恋する相手に想いが届かなかったり、恋人との関係に終止符を打つことになったり…失恋は多くの人にとって辛いもの。そして、気分が落ち込み、心身ともに不調が続き、日常生活にまで影響が出るようであれば、「失恋うつ」の可能性も。
今回は、株式会社manabyが失恋うつ経験者508人に「失恋によるメンタルの不調」に関するアンケート調査をした結果をもとに、失恋後に多く見られる症状から、立ち直るまでの期間、乗り越え方、失恋経験による心の変化までを探っていきます。
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失恋うつ経験者に聞いた「失恋後に感じたメンタルの不調」ランキング
1位:感情の起伏が激しい
「夜歯磨きをしているときや、食事をしているときなどに意味もなく涙が出てきたり、ちょっとしたことでもイライラするようになった」
「彼と別れたショックで何もやる気が出ず、友人に誘われても断って家に引きこもっていた。気がつくと涙が出て、元彼にメールをしてしまい、余計に鬱陶しがられ、余計にメンタルが弱ると言う負のスパイラルに陥っていた」
「悲しくて何をしていても思い出し、涙が止まらなかった」
「死にたいとは思わなかったが、消えてなくなれればいいのにと思っていた」
最も多かったのは、日常生活において自分の感情がコントロールできなくなったという声。失恋による感情の乱れは、心の痛みをどう処理すればいいのかわからないときに起こりやすいものです。突然涙が出たりイライラしたりするのは、心の防衛反応。誰にも会いたくない、何もかも嫌になってしまう…となれば、孤独を感じてとっても辛いですよね。
2位:やる気がでない
「社会人になって初めて心に決めた女性だったので、失恋したときは喜怒哀楽のない平凡な毎日を繰り返すだけだった」
「何も手につかず、何をしていても上の空で、職場でも誰とも話せず仕事もできず、早退を命じられたこともあった」
「当時、付き合っていた彼から理由もなく別れを切り出され、平行線だったため彼の気持ちを受け入れた。数日後、別に好きな人が出来たのが理由だったと発覚。新しい彼女とは深い接点はなかったが、お互い知り合いであったため彼らのSNSの投稿を漁りまくり、いつ、どこにいたなど特定することに執着していた。SNSを見ては気持ちが沈み、何もやる気が起きない。そんな日々を送った」
仕事や家事、趣味などに手がつかず、無気力な状態が続いてしまうことも多いようです。突然別れることになったり、理由がはっきりしないまま関係が終わると、大きな喪失感が残ってしまいます。今まで好きだったもの、わくわくしたいたことにも「楽しい」と感じられなくなった場合は、うつの可能性も考えられます。
3位:自暴自棄になる
「ショックから食欲がなくなり、1週間近く固形物をほぼ口にしなかった。その結果、アルバイト中に倒れてしまい救急車で運ばれた。また、精神的にもとても不安定になり、占い依存になっていった。当時あった電話占いのサイトで当たるとされた占い師さんに片っ端から占ってもらい、ひと月で10万近く課金した(当時学生だったため月10万の出費は相当痛手)」
「とにかく自分が嫌になり、今までダイエットを頑張っていた分の反動で、暴飲暴食に陥った。特に酷かったのは菓子パンの過食で、スーパーにあったクリームパンを全部買ってきて、家に入った瞬間貪るように食べていた。そのため、1ヶ月で5kg以上も体重が増えてしまった。人に会えなくなって、ますます過食衝動がひどくなっていった」
「3年ほど付き合って結婚も意識していた女性に浮気され振られたときにうつ症状が出て、食欲不振となり、体重が15キロほど落ちてアルコール依存気味、睡眠障害気味になった」
失恋があまりにもショックで、自暴自棄になってしまう人も少なくないようです。食欲不振や暴飲暴食、さらにはアルコールや占いの依存など…心の苦しさから逃れようとする行動が長引くと、体に影響を及ぼしてしまうことも。
そして、4位以降にはこんな回答がありました。
4位:学業や仕事に影響が出る
5位:自信が持てなくなる
6位:悲観的になる・不安が強くなる
7位:眠れない
8位:生きることが辛いと感じる
9位:人間不信になる
10位:原因不明の体調不良
自己評価が下がったり、未来に対して不安が強まったり。失恋の痛みが深刻になると、生きることがむずかしいと感じる、人間不信に陥ることもあるようです。さらに、心のストレスが体調面に現れることもあり、失恋が心身に与える影響はとっても大きいことがわかる結果になりました。
失恋からどれくらいの期間で立ち直ることができた?
