イケアで見つける、地球に優しくて心地いい暮らし
今、世界中で注目されている「SDGs」という言葉。これは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字を合わせたもので、世界193か国が貧困や環境問題の改善を2030年までに達成するために掲げた17の目標のこと。2020年からスタートした連載では、CanCamモデルのトラちゃんことトラウデン直美が「SDGs」について読者の皆さんと考える機会を作っています!
今回は、世界中にファンをもつスウェーデン発祥の家具ブランド『イケア』へ。無理なく持続可能なライフスタイルを叶えます!
渋谷スクランブル交差点近くの都市型店舗。限られた空間でも快適な暮らしを実現する、サステナブルな商品がそろう。創業80年を迎えたイケアは、世界63の国・地域で470か所の店舗を運営。1月には、日本で最も環境負荷に配慮したストア「IKEA前橋」も開業。
デザインに妥協せず賢くエネルギーをスマートに使おう
初めてのひとり暮らしから頼りにしているイケア。今回は、家で生活しながら環境を守れるアイテムを探しにきました! まずは、省エネ。気候変動に直結する課題ですが、実は世界のエネルギー消費量の多くが照明に使われているのだとか。そのため、イケアでは白熱電球に比べて85%消費電力が少なく、長寿命なLED照明のみを販売。なんと最長で20年もつそうで、取り換えの手間もなし! さらに使い捨てアルカリ電池の販売も終了し、充電式電池に切り替え。最大1,000回の充電が可能なのでゴミも大幅に減らせるのが魅力です。断熱ブラインドは、六角柱が並んだハチの巣の構造がヒントに。夏は日差しをやわらげ、冬は冷気の侵入と熱の逃げを防止して、省エネと節約を同時に実現できちゃいます!
■充電式電池で大幅にゴミを軽減
■壁に穴を開けずにカーテンレールに取り付け可
リユースや改修などイケアが追求する循環型ビジネス
最近は通販がメインだったので、久しぶりに店舗を訪れて発見したのが「サーキュラーマーケット」。展示したサンプル、家具買い取りサービス(郊外の大型店舗で実施)で買い取った中古品、販売終了となった商品などを最大70%オフのお手頃な価格で手に入れることができるんです。イケアでは輸送コストを抑えるため、基本的には組み立て前のパーツの状態でフラットパックに入っている家具が大半だそうですが、ディスプレイ品なら組み立て不要ですぐ使えるのがうれしいですよね! 実は我が家で長年愛用しているワゴンもあったんです(笑)。輸送中にパッケージの箱がヘコんでしまったものの、中身には問題のない生活雑貨などもお得に見つかりました! また、60%以上が再生可能素材から製造され、10%以上がリサイクル素材を含んでいるとのこと。製品に第二の人生を与えることで廃棄物ゼロを目指しているんですね。
自然を室内に取り入れ進化したリサイクル素材を活用
毎日を過ごすインテリアとなると気になるのは、使い心地を左右する素材ですよね。約50か国から年間約1,900万㎥の丸太を調達するという重要な役割を担っているイケアでは、森林管理協議会(FSC)などのパートナーと連携して、森林の持続可能な保全を推進。使用する木材の98%以上をFSC認定またはリサイクル材でまかなっているそうです。また、竹は肥料や給水をほとんど必要とせずに育つという特性を持ち、その成長の速さと頑丈さから、製品の主要な素材として採用。湿気に強く、バスルーム用品にもおすすめなのだとか。そして、ファブリックで使用されている綿にも注目です。2015年以降はすべて、農薬や肥料の使用を最小限に抑え、人や環境に優しい方法で栽培された綿花を原料に。さらに、リサイクル素材の使用にも積極的で、特にプラスチック製品の約3分の1は、リサイクル材料や再生可能資源を用いているのだそうです。ペットボトルの再生樹脂からつくったポリエステルを使用したラグはふんわりやわらか! 製造過程では、健康や環境への影響を最小限に抑えるため、化学物質の使用に厳格な基準を設けている点も安心ですね。実は撮影中、このスタイリングコーナーに座ったとたん急に眠気が…(笑)。すっかりリラックスしておうち気分を味わってしまいました♪
■目隠し収納に便利な竹編みのボックス
充電器やコード入れにも!
■クッションカバーで手軽に模様替え♡
綿やリサイクルポリエステルのクッションカバーも。
■洗濯機で洗えるふわふわラグ!
ペットボトルを資源にした洗えるラグ。
食を通じてポジティブな影響を、未来の食品・プラントベースも体験
館内レストランのサステナブルランチでひと息
食べることが好きなので、毎日使う料理アイテムもチェック! 耐熱ガラス製の保存容器は、つくり置きおかずの保存や温め直しも簡単、においが付きにくく色移りしないから長く使えますよね。自宅ではシリコンのふたを愛用していて、CO2発生に関わるラップの消費も抑えられる優れもの! 館内の『スウェーデンレストラン』では、エンドウ豆など植物由来の原料でお肉の風味を再現したプラントボールや、環境に配慮したASC認証のサーモンなども味わえます。高価になりがちなプラントベース食材を、世界展開でリーズナブルに提供。撮影スタッフさんからはプラントボールを「お肉だと思って食べてました。おいしい!」とのコメントも♪ 自宅で簡単に料理できる冷凍パックもお役立ちです。
■1台4役でフードロスを防ぐ♪
冷凍、冷蔵、電子レンジ、オーブン対応のガラス容器。
■ラップ不要でごみ削減!
繰り返し使えるフードカバー。
■電子レンジ、オーブンも可のふた
■無料給水スポットも!
マイボトルを持参すれば無料で気軽に水を補給でき、使い捨てプラスチック削減に貢献。給水場所は『mymizu』アプリで探せる!
地球に優しい暮らしのアイディアがたくさん!
新生活を楽しく思い描きながらイケアに来ると、店頭に背景のストーリーや暮らしの工夫が掲示されているので、『これなら長く使えるな』『これは捨てずに再利用できそう』など、自然と頭の片隅に残ります。生活の一部にして持続できる取り組みがいいなと改めて思いました!byトラちゃん
目指せ「SDGs」! トラちゃんの一歩
■人や環境への負荷を抑え気持ちが上がるパッケージも♡
今年のバレンタインにはフェアトレードのチョコレートを、お世話になっている方々にお渡し予定! イベントで取り入れると、相手とのちょっとした会話も広がりますし、人の輪がつながっていくのがいいなと思っています。
■今月の1冊は…『交通崩壊』
物流の「2024年問題」が話題になっている昨今。交通は生活に欠かせないものですが、意外と知らない危機がたくさん! 世界の改善事例を交えながら、日本の都市の現状も見えてきます。
今月のSDGsブランド「leinwände」
ロンドン在住の日本人デザイナーによって2017年に設立。ドイツ語で〝キャンバス〟を意味し、自由に絵を描けるようなブランドであってほしいとの願いが込められている。植物由来の糸を使う、トレーサビリティが保証された素材を選ぶなど、持続可能なファッションを提案。