニック
好きな人を前にして、緊張してドキドキしない人はそういません。どんなに魅力的な人でも自信家でも、やはり気になる異性の前では本来の自分を発揮できないのです。結果的に、自分を上手くアピールできずに終わってしまう場合も……。一体どうすればいいのでしょう。そこで今回は「好きな人を前に緊張してアガらないための心理テクニック」をご紹介いたします。
■何気ない言動・行動に“意味がある”と拡大解釈をしない
大学生男女200人を対象に行った実験によると、異性が親しげにふるまったり笑いかけたりするだけで、「この人は自分に何らかの好意や関心を抱いているのではないか」と感じる傾向があるとされました。好きな相手を前にすると心理を読み違えることが多く、何気ない行動や態度を見て、この人は自分に気があるんだなと“拡大解釈”をしてしまいがち。そのため、カン違いをしたり相手が驚くようなことを言ったりしたりしてしまうのです。縮小解釈する必要はありませんが、冷静に受け止めてみましょう。変に緊張することは減るはずです。
■まず長所をアピール! 短所は後から伝える
好きな相手を前にすると、嫌われたくないという気持ちが強くなってしまい、まず謙虚に自分のダメな部分を伝えてしまいがちです。しかし、過去の失敗や自分の短所などを事細かに伝える必要はありません。むしろ自分は魅力的な人間ですよ、と長所だけをアピールしてみましょう。こうした技術は、心理学の世界では“ロー・ボール技法”と呼ばれています。最初のうちにキャッチしやすい低いボールを投げておけば、後から変化球や速球を投げても相手がキャッチしてくれるのです。まずは美点を伝えてから、自分の短所を知ってもらえた方が緊張も緩和するはずです。
■好きな人とは横並びもしくは右斜め前に座るのが正解
好きな人と幸いにも同席する機会があるとしましょう。でも、正面の席に意中の人がいると、何だかドキドキして言いたいことを言えないのではないでしょうか。実際に心理学者スティンザーは正面の相手とは“対立しやすい関係”になりがちだと明らかにしています。隣同士の人とは“同調”しやすいのですが、正面の相手とは“緊張関係”になってしまうのです。そのため、好きな相手とテーブルに座る際は、なるべく向かい合う席は避けて横に座るように心がけましょう。きっと緊張もほぐれるはずです。さらにグループで着席する場合は、相手から見て右斜め前(自分から見て相手の左斜め前)に座るのも理想的です。
■相手の好みにやたらと合わせようとしない
相手のことがわからないとき、とりあえず相手に合わせようとしてしまいますよね。緊張しているとなおさらでしょう。これは、“印象操作の自己開示”がなされていると実験で証明されています。相手の好みに自分を合わせることによって、嫌われないようにアピールしているのです。好きな異性の前では、相手から嫌われたくないという恐れを持っているため、過剰に相手の好みに自分を合わせるといった特徴が見受けられるのです。でも、それは同時に自分本来の魅力を抑えてしまうことでもあり、相手につまらない人だという印象を与える結果になることも。緊張しても自分の意見を言えるようになれば、ほぐれるはずです。
終わりに
いくら好きな人の前とは言え緊張をしていると、自分本来の魅力を発揮できなくなってしまいます。まずは心をリラックスさせることが大切。もともと人には自分で自分の心の健康を回復させ、成長させようとする力があると心理学では考えられています。しかし、好かれたいという気持ちが強すぎると、こうでありたいという自分と、ありのままの自分にズレが生じてしまい不適応状態になってしまいます。そのため、まずは自己認知、つまりありのままの自分を受け入れることからスタートしてみましょう。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。