失恋から立ち直る期間について、1位「1ヶ月以内」、2位「1年以上」、3位「半年以内」が続きました。中には「1週間以内」といった回答もあり、回復までにかかる時間は人によって異なることがうかがえる結果に。失恋までのいきさつや、別れ方、交際期間などによっても、傷の深さは変わりますもんね。
みんなの失恋の乗り越えエピソード
◆趣味や推し活で克服
「友達に誘われてアイドルのライブに行ったことがきっかけで、推し活に目覚めた。推し活のために出かけることも増えて、自然と立ち直ることができていた」
「二度と恋はしないと決め、趣味だったアニメや漫画のキャラの推し活に一生懸命になり、2次元ばかりを追いかけた。好きな男のキャラに夢中になり、元彼のことはいつの間にか忘れていた」
◆新しい出会いで克服
「友達にたくさん遊んでもらい、時間とともにだんだん薄れていった。新しい出会いで忘れようと、マッチングアプリをしたり合コンであった人とデートしたりして立ち直った」
「時間が経つのをひたすら待って、新しい出会いを探したりした。その期間にいろんな人を知っていき、元彼よりいい人と出会いたいという目標でとにかく時間が解決を信じて」
◆自分磨きに集中して克服
「自分磨きに注力する期間にすると決めて、仕事や趣味に集中し、検定合格などの目標達成に向けて取り組むこと。失恋や過去のよかったころの記憶を思い出さないようにして、これから何をするかだけ考えるようにした」
「映画は感動系など涙が出る映画を観て思いっきり泣いた後、ポジティブな物や女性のバリキャリ系の映画を観て自分を磨く方へと考え方を変えていった」
新しい趣味や出会い、自分磨きなどに集中し、時間の経過とともに乗り越えているようです。また、失恋を克服するために一歩踏み出すきっかけとして、友人との予定を入れたり、友人に話を聞いてもらったりとの声が多数うかがえました。友人の存在って大きい!
失恋経験から「恋愛への考え方」に変化はあった?
失恋を経験したことで、約8割が「恋愛への考え方が変わった」と回答。多くの人にとって、失恋は恋愛観に大きく影響をもたらしていることがわかりました。
◆変わった人のコメント
「相手のことを信頼したり、お互いそれぞれの時間も大事にするようになった」
「恋愛なんて、お金を持っている人のほうがいいし年齢も若い方が何事も取り組みやすい。いい人で、この女性が好きになってくれるだろうと他力本願でいる考えが間違いだと思うことを知った」
「自身の行動を振り返ると自分勝手なことも多かったため、周りの友達に支えられたことで人のありがたみを感じ、友達だけでなく彼にも感謝の気持ちを伝えたり行動で返すようになった」
◆変わらなかった人のコメント
「傷ついても楽しかった日々は変わらないから。生活に影響が出るほど好きな人がいたことはいいことだと思う」
「好きな人への気持ちや大切な人が自身の近くから居なくなる事は、どんなに経験しても学習もできないと思うし、考え方も変えたいけど変えられないと思う」
「失恋は悲しかったが、色々な人がいて、自分も他の人から交際を申し込まれて断ったことがある。失恋の理由は立場や人によって違うので、恋愛についての考え方は変わらなかった」
失恋したとき、「これ以上辛いことはないのでは?」と思うほど苦しくなることもありますよね。そんな辛さを乗り越えるためには、「心が乱れたときに自分をいたわる方法」をいくつか持っておくことが大切です。好きなものや夢中になれることを探したり、何かに集中したり。他人の恋愛や幸せと比べて落ち込んでしまうなら、意識的に情報量を減らすのもひとつの策。SNSから離れて、お気に入りの音楽を聴きながらひたすらリラックスする、ランニングなどの運動をするというのもいいでしょう。
もし、失恋をきっかけに「感情の起伏が激しい」「やる気がでない」「自暴自棄になる」などの症状が続き、仕事や生活に影響が出ている場合は、心の危険信号。心療内科や精神科に相談することも検討してみてくださいね。(Mai)