つらい過去をつい思い出してしまうときには…「相手の幸せを願う」と楽になる!?

つらい過去をつい思い出してしまうときには…「相手の幸せを願う」と楽になる!?


つらい過去をつい思い出してしまうときには…「相手の幸せを願う」と楽になる!?

人にはそれぞれ触れられたくない過去がありますよね。そしてそのほとんどが、トラウマだったりつらい記憶であることが少なくありません。そんなネガティブな思い出にとらわれていては、日々の楽しいことさえも見落としてしまいます。そこで今回は、「過去のつらい記憶にとらわれがちな人に役立つ心理テクニック」をご紹介いたします。

■身体アクションで負の感情ブレーカーを落とす

過去のつらい記憶にとらわれないためには、思い出さない習慣化が大切です。そこで、心理学ワークショップなどでよく用いられる、思考停止法を取り入れてみましょう。ネガティブな考えが浮かんできたら、「ストップ」と軽く声に出したり、手を叩いたりこぶしを握り締めるなどして、考えるのを止めるきっかけを作るのです。

過去と向き合うのは大事なことですが、考えれば考えるほど気が滅入ったり、答えのないループに陥ってしまう恐れもあります。自分の中のブレーカーを意識的に落とせるように、身体アクションを使って気持ちを切り替えてみましょう。

 

■思い出しそうになったら楽しかったことで塗りつぶす

ある出来事の思い出とそのときの感情は、1セットで記憶されているとされます。そのため、つらい感情のときは記憶されていたネガティブな体験が想起されやすく、似たような状況に陥ると思い出してしまいやすい傾向にあります。これを心理学者のゴードン・バウアーは、気分適合的情報処理と名づけました。

悲しいときにはつらい過去の記憶を思い出しやすいので、まずは思い出を掘り返すのをやめてみましょう。そして、楽しい経験もしくは楽しかった過去を思い出し、塗りつぶしてください。人は真逆の感情を同時に持つことはできませんからね。

 

■声のトーンを高く、大きく、早くしてみる

日本認知心理学会発表論文によると、声のトーンは周囲に与える印象だけでなく、自分自身に与える自己イメージとも関係性があるとされています。悲しい気分のときは、低いトーンでぼそぼそ喋りがちではありませんか? そうすると、自分自身も気分がダウンし、どんどん陰鬱な感情にとらわれてしまいます。

そこで、つらい記憶を思い出しそうになったら、思いきって大きな声で、トーンと速度を意図して高くしてみましょう。なるべくなら周囲に誰もいない場所がいいかもしれません。自分で自分にセミナーをするような感覚で励ましてみるのです。聴覚を利用して、とらわれから自分を解放する方法です。

 

■相手の幸せを願ってみる

元カリフォルニア大学教授ランドルフ・ビルドは、祈りに関する実験を行いました。その実験結果によると、祈る側の心が非常に安定し、それまで自分にネガティブなイメージを持っていた人も、徐々に自分を受け入れられるようになったとされます。自分が今こうして存在することができるのは、周囲の人たちのお陰である、と感謝の心が芽生えるケースも少なくなかったのだとか。

このように誰かのことや何かに対して、上手くいってほしいと願うことは、願う人自身の気持ちを穏やかにし過去へのとらわれから解放してくれる効果が期待できるのです。もしもあなたを悩ませるトラウマを思い出したときは、その原因となる人物や出来事の幸せや成就を祈ってみましょう。初めは難しいかもしれませんが、できるようになれば清々しい結果がもたらされるはずです。

人は性格や行動において「自分はこういう人間だ」という心理的なセルフイメージを持っています。そして自分が思い描く自分自身のイメージは高ければ高いほど眠っている能力を開花させることができ、逆に低ければ目標を達成すること自体が困難になると言われています。

つまり、セルフイメージを高めるのが重要なポイントになってくるのです。そのために簡単にできることが「自分も他人も褒める」こと。人間の脳には「主語を認識せずに処理する」という機能があるため、他人を褒めた言葉も自分に対しての言葉のように認識するところがあるのです。そうすれば、自尊心が自然と高まるはずです。

もしもあなたが、過去にとらわれている自分から脱却したいなら、「このままだとずっと成長できない」「性格が暗くなってしまう」など、自分の中の危機意識をあおってみましょう。

過去のつらい思い出に浸るというのは、ある意味甘えであり自分に変化しないという安堵感を与える行為とも言えます。そのため、なるべくピンチであることを意識して、自分を追い込んでみましょう。危機感から過去を思い返す余裕がなくなり、積極的な姿勢で物事に接することができるようになるはず。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。

 

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