お麩を定番食材として広めるべく『お麩研究部』を発足し、さまざまな活動をしているシラサカアサコさん。前回は彼女が『お麩研究部』を始める前のお話や、毎日がんばる女性たちへの想いなどを語っていただきました。
前回のインタビューはコチラ→ 「お麩」で女性をハッピーに!『お麩研究部』部長シラサカアサコさんの、活動のきっかけとは?
今回は『お麩研究部』が始まった経緯や、お麩についてのさまざまなお話をしていただきます。
Woman Insight編集部(以下、WI) それではお麩との出会いや『お麩研究部』について教えていただけますか?
シラサカアサコさん(以下、アサコ) 私は、埼玉生まれ埼玉育ち。1年半前までは、お麩といえばお味噌汁に入っているくらいでした。その頃、たまたま知人からお土産で『車麩』をいただいて。あの、バームクーヘンみたいな形のお麩。そのとき作ったのが、お肉の代わりにお麩を使った『お麩じゃが』だったんです。それをブログに載せたら反応が良かったんです。
WI そこからお麩のアイデアレシピが始まったんですね。
アサコ そう。お麩ってたいてい使いきれなくて、あまりがちで。でもまた同じ料理を作ってもつまらないし、ブログをやっていることだし……と思って作ったのが『お麩ドーナッツ』や『麩レンチトースト』。そうしているうちに友人や周りの人たちが同じように作ってくれたり、アレンジしてくれたりし始めたんです。
WI そこからどうやって『お麩研究部』になっていったのですか?
アサコ お麩って、形がかわいいんですよ! SNSなどに投稿された写真を見ても、かわいらしくて。「これはまとめたら面白いんじゃないかな」と思ったんです。それがきっかけで『お麩研究部』ができたんです! いざサイトができて、ほかに何をしていこうかと考えたときに「もっとお麩のことを知りたい!」と思いました。いくつかのお麩会社さんに連絡をしたんですが、その中の1社の方が「そんなにお麩のことが気になるなら、工場見学してみますか?」と言ってくださったんです。
WI それで、実際に作られる現場を見に行かれたんですか?
アサコ 行ってきました! 見学させていただいて気づいたのは、思っていた以上に手作業で作られていること! 値段は安いし、工場の製造ラインに流れているようなイメージだったんですけど、グルテンを作る以外はほとんど職人さんが手作業でおこなわれていて。しかもお麩って種類がいろいろあって、それぞれ別の方が手作業なんですよ!
WI かなり手が込んでいるんですね!
アサコ しかも材料がシンプルだから、作られる環境によって出来上がりが変わってしまうんです。状況に応じて配合や焼き加減を変えたりするんですけど、そういった“レシピには書けない職人技”があって。それだけ手間がかかっているのに安い。たとえばインスタントのお味噌汁に入っていたりするとそれだけでたくさん流通するので良いんですが、そういった流通をしない小さなお麩の会社は縮小してしまう。この40年でお麩工場の数は5分の1まで減っているそうなんです。「このままだとお麩がなくなってしまうかもしれません」といった話を聞いて、食変化で伝統食品がなくなってしまうなんてさみしい! と思いました。
WI 確かに、普段あまり食卓に並ばないと言っても、まったくなくなってしまうのは悲しいですね。
アサコ 現状のイメージとして煮物に使うものだとか、古い食べ物だとか、そういった印象なんですよね。そのまま広めてもインパクトがないし、新しい発信にもならない。そこで何か新しい形でお麩を広めていこうと思ったんです。お麩を作る人や食べる人たちがハッピーになればいいなあと。ブームを作るということではなく、食材のひとつとしてお麩が食卓に並ぶ回数を増やしたくて活動をしていますね。
WI 一般的な野菜などのように「今日はこれを使おうかな?」なんて気軽に手に取ってもらえるような食材に、定番食品になっていけばいいですね。
アサコ そうそう! 使っていくうちにわかったんですけど、日持ちしない食材の代用にも良いんですよね。お麩じゃがとか麩レンチトーストとか。あと、料理が苦手な人も使いやすいんです。お麩は元々火が通っていてそのまま食べられるから生焼けなどということもないですし、形がしっかりしているから料理の見た目が損なわれることもない。時短料理やおやつ作りにもピッタリです!
WI 使いやすい場面が多くて、本当に万能食材ですね!
アサコ 水分で膨らむから腹持ちも良くて、ダイエット食として食べる人もいますね。別にカロリーにすごく差があるというわけではないのですが、お麩は軽いのでお米と同じ量はなかなか食べられないんですよ。でも水分を吸うということは、高カロリーな汁を吸うような料理だと逆効果だったりもするので、気をつけてくださいね。
WI 『お麩研究部』もかなり規模が大きくなってきて、いかがですか?
アサコ たまたま縁があって出会ったお麩という食材ですが『お麩研究部』の部員もかなりの人数になってきて、それだけ少しでも興味を持ってくれる人が増えてきたことがうれしいですね。お麩が抱えている問題って、さまざまな食品が抱えている問題なんだろうなと思いますね。食材がなくなるのって、食べる人が減って、職人さんがやっていけなくなってなくなることが多いと思うんです。そういうのってさみしいですし、食材をきちんと知ると良い点が多いことってたくさんあるので、たくさんの人に広まればいいなと思いますね。
シラサカアサコさん、ありがとうございました! さまざまな縁とタイミングで、お麩を広めることとなった彼女。これからも『あさこ食堂』や『お麩研究部』を始めとするシラサカさんの活動に要注目です!(鈴木 梢)
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シラサカアサコさんが部長を務める『お麩研究部』
http://ofuken.com/
シラサカアサコさんの料理ブログ『あさこ食堂』
http://asacokitchen.com/
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