【記者会見全文レポート後編】JINとSUGAが語る「BTSが世界で愛される理由」とは?

BTSの新曲『Butter』は、血も涙もないコンペを経て完成した自信作!

BTSの待望のNEWデジタルシングル『Butter』が本日リリース!

それを記念して本日行われたグローバル記者会見の模様をお届けする全文レポート。『Butter』の聴きどころやMVの見どころを紹介した前編に続き、これからの活動や未来についてより率直な気持ちを語ってくれた会見の後編をお届けします。

ーーここからは現場にいらっしゃる記者の皆さんの質疑応答の時間です。去年は『Dynamite』でビルボードで新しい記録を達成し、グラミー賞ノミネート。『Butter』は全編英語詞ですし、またデジタルシングルという点で類似していますが、グラミー賞を狙いたいという目的は含まれていますか?

SUGA 「ない」という風に言うことはできないと思います。当然、グラミー賞を受賞したいという気持ちはありますし、『Butter』でもう一度挑戦したいし、いい結果が得られるといいなと思います。

RM SUGAさんがいい解答してくれたので…。本当にたくさんの方が気になっているようにグラミーのことももちろん念頭においてます。最善をつくして挑戦したいと思います。

ーーRMさんに質問です。元々曲の作業をたくさんされてきましたが、今回は英語曲ですよね。母国語ではないので少し難しかったんじゃないかと思いますが、曲の制作背景や一番難しかった点、重要だったポイントがあれば教えて下さい。

RM 『Butter』の曲は、たくさんの曲の中から選ばれました。僕たちも制作や作曲に意欲的なメンバーなので、参加したかったんですがガイドの時点でとにかく完成度が高くて…。ただ、ラップパートは僕たちに合わない部分があって、そこはスタイルに合わせて直してみようということで、参加することになりました。僕が英語が話せるから僕だけ参加したというわけではなくて、SUGAさんもJ-HOPEさんも…。

SUGA 僕は脱落しました。

RM  そういう血も涙もない決定が行われる中で(苦笑)、僕が作ったラップパートを中心に修正された、そういう背景があります。質問してくださったように母語ではないので、消化するのに乖離や違和感がなかったわけではないのですが、僕自身もアメリカのヒップホップやポップを聴いて音楽を始めたので、結構楽しく、早くまとまったような気がします。こういうかたちでも参加できて光栄でしたし、楽しい経験になりました。

SUGA  いつもコンペがあるんですけど、英語で書かないといけない。英語の勉強を頑張って挑戦したんですけど、選ばれませんでした。血も涙もありません(笑)。

ーーRMさんが『Rolling Stone』のインタビューで、K-POPの中にあるのか、外にあるのかについて気にしていない、とおっしゃっていましたが、今回の曲でBTSらしさ、K-POPらしさはどこにあると思いますか? また、RMさんがつくった歌詞はどの部分なのか、教えて下さい。

RM 質問ありがとうございます。音楽に限らずなんですが、芸術というものは、その過程・プロセスにあるときはわからないもので、過ぎてみてから評価されたり、談論が形成されるんですね。K-POPはもはやジャンルというよりカテゴリ、ひとつの産業、少し拡張された概念になったのではないかと思います。僕たちの音楽がK-POPという枠の中で説明されるべきかそうでないかものなのかどうかは、よくわからないですが、僕たちがBTSとしてベストを尽くした後に、評論家の方が評価してくださるものではないかと思っています。
僕が書いたパートは、最後にJ-HOPEさんと呼吸するところ。SUGAさんと僕がやりとりする部分の半分、ラップパートの半分くらいは、僕が修正したり加えたりした部分であると考えてください。

ーーひとつの結果物が出るまで色々な悩みがあると思いますが、今回のシングル、そして夏に発売するアルバムまでの6か月、いろんな努力や悩みをされたと思いますが、それが何か聞きたいです。そして8年目のみなさんの間で、もっとも話題になるものについても聞きたいです。

JIMIN 今の状況、時勢の問題で直接お会いできないという部分がありまして、僕の場合は少し孤立していたのではないかと思います。
僕たちが狙っているのもあるし、お見せしたいのもあるけど、1曲にそのすべてを盛り込もうとしたところ、ビジュアル、パフォーマンスでも、どのようにお見せできるのか、声をどのようによく聞けるようにできるのか悩んだと思います。

V 8周年は本当に大変気持ちのいいものですし、意味深いのですが、少し名残惜しい部分もあります。「FESTA」というARMYの皆さんのためのイベントがあるのですが、オフラインでお見せできない点。そしてお見せできなかった舞台もたくさんありますので、ARMYの皆さんにに会えないままイベントを行うという時点ではやはり悲しいです。それでも一生懸命やりたいと思います。

JIN  最近メンバーの間で話題なのは、Vさんがパーマをかわいくかけたので…パーマを何時間かけたらああいう髪型になるのかということですね。「それ、何時間かけた?」と、プードルみたいなのでここ何日間かかわいがっています。

V  最近僕がメンバーの中でかわいいを担当しています。それでこういう髪型をやったほうがいいんじゃないかなと思いました。

JIMIN  一番の話題は、8周年と少し関連があると思います。僕たちがここ数か月間、チームについての悩み、僕たちがどうするべきか、ファンの皆様との関係だとか、ファンの皆さんに僕たちの新しい姿でファンの皆さんを満たすことができるのか、ということもそうですし、もっとよい姿をお見せしたい、そういう部分について考えたような気がします。

RM JIMINさんが話してくれたように、いちばんの関心はこれからの未来ですね。ニューノーマルのなかで、僕たちの機能はなんなのか、なぜ存在し、音楽をつくるのか。もちろんグラミーといった色々な成果も大事だと思いますが、僕たちがBTSとしてどういった価値を実現していくべきなのか。どういうことを追いかけていけば、意味のある、産業的なジャンルの中で残すことができるのかを考えていました。

