一見とても華やかそうに見える女性ファッション雑誌でのお仕事。トレンドの最先端を常に行っていて、パーティや新作展示会、ファッションショーなどに行ったり、モデルさんや有名人とお仕事が一緒にできる、女の子が憧れる職業のひとつです。
しかし、華やかそうに見えて、実はとても過酷で体力勝負なのがこの業界。一人前のファッションエディターやスタイリスト、フォトグラファー、ヘアメイクなどになれるまでには、職業によっても差はありますが、だいたい1~3年程度のアシスタント期間を経験します。アシスタントは師匠に弟子入りして、仕事を教えてもらいながら師匠と二人三脚で華やかな誌面を作っていくことになります。
そんなアシスタントしての修業期間中、一番大変なのが、なんといっても金銭面！
アシスタントの仕事内容は師匠のサポートから準備、アポ入れ、買い出し、荷物持ちなど幅広い。とにかく撮影やコーディネート、編集業務がスムーズに進むために仕事をする“なんでも屋さん”的な存在。シフトなど決まっていないので働く時間は個人差がありますが、時給制ではなく出来高制（「1ページあたりいくら」とか「１現場いくら」など）の場合が多いため、もらったギャラを時間で割ると300円とか400円とか泣きたくなるほど少ないことも！
Woman Insight編集部では、そんなファッション業界で働くアシスタントの女の子たちに、お金について取材をしました。彼女たちならではのあるあるエピソードをご紹介します！
【1】交通費がもったいなくて、歩いて通っていた
「月刊誌って、2か月前から進行するんです。なので、発売は2か月後、ギャラや交通費がもらえるのも2か月後になってしまいます。アシスタントしはじめはスタジオに行く交通費すらなかったので、カフェのアルバイトを平行してやっていました。どうしてもお金がなかったので最後は1時間歩いてスタジオに通っていました」(アシスタント歴1年半)
【2】撮影で余ったおにぎりやお弁当を持って帰る
「地方から上京したので、家賃だけで1か月のギャラがもうなくなっちゃうんです。出費を抑えられるところといったら、食費ぐらい。撮影などで、モデルさんが手をつけなかったお弁当やおにぎりなどをもらって、家に持って帰って食べていましたね。余ったお菓子もたくさんデスクの下にストックしておいて、お腹が空いたときに食事代わりにちょっとずつ食べてました」(アシスタント歴1年)
【3】家に帰ったら電気・ガスが止められていた
「手違いでギャラの振り込みが遅れたことがあって、そのときは大変でした！ 徹夜続きで久しぶりに家に帰ったら、なんと電気・ガスが止められていたんです。ギャラが振り込まれていないので口座引き落としができなかったんですね。泊まり込みで仕事をしていたので、払っていなかったことに気がついてなかったんです。でも、払ってないと気づいても、そもそも払うお金がなかったので、しばらくそのまま暮らしていました。アシスタント時代の一人暮らしは本当にオススメしません！（笑）」(アシスタント歴2年)
【4】親に借金をして生活してます
「わたしは実家暮らしなのですが、本当にお金がなかったので毎回、親から借金しています。両親は、アシスタントの仕事やフリーランスの仕事がどんなものかわからなかったみたいで、毎日心配してました。四年制の大学も出ていて、毎日朝早くから仕事に行ってヒーヒー言っているのに、ギャラは激安。大丈夫なの？って心配されています」(アシスタント歴６か月)
華やかそうな誌面の裏には、こんな苦労があったんですね。でも、みんなの話を聞いていると「お金がないからこそ、安くてかわいいファッションを研究できる！」「いつかスタイリストになったら好きなブランドの服を着まくって仕事がしたい！」など、とても前向きでした。
そして、「師匠からは貴重なアドバイスをもらったり、いろいろ教えてもらったりできるから苦にならない」「お金は安いけどカメラ機材のお下がりをもらえた！」「みんなで力を合わせて作品を作り上げる場に自分がいられるだけで嬉しいし、モチベーションが上がる！」などなど、(もちろんギャラが上がるに越したことはないわけですが)お金に代えられないプライスレスな価値を感じているという人も多数いました。いつか輝くときが来るその日まで、彼女たちは夢に向かって今日もがんばっています！(松本美保)
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