『家族という病』。タイトルになんだかドキッとして、思わず手に取った一冊でした。
そもそも、みんな自分の家族のことをどこまで理解できているのか……。両親との折り合いが悪く、兄とも疎遠だった著者の下重暁子さんは「多くの人達が、家族を知らないうちに、両親やきょうだいが何を考え感じていたのか確かめぬうちに、別れてしまうのではないかという気がする」そう。そして「家族団欒という幻想ではなく、一人ひとりの個人をとり戻すことが、ほんとうの家族を知る近道ではないか」と訴えます。
そして、「家族のことしか話題がない人はつまらない」「家族写真入りの年賀状は幸せの押し売り」と続きます。“おー! そこまで言い切っちゃいますか!”というような、センセーショナルな言葉のオンパレード。
下重さんの家族の捉え方にはもちろん賛否両論あるかと思いますが、ひとつ言えることは……“上手くいっていない夫婦が読んだら、開き直ることができそう!”です(笑)。
それでは早速、カップルセラピーになりそうな金言を一部ご紹介します。
「家族の期待は最悪のプレッシャー」
「期待通りにならないと、落胆が激しく、愚痴や不満だらけになる」から「自分以外の個に期待をしてはならない」と下重さんは言います。ちょっと寂しいような気もしますが、家事でも記念日でも“期待しすぎない”ことが夫婦円満の鍵なのかもしれません。
「夫婦でも理解し合えることはない」
「自分のことですら正確に把握することも出来ないでいるのに、他人のことが理解出来るか。配偶者は他人なのだ。一番近い家族ではあるが他人である」ということは確か。夫婦だからといって相手のすべてを理解できると思うのは、おごり!?
「家族ほどしんどいものはない」
家族間が「べったりで相手が見えなくなり、排他的になるなら、家族ぐらいしんどいものはない」と下重さんは断言。さらに、家族団欒が苦手で、小学生のときに病気をした経験を元に、「独りを知り、孤独感を味わうことではじめて相手の気持ちを推しはかることが出来る」と言います。そう考えると……夫婦も、時には距離を置くこともアリ。
ここまでバシッと言われると、モヤモヤが吹っ切れるような気がしませんか。さらにすっきりしたい方は、『家族という病』をご一読くださいませ。(芝山裕子)
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『家族という病』
著者/下重暁子 780円+税(幻冬舎)
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