ーーデビュー初期にはHIP HOPグループとして始まりましたよね。今、全世界的な主流はヒップホップですが、そういった正統なヒップホップに挑戦される考えはありますか?またどうすれば世界に力を与えられるのかとおっしゃっていましたが、なぜBTSが人気があるのか、そういう自己判断が気になります。

SUGA  去年の僕たちのアルバム『7』にはヒップホップトラックが何曲か入っていましたし、それ以降『BE』にも入っていましたし、本格的なヒップホップといったように、ジャンルを区別しているわけではないので。何かを作るときに、大衆音楽をする歌手として何がいいのかを考えた上で、やりたいことを組み合わせるやり方でやっています。ラップだけでやるトラックは、僕のミックステープで10個そろえて出したことあるし、個人的な活動で満たすことができると思います。
全世界で人気がどうしてあるかということを、そこまでメンバー同士で考えたことはないけれど、ぼくたちは歌手なので、音楽に関しては誇りを持っていいほど準備してきましたし、うまくやっていると思います。いろいろな要因があると思いますが、まずは歌手として、第一にステージ、第二にステージを考えるのが僕たちの強みなのではないかと思います。

JIN  僕は、僕たちをなぜ愛してくださるのかに関して、インタビューや動画を探したことがあるんですが、「同年代の話をしてくれてありがとう」という話がありました。「今ここで悩んでいてどうすればいいかわからないけど、BTSはこう考えて解決しているのか」そういうふうに共感できると考えてくれる人が多いということに気づきました。そういうところ、共感を得られた部分を愛していただけたのではないかなと思います。

ーーアメリカのドラマ『フレンズ』に出ると聞いたのですが英語ですか?また、ツイッターで話題になっていた、『Butter』のサンプリングについても教えてください。

RM 『フレンズ』についてネタバレすると、放送局はあまり喜ばないと思いますが、収録は終えました。具体的にお話できないのはご了承ください。QUEEN先生、先生方と言えるでしょう、ウェンブリースタジアム公演も、映画『ボヘミアン・ラプソディ』が流行っていた時なんですが、今回のティザーはオマージュやサンプリングではない、ということを一言でお伝えしたいです。

ーー先ほどQUEENの話がありましたが、ティザーをみたときに非公式アカウントでコラボを思わせるようなことが話題があがり、ファンが期待しているところもあるので、今後何かあるのかについて、聞きたいです。

JIN  その部分についてまだそのような計画はありません。いい機会があればいつでも連絡を待っていますので、QUEENの皆様、よろしくおねがいします。

ーー最近オープンしたHYBE INSIGHTの展示会の映像で、RMさんとSUGAさんが話していたことが印象的でした。RMさんは「人々の心に長く残ることをしたい」、SUGAさんは「聞いてくれる人のための音楽をしたい」とおっしゃっていました。先ほどおっしゃっていたどういう価値を実現していくか、という悩みの延長線だと思いますが、そういう悩みのきっかけはなんなのか、それに対する答えが出たのかについて聞きたいです。

RM  先ほどJINさんが、BTSがどうして人気があるのかを考えた時、同時代に住む人を代弁する、そういうことについて話をしてくれましたが、BTSが音楽を企画して制作するときに、まず会社と僕たちで話をするんです。どういう情緒をもっていて、どういう話をしたいのか、どういう気分なのかについて話をします。最近考えるていることについてのインタビューのようなものをするんですね。そこである種バランスを見つけていくことになるんですけど、つまりBTSがやりたいもの、表現したいことはなんなのか。その反対側で、人々が僕たちに聞きたいことはなんなのか。それについての悩みがいつもあります。学校シリーズ、花様年華、Love Yourself、Map of the Soul、Dynamite、 BEというパターンまできましたが、特にタイトル曲は、その瞬間に下した最大の決断だったと思います。ニューノーマルを迎えて、同じ時代にはどういう価値を追うべきなのか、話すべきなのかについて責任が大きいんですけれども、今回の『Butter』もまた、僕たちなりの答えを出したといえます。この次に出てくる答えが、今考えている悩みに対しての次なる答えだと思いますし、年に2、3回くらいあるアルバムや曲たちが、僕たちなりの最善、ベストを尽くした結果、答えだと考えてくださったらなと思います。

SUGA 「聴いてくださった方のためにやる音楽」というのは、僕が大邱で音楽を始めたときに、観客2人の前で公演したこともありますし、練習生をしながらやっていく中で、聴いてくださる方がいない中で音楽をやるときの心の傷や悩みに比べれば、大変多くの愛をもらっているので、そう言った意味で僕たちの音楽を聴いてくださるファンのために音楽をするというのは当たり前だと、小さい頃から考えてきました。僕は今本当に身に余る愛をもらっていると思うし、誰のためにするべきなのかという答えはいつもファンの皆さんでした。聴いてくださる方のいない音楽は僕にとっては少し悲しい記憶がたくさんあるので、特にそうするべきだと思います。

ーー最後に挨拶をお願いします。

RM  このような状況、お忙しい中、このようなアンタクトな時代に直接お会いできて本当に幸せで、とても力になりました。これからも、素敵な音楽でお会いできるよう最善を尽くして、『Butter』の活動もがんばります。

ときにユーモアを交えながら、思慮深くインタビューに答える7人からは、ワールドスターの貫禄がにじみ出ていました。

今回の新曲は、5月24日朝9:00~(日本時間)に開催される「2021ビルボード・ミュージック・アワード」で初披露されるとのこと。いったいどんなステージを披露してくれるのか、今から楽しみです!

画像提供/BIGHIT MUSIC