「ザ・リッツカールトン東京」直伝、絶品ヴィシソワーズのつくり方
冷たいじゃがいものスープ、ヴィシソワーズ。今では当たり前のメニューとなりましたが、1917年にニューヨークで生まれたときには、きっと画期的な存在だったはず。
ヴィシソワーズとはヴィシー風の、という意味。フランスの中心あたりにヴィシーという町があり、ローマ時代から温泉地として知られている所です。このあたりでは、じゃがいもとポロねぎでつくる「ポタージュ・パルマンティエ」という温かいスープが作られていますが、これを冷製にしたのが、ヴィシソワーズだといわれています。
本日はそんなヴィシソワーズの作り方をご紹介しちゃいます♪
ザ・リッツ・カールトン東京のヴィシソワーズ
東京・六本木の「ザ・リッツ・カールトン東京」では、夏定番のメニューとなっているヴィシソワーズ。フランスの田舎のポタージュを都会人好みのおしゃれな料理にしたのは、ルイ・ディアという料理人。今もセレブリティに愛され続ける、ニューヨークのリッツ・カールトンホテルのシェフでした。子どもの頃、牛乳を入れて食べたという夏のポタージュにヒントを得てつくり、自分の故郷にちなんで命名したとか。
「じゃがいもはメークインを使ってください」というのが、「ザ・リッツ・カールトン東京 タワーズグリル」のスーシェフ(副料理長)・廣田安信さんの最初のひとこと。なめらかで、とろりとした状態に仕上げたいので、まずはじゃがいもの選び方が大切というわけです。男爵など、熱が入ったときにほっくり仕上がるじゃがいもだと、ザラザラした仕上がりになりがちとのこと。
ヴィシソワーズの材料
【用意するもの(6人分)】
メークイン 400g/ポロねぎ 85g/玉ねぎ 100g/バター 25g/チキンストック(鶏のだし)600ml/塩 4g/牛乳 300ml/乳脂肪分45%生クリーム300ml/白胡椒 適量/シブレット 適量※チキンストックは水600mlにチキンコンソメの顆粒6gを入れたものでもOK、ポロねぎも長ねぎの白いところで代用可能
ヴィシソワーズの作り方
【1】野菜を薄切りにする
じゃがいも、ポロねぎ、玉ねぎを切る。じゃがいもの皮をむき、厚さは5mmほどに切る。ポロねぎは縦半分に切って、洗ってから薄切りにする。葉と葉の間に土などが入っていることがあるので、半分に切ってから洗うと良い。玉ねぎは縦半分に切り、繊維と直角に薄切りにする。
【2】野菜を炒める
底の厚い鍋にバターを入れて、中火にかけて溶かし、じっくりと野菜を炒めていく。固いポロねぎから炒め、全体にバターが回り、しんなりしたら、玉ねぎを加える。玉ねぎに充分火が入ったら、最後にじゃがいもを入れ、塩で調味する。玉ねぎやじゃがいもは焦げやすいので、焦げ色をつけないよう気をつける。
【3】チキンストックをやわらかく煮る
じゃがいもが透き通ってきたら、チキンストックを入れ、じゃがいもに竹串がすっと入るほどのやわらかさになるまで、15~20分ほど弱火でことこと煮る。じゃがいもがやわらかくなってきたら火を止め、常温になるまで冷ます。
【4】野菜すべてをミキサーにかける
やわらかくなった野菜をスープごとミキサーに入れる。全体がなめらかになるまで、中の様子を見ながら、何度かスイッチを入れたり、切ったりして、少しずつ回していくと良い。ハンドミキサーを使って、鍋の中で細かくしても良いが、ミキサーほどなめらかにならない可能性があり、濾すときに手間がかかる。
【5】氷水で冷やす
ミキサーにかけたものを、さらにシノワで濾す。シノワは目が細かいので、流し入れただけでは濾せないため、上からレードル(おたま)などで押してやると良い。800gのものが、シノワで濾すと700gほどになる。これをボウルに入れ、氷水の入った大きなボウルに浮かべて冷やす。冷蔵庫で冷やしても良い。
【6】生クリームに混ぜ合わせる
【5】が充分に冷えたら、冷たい牛乳と生クリームを入れて、塩と白胡椒で味を調え、ムラにならないように混ぜる。スパチュラなどを入れて持ち上げたときに、とろとろとつながって落ちるくらいの粘度となると、舌触りが良い。器に盛り、中央にシブレットのみじん切りを飾って完成。
店舗情報
ザ・リッツ・カールトン東京 タワーズグリル
住所:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン45F
電話:03-3423-8000
営業:6:30~10:30(土日祝~10:00)、11:30~14:30(土日祝11:00~14:00)、17:30~22:00
【まとめ】
この季節だからこそいただきたい、冷製スープ。リッツ・カールトンでいただくのもいいけど、手づくりしたヴィシソワーズの味わいは、また格別かもしれません。(鈴木 梢)
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