確実に成功するはずなのに行動を起こさない人の心理
自分も何となく上手くいくと感じており、周囲も評価してくれている…… そんな状況なのに、いつまでも行動を起こさず、成功まで至らない経験ってありませんか。周囲の友人たちは「○○だったら大丈夫!」なんて言うけど、決定的な事実はまだない。そんなとき、アクションを起こせない人は一体どのような気持ちなのでしょう。そこで今回は、「確実に成功するはずなのに行動を起こさない人の心理」をご紹介いたします。
■成功するのがめんどくさい
成功するというのは、少なからず責任を負う行為です。成功したがゆえに期待を負う、次に失敗をしない……。それらは考えようによっては、精神的な負担になるとも言えます。これは“アカウンタビリティ(責任の概念)”と言い、自分の行動の結果は自分が選択したことで起きたものであって、他の誰かの責任ではないという考え方です。この概念が強いと、成功への期待感よりも自由が束縛されることへの恐れのほうが強くなり、上手くいくのが面倒になってしまうのです。その結果、成功の予感を感じていたとしても、行動に移す決定打を保留するという形になっていると考えられます。
■他の条件と比べている
人にはいい意味でも悪い意味でも、比較をしたがる心理があります。それは自分と他人だけでなく、他人と他人を比べる場合も少なくありません。なぜなら、自分にとって価値のあることや、成果を自慢したいと思うときも、他人と比べて優越感に浸ったり、周囲の人から羨ましがられることに快感を覚えるためです。そのため、成功を確実に感じ取っていたとしても、他に良い条件のものがいれば、をはかりにかけ比べる可能性があります。自分の中でこちらのほうが魅力的だという結論が出るまで、行動することはないでしょう。
■成功が確信できず失敗するのが怖い
どんなに自分の中で成功の予感を感じても、それはあくまで主観的なものであり、確実なものかどうかはわかりません。もしかすると自分の予測が甘い可能性もありますし、自信がなく確信を得られないでいるのかもしれません。そんな状態だと失敗するのが怖いと感じて、行動を起こせなくなってしまいます。人は、自分のしたことは環境からも同様に返ってくるという期待を持っています。自分のアクションに対して報酬が返ってくる可能性が少なければ、確信を得てアクションに踏み切るのが難しいかもしれません。
■成功することで変化するのを恐れている
成功前と成功後、いずれにしても必ず周囲や環境との関係には何かしらの変化が訪れますよね。あなたが成功することで今までの関係が壊れて、新たな関係が形成されます。そのことに対して、期待と同時に不安の感情を持つ人も少なくありません。人には一度決定した事を変えたがらず、継続しようとする心理傾向があります。これを“一貫性”と言います。もちろん、これまで親しくなかった人と親しくなる可能性もありますが、そこにおいても一貫性が壊れることを恐れてしまうものなのです。
おわりに
上手くいくと分かっているのに行動しない原因は、大きくふたつに分けられると言えます。ひとつめは、自分の熱量がそれほど高くない、もしくは確信が持てないため、環境からのアクションを待っているケース。そしてふたつ目は、自分がここで成功するべきかどうかを検討し、決めあぐねているケース。前者なら自分から勝ち取りに行くのが正しい選択ですが、後者の場合は様子を見たほうが無難だと言えます。自分をとりまく状況を観察しながら、どう動くべきか人は考えて決定しているのです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。