学費は自分で稼ぎました。「港区女子」を引退して「恵比寿女子」に転身した26歳・野心家エステティシャンのリアル

超絶ギラギラしていた「港区生活」がコロナ禍で終わる

六本木ホステス時代。同伴でおいしいご飯を食べて、勤務して、さらにアフターまで。

ライターS:けっこうハードワーカーな感じが…。どんな働き方だったんですか?

ユカリ:そうですね…。クラブの仕事は20時から、深夜1時まで。そこからアフターがあって、眠りにつくのは夜中の3時とか4時かなあ。そのまま、次の日は11時にサロンに出社していたので、平均睡眠時間は4時間くらいですね。半年くらい、昼は美容サロン、夜はホステスという二重生活を続けていたのですが、体力的に厳しいし“イヤイヤ、もう私26歳だし…”って感じではありました、正直。で、そのころ美容サロンから独立して生活的にも余裕が出てきていたんです。だからそろそろ潮時かなって思っていたころに、ちょうどコロナ禍になってクラブのお客さんが激減。そのタイミングで六本木のクラブを辞めました

ライターS:なるほど。そこからどうやって今の生活に?

ユカリ:夜の世界は、華やかだし“THE・東京感”があるじゃないですか。毎日高級シャンパンがポンポン開くのが、バブリーだなあって大好きで。その生活が無くなって寂しいというのもあるし、毎晩飲みに行っていた場所が無くなったので、夜の過ごし方がとにかくわからない

実は、お客さまも同じ思いをしているんですよね。女のコには会いたい、でもお店が開いていない。そこから元客さんと、一緒にお食事をして、タクシー代込みのお小遣いをもらう”ギャラ飲み”がスタートしました。

ギャラ飲みさんとメッシーさんを使い分ける「恵比寿女子」に転身

ライターS:ギャラ飲みって、どんな感じなんですか?

ユカリ:お小遣いの相場は、だいたい1万円。羽振りがよければ3万円って感じですね。“接待で可愛いコ連れてきて”って言われるときとかもあって、そのときは3万円もらったりも。アテンド代です(笑)

当然のごとく“ご飯行くならお小遣い渡すよ”っていう価値観を持つ人もいます。彼らは「ギャラ飲み」さん。でも”おいしいご飯おごってあげてんだからさ、お小遣いって要るの?”って人もいます。そういう人は、「メッシーさん」です。

恵比寿の居酒屋にてギャラ飲み。仲良しの会社経営者と。

ライターS:(笑)。今は週にどれくらいギャラ飲みを?

ユカリ:今年の緊急事態宣言から減ってきましたね……週に1~2回とか。それもコロナ禍が長引いて、だいぶ変わってきていて。毎晩のようにお店で大金を使っていたお客さんが“外で飲まない生活”に慣れ始めちゃってるんですよ。40代後半くらいのオジサマになると、健康的に問題を抱えていて外出したくない人もいますしね。あと、会社が大きいと、社長が外で飲み歩いているなんて、見つかったらヤバい。ほかにも、経費使い放題マンだった人が、使えなくなっていたりとか……。

自分がホステスを辞めたのもそうですけど、コロナが結局流れを変えたような気がします。今は港区時代の派手派手な飲み方じゃなくて、恵比寿とか代官山のちょっとモダンな居酒屋お会計はひとり6,000円~くらいのお食事を楽しんで、タクシー代という名のお小遣いをもらって帰る、そんな生活です。私は生活圏内が恵比寿なので、“恵比寿女子”ですかね。

一線を超えてしまう女子が急増中…

ライターS:月々の「恵比寿女子」的な収入はどのくらいですか?

ユカリ:私は、ゼッタイ食事だけって決めてますけど、それでも10万円くらいは稼いでますね。でも友達の中には、けっこうエグいことしているコもいます。それも「とびきりの美女」とか「モデル級スタイル」じゃなくて、フツーのコに増えたような…。大人の関係もありで20万~とか、いわゆる「パパ活」です。私自身、ホステス時代の元お客さんに“固定給10万円で、大人どう?”って言われたこともありますよ。「パパ活」って都度払いや月額払いを提案してくるんですよね。例えば、都度払いの場合、年収3,000万円くらいの人は約5万、それ以下の人は3万くらいを求めてくるイメージです。

ライターS:応じてしまったことは?

ユカリ:もちろん、私は無いですね。美容サロンだけで生活費は十分だし正直、“そこまでして…”って思います。でも、たまに会う友達のエリナ(26歳・仮名)は、やっていますね。彼女は給料が手取り20万ちょいで、家賃が15万のところに住んでいるんです。シンプルに、ダメじゃないですか。大人の関係アリでしか維持できないレベルまで生活水準を上げてしまっている。同じホステス出身の私から指摘されると、エリナもきっとムカつくだろうから見て見ぬフリをしていますけど…。

キャバクラ時代から、交友関係は夜職の友達が多いユカリさん(左)