2018年1月末でのブランド終了を発表したSWIMMER(スイマー)。そんなSWIMMERの名品を、年代別・デザイナー別にご紹介していきます! 目前に迫ってきているブランド終了を、”かわいい”のエネルギーをたっぷり充電して迎えましょう。
最終回となる第4回は、SWIMMERを支えてきた名デザイナーさんたちと、その代表作をご紹介します!
あなたが大事に使っていたあのグッズや、友だちの誕生日にあげたあのグッズの生みの親がわかるかもしれません。
★思い出のSWIMMER【1】スイマーに灰皿が!?名品を振り返る【ブランド創成期編】
★思い出のSWIMMER【2】りんご王子にきのこグッズ…みんな持ってたあの名品【レトロポップ期編】
★思い出のSWIMMER【3】やっぱりパステルカラーが好き!名品振り返り【ゆめかわ期編】
■ひづめみか~るさん
まずは、看板デザイナーとして知られている「ひづめみか~る」さん。SWIMMERに22年間在籍し、数々のヒット商品を世に送り出してきました。
写真の背景にも使われている柄は「’70Sプリント」と呼ばれるひづめさん作のもので、数々の商品や包装紙に採用されてきたSWIMMERを象徴するデザイン。
この柄はひづめさんが入社した翌年、まだ商品作りのノウハウがない頃に、社長さんから手渡された参考資料の中のベトナム戦争に関する絵本にインスピレーションを受けて作成されたもの。70年代らしいカーリーヘアの女の子と、英字でプリントされた反戦のメッセージが記憶に残っている人も多いはず。
ブランド終了発表直後のインタビューでも話題に上がったロングセラー商品。10年以上に渡って少しずつアップデートを重ねて販売されてきたそうです。
1枚目が初代デザイン。中国の工場で開発を進めていたところ、出荷直前に工場が火事に! 半年遅れで日本に到着したときは感無量だったそう。
4枚目の画像は、初代を復刻してほしいというリクエストが多数寄せられたことから、現代的なパステルカラーで再販されたモデル。
映画「アメリカン・グラフィティ」にインスピレーションを受けたという雑貨シリーズ。「ポーチなどが何か別のものを模していたらおもしろいのでは」と、お財布やポーチの四角いシルエットにはまる古いテレビやスーツケースをデザインに落とし込んでいます。
「大人でも部屋に飾りやすいアンティークなものを」という思いからデザインされたぬいぐるみたち。
■渡邊真琴さん
SWIMMERを代表するキャラクター・りんご王子の生みの親。実はこのりんご王子こそがデザイナーとしてのデビュー作だったそう!さらに、2005年以降の歴代のショッパーと包装紙を手がけてきました。
「海外の企業キャラクターのような、大人でも持てるぬいぐるみを作りたかった」という思いから生まれたりんご王子。当時古着ブームだったことから、古着っぽいイメージの服を着ているんだとか。
「生活感のあるものをどうかわいく見せるか」を追究した逸品。
クリップだけをデザインされたものにするのではなく、全体を何かに見立てたいというところからメリーゴーランドに行き着いたそう。
SWIMMERでは他にもシャンデリア型のハンガーなど、ハンガー全体を何かに見立てた商品があり、思いが貫かれています。
包装紙とショッパーは2005年からずっと担当されていて、たくさんのデザイナーによる個性豊かな商品立ちすべてを包むものがどうあるべきかを悩みながら、シンプルに逃げずに派手なデザインに挑戦してきたそう。
■masha*
前回の記事でもご紹介した、SWIMMER後期を支えたデザイナーさん。
パステルカラーの、いわゆるゆめかわなデザインの商品を多数送り出してきました。
80年台のキラキラかわいいイメージを落とし込んだ逸品。
生地に光沢感を出すため、サテン生地をコーティングしているほか、カラーによって微妙にデザインを変えているなど、こだわりが光る人気商品です。
「今までにやったことのないデザインを」と挑戦した意欲作。
持ち手に虹をあしらい、キラキラ感を出すためサテンのテープを手芸店で買ってきて、自ら試作したそう。
ペガサスと雲のワッペンも、カラフルナイトで縁取りする前例のないチャレンジをしています。
発売前日に空に大きな虹がかかったのを今でも覚えているといいます。
ペンギンをかたどったふわふわ素材のスマホケース。
社内で「くちびるおばけ」と呼ばれていたこの「ぺんぺん」は、masha*さんのお気に入りのキャラクターです。
透明な樹脂の中に立体的なキャラクターが閉じ込められたコンパクトは、「触れそうで触れない感じが夢のようでかわいい」という思いから着想。
厚さ数ミリのコンパクトに立体的な動物を設計するのが非常に難しく、開発に苦労した商品。
以上、デザイナーさんとその代表作たちでした。
全編をまとめた記事はCanCam2018年2月号本誌にて! SWIMMER最後のグッズとなるコラボトートバッグもついてきます。
SWIMMER終了まで残りわずか。帰省している人は、押入れや学習机を覗くとSWIMMERのグッズが見つかるかもしれません。
ひづめみか~るさんが「年齢にとらわれず、かわいいと思う気持ちを大切にすること」を訴えていたように、今手元にあるSWIMMERのグッズを大事にして、”かわいい”のエネルギーをたっぷり充電して、SWIMMERを見送りましょう。(霧崎まい)
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