今、勘違いしてない?本当に幸せになれる、あなたが選ぶべき彼の見つけ方

最初は好きになって付き合ったはずなのに、なぜかうまくいかない。付き合っているから義務で一緒にいるような感じがして、居心地が悪く窮屈。
もしかするとそれは、あなたが「選ぶべき相手の基準」を、無意識のうちに大きく間違えてしまっている可能性があります。

 

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2021年春に「ナチュラルな自分のまま幸せになれる結婚」をテーマにした書籍『やっぱり結婚しなきゃ!と思ったら読む本 35歳からのナチュ婚のすすめ』を出版した金沢悦子さん・トイアンナさんに詳しくお話をうかがいました。

◆「ありたい姿」を見つけるワークからスタート

CanCam.jp編集部(以下、編)さて、今回は「選ぶべき相手の見つけ方」についてうかがっていきますが…どんなところから考えていくと良いでしょうか?

金沢悦子さん(以下、金沢)まずは自分の理想の人生を書き出してみましょう。

 え、そこからですか?

金沢 もし恋愛でうまくいかなかったり、あまり幸せじゃないなぁという経験を重ねてきているのならば、そもそも「自分はどういう状態が理想なのか」がわかっていないことによって、自分が幸せになれない道を突き進んでしまっている可能性があります。私が主宰している婚活結社「魔女のサバト」では、全米ベストセラーになった『The Passion Test: The Effortless Path to Discovering Your Destiny』の中にある「パッションテスト」を採用しています。「理想の人生を生きているとき、私はこういう状態にいる」ということを、なんでもいいので50個書き出してください。

 

50も思いつく気がしません。

 50個も!そんなに思いつかない気がしますが、どう考えたらいいでしょうか?

トイアンナさん(以下、トイアンナ)なんとか絞り出しましょう。私の場合はいきなり3番めに「安定的に年収3000万ある」と書いているんですが、これも全然なんの根拠もなく、だいたいこのくらいの年収があったら幸せかな〜、根拠なし!という感じで書きだしました(笑)。

 

トイアンナさんの実際のリストを見せていただきました。

金沢 でも実はこの「根拠なし」が重要です。「できるかできないか、今の人生の延長かどうか」ということは、まったく気にする必要がありません。「できる範囲」で考えてしまうと視野がとても狭くなってしまう上に「達成しないといけない」という余計な軸が発生してしまいます。最新の脳科学の研究では「無意識」や「潜在意識」が重要視されていますが、このワークはまさに潜在意識に働きかけるもの。「目標を決めること」ではなく「自分が心地いい状態を、いかにありありとイメージできるか」が重要です。

 いわゆる引き寄せの法則のようなものでしょうか?ちょっとスピ的なイメージがありますが…どうなんでしょう?

ほんとかしら。

金沢 そうですよね、スピ的なものと認識されがちですよね(笑)。でも実はスポーツ心理学でも「イメージできたことは、そちらに近づいていく作用がある」と証明されていて。たとえばスキージャンプでは、新しい技を飛ぶ際にイメージトレーニングをするかしないかで、習得の早さが変わってきます。それと同じように「3000万円稼げている自分がいいな」とイメージすると、イメージしないよりも行動が「稼げる自分」に近づいていきます。

 なるほどなるほど。理想を50個書くってなかなか大変な気がしますが、思いつくものでしょうか?

金沢 おそらく、普通は20くらい書いたら尽きます(笑)。でも、最初に思いつく20の望みは「海外旅行に年3回以上行きたい」など、いつも考えていることの中から楽しそうなことが出てくることが多いんですよ。この「尽きそうになったところから出てくる望み」にこそ、核心があります。出しきったあとにこそ、本音が絞り出されます。

トイアンナ たとえば私は29番めに「ある分野で教祖になる覚悟を決めている」、38番めに「最期、人工呼吸器にトリュフのスライスを貼ってもらえる」などと書いています。そのくらいなんでもいいから書いてみることが重要です。

こちらもトイアンナさんの実際のリスト(後半)。なかなかぶっ飛んだ理想もいくつか。

金沢 トイアンナの場合は、そこを経てからの40番め以降が自然体で哲学的だよね。たとえば40番めの「気づいたら大きな仕事をしていたと思っている」、41番めの「人に感謝する気持ちを忘れないまま老いていく」44番めに「子どもの夢を、お金は心配するな、やってこいと言える自分である」、最後に「女性の自立の象徴である、CHANELの似合う女である」…。書いているうちに、自分でも気づかなかった希望に気づくこともあります。

