板垣李光人が描くしめやかで厳かな“彼岸花”メイク
美を愛する俳優・板垣李光人さんが、お題に沿ったコスメとメイクを探しに出かけるこの連載。今回たどり着いたのは、秋の気配がする林の中。そこにあった路傍の花が、板垣さんに新たなインスピレーションをもたらしてくれました。
今回のテーマは…『彼岸花』
9月という言葉を耳にして脳裏にふと浮かんだのは、お彼岸の季節に咲く赤い花。
今回は、メイクのUDAさんとのディスカッションで、カーブを描くまつげを彼岸花のシルエットに見立てたメイクに挑戦しました。とびきり発色のいいレッドマスカラを塗ってみたら大正解。まぶたに塗るアイカラーでは表現できない、ビビッドでシャープなアイラッシュラインが、目元に立体的で有機的なニュアンスを与えてくれたのです。
マスカラの赤以外、メイクにもファッションにもあまり色を使わなかったのに、それでも充分すぎるくらい印象的。最近カラーマスカラが人気な理由は、この高い表現力にあったのですね。カラーを変えれば、また違った世界観を表現できそうだと感じました。ハロウィンやディア・デ・ムエルトスなど、海外の死者を祭る日は明るい印象ですが、日本のお彼岸はしめやかで厳か。写真にはそのムードも香るように意識してみました。“生”と“死”、“静”と“動”のあわいで揺れ動く、赤い花の息吹をこのメイクから感じ取っていただけたら、恐悦至極でございます。
メインアイテム
a. アイシャドウ
マットで洒落たオレンジブラウン。
b. フェイスカラー
山桜のようなピンクで優しく発色。
c. マスカラ
重ねるごとに鮮やかに映える赤いマスカラ。
How to make-up
肌に薄いヴェールをかけるようにファンデ―ションを塗り、眉の足りない部分を眉色に近いアイブロウで自然に描き足す。aのアイシャドウを薄くまぶたにのせてくすみをはらったら、bのフェイスカラーを頬にごくごく薄く広げ、血色感を加える。cのマスカラは、2~3回重ね塗りすると写真のように美しく発色。リップは、紫がかった透け色で潤いとニュアンスを足して。
完成♡
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耳の奥で毎日繰り広げられる“最高の音楽”という名の拳闘
私にとって音楽は、重大な美の要素のひとつである。そして、最近の私はもっぱら『東京事変』の新譜にお熱(正確には高熱)。聴くたびに、真っ暗闇の中で暗視ゴーグルをつけた相手と丸腰の自分がボクシングするかのよう。つまりは〝やばい〟ということです。そして、こういった聴覚からの美の大部分は、他の美を育むための養分となるのでした。
赤く染まった睫毛を揺らし思いふけるは彼岸花