◆「3つのYES」を絞り込む

トイアンナ 50個書いて自分の理想の人生の全体像を見渡したら、じゃあそこから5個に絞るならどうすると、削って、じゃあその場合伴侶に何が必要かを考えるんです。これが「3つのYES」です。

 

金沢 もっと詳しく説明すると、「3つのYES」とは、パートナーとの理想の人生を生きるうえで譲れない価値観を3つに凝縮する「魔女のサバト」定番ワーク。「3つ」の理由は、伝えやすく覚えやすく、紹介してほしいときに「こういう人がいい」と言いやすいから。夫婦であるときにどういう状態が理想かを10個以上考えた中から5つに絞り、それぞれについて「なぜ?」を2回以上問いかけることで、自分が結婚に対して大事にしている価値観をあぶり出してください。最終的に導き出した3つの条件を眺めて、納得感があるか、気持ちが上がるかを感じてみましょう。違和感があるなら何度でもやり直してください。考えは少しずつ変わることもあるので、定期的に見直しをしてみてもいいですね。この条件がしっかり定まっていると、

・「こういう人を紹介して」と言いやすい
・男性と話すときにその価値観が合っているかを見る確固たるチェックポイントになる
・そもそも「そういった男性はどこに行けば出会えるのか」を考える指針にもなる

と、いいこと尽くめです。魔女のサバトでも、このワークを通して「人生に必要な本当の好み」がわかったから、これまでの恋愛のように窮屈になることなく、次々と結婚していく…というパターンが非常に多いですね。

 

3つの条件…何だろう?

 めちゃくちゃ役立ちますね。書く際に気をつけたほうがいいことはありますか?

金沢 50の理想でも3つのYESでも「肯定系」で書くことが重要です。たとえば「都会すぎるところに住んでいるのはイヤ」ではなく「郊外の素敵な家に住んでいる」とか、「酒癖が悪くない人」ではなく「楽しくお酒が飲める人」「ふたりでお酒を楽しめる人」がいいですね。否定系は脳が感知できないので、否定系で考えると、実は否定直前の言葉が頭に残るようにできているんです。わかりやすい例で言えば「これを見ないでください」と言われると、見ますよね(笑)。それと同じです。肯定系で自分の中に落とし込んでいきましょう。

肯定のみ!

トイアンナ 若ければ若いほど世間体や他人の声に引っ張られやすいので、「他人の声」と「本当の自分の願望」を分けて考えてください。理想の人を挙げる中で「それってお母さんの好み入ってない?」「自分と同じ大学のレベルじゃないといけないって、そんなに大事? 自分以下はイヤだって、そういう人と話したことがある上でやっぱりうまくいかなかったのならいいけど、話もしないで決めてない?」とか、無意識のうちに引っ張られていることがたくさんあると思います。

金沢 ただ、20代くらいだと自分の現実と理想のギャップもあるので、引っ張られやすくなってしまうのはしかたないし、夢を見るのが自然です。いろいろ経験してきた上で「こんな失敗が多かった」「頑張ってアプローチしてもうまくいかなかった」という自分の傾向がわかってくるのは30歳前後。だから20代のうちは、一度自分が思う通りにやってみるのが大事だと思います。

トイアンナ 私たちが言っていることはスキンケアの「SK-Ⅱ」みたいなものですよ。若いうちはSK-Ⅱに頼らなくてもどうにでもなることも多いんです。

金沢 こうやって戦略を立てることは理想に近づく近道にはなるので、頭の片隅に置いてもらって「そろそろ彼氏が欲しいのに、どうしても彼氏ができない!」「何人と付き合ってもうまくいかない!」とにっちもさっちもいかないときに思い出してもらえたらいいなと思います。

 

この「3つのYES」で自分の価値観をはっきりさせたら、次は「どういう層の人に狙いを定め、出会い、どう売り込んでいくか」のフェーズへ。次回詳しくご紹介します。

▼お話をうかがったのは…
金沢悦子さん
株式会社はぴきゃり代表取締役。リクルートを経て日本初の総合職女性向け転職情報誌「ウーマンtype」創刊編集長。これまでに1万人以上の働く女性のキャリア支援を行う。婚活結社「魔女のサバト」主宰。

トイアンナさん
PAX株式会社社長。外資系企業でマーケティングを担当後、恋愛コラムニストとして1500名を超える相談実績から独自の恋愛・婚活分析を展開。婚活結社「魔女のサバト」メンバー。

▼information

『やっぱり結婚しなきゃ!と思ったら読む本 35歳からのナチュ婚のすすめ』
トイアンナ 金沢悦子 川崎貴子 共著
1452円/河出書房新社

 

構成/後藤香織