服や靴・バッグを高く売りたい!買取査定員が教えてくれたコツと意外なNG行為

大掃除でクローゼットから出てきた洋服、バッグ、アクセサリーなどのブランドアイテム。「もう使わないかな」と手放すことを考える人も多いのでは?
もし誰かに売るならば、ちょっとでも高く買い取ってもらえたら嬉しいですよね。

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そこで今回は、“ブランドアイテムを高く売るコツ” と “査定額を下げてしまうNG行為” を徹底リサーチ。宅配買取サービス「ブランディア」で査定を担当している間宮さん、望月さんに伺いました。

●教えてくれたのは…
ブランディア(株式会社デファクトスタンダード/BEENOSグループ)は、不要になったブランド品を「ダンボールに詰めて送る」だけで査定・買取をしてくれるブランド品宅配買取サービス。今回は、実際に買取査定を担当している間宮さん、望月さんのお二人にお話を伺いました。

■どんな物が売れてる?高値が付きやすいアイテムはコレ

まずは基本の疑問から。ブランドアイテムの買取査定にはどんなアイテムが多く持ち込まれ、どんなアイテムに高値が付いているのでしょうか?

▼査定に持ち込まれる主なアイテムは?

件数が多いのは、アパレル類(衣服)、バッグ、時計、財布、アクセサリーなど。宅配ではアパレル類がとくに多く、ブランディア実店舗ではバッグや財布の持ち込みが多いです。

▼その中で、高値が付きやすいアイテムは?

ブランドにもよりますが、比較的高値が付きやすいのはバッグや時計です。

どのアイテムにも共通しますが、誰もが名前を知っているようなハイブランドの商品はやはり人気が高く、高値で買取できる可能性が高くなります。バッグはルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルなど。時計はロレックスの人気が高いです。

一例ですが、ルイ・ヴィトンのバッグなら、新品未使用の状態であれば定価の8〜9割、使用感がごく少ない中古品であれば定価の5割くらいの金額で買い取ることもあります。

▼逆に、意外と安くなりがちなアイテムはありますか?

アパレル類は、ブランドやデザインによって需要が大きく変わります。定価が10万円〜20万円といった高額な衣類でも、ニーズがそれほど見込めない場合は非常に安価(1000円程度)になってしまうケースがあります。

もちろんお客様にとって納得いかない金額が出た際は自由にキャンセルできますし、スマホ越しにできるオンライン査定もおこなっていますので、「とりあえず査定だけしてみようかな」と気軽に試してみるのも良いのではないかと思います。

■全アイテム共通|査定に出す前のチェックポイント

査定額をUPさせるためには、アイテムを見てもらう前にどんな準備をしておけば良いのでしょうか? 自分でできるメンテナンスや、アイテムをチェックする際のポイントを聞いてみましょう。

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▼買取金額をUPさせる、基本のポイント2つ

基本的に、買取金額が最も高いのは「新品未使用」の状態です。逆に金額を下げてしまうのは、使用感や汚れ、経年劣化などの「変化」。つまり買取査定に出す際に意識したいのは、大きく分けて次の2つです。

1.できるだけ買ったときの状態に近づけること
2.原状回復できなくなるNG行為を避けること

この2つを意識しながら準備をおこなうのがオススメです。以下、具体的な行動を説明していきましょう。

▼ポケットの中身を出し、汚れを落とす

まずはバッグや服のポケットなどに私物が入っていないかを確認しましょう。中身は全部取り出し、できるだけ買ったときの状態に近づけます。
次に、汚れをチェックします。自分で落とせる範囲の汚れを簡単に落としておくだけでも、買取金額は変わってきます。

▼査定額を下げてしまう「NGなお手入れ方法」もある!

お客様が良かれと思っておこなったことが、かえって商品価値を下げてしまうこともあります。たとえば次のようなケースです。

「シミになりやすい素材を濡れた布で拭く」→NG
「靴やバッグの剥げた部分をマジックで塗る」→NG
「古くなったチャームを別のもの(正規品以外のもの)に付け替える」→NG

こうした方法で手を加えてしまうと原状回復が難しくなり、査定額が下がります。場合によっては改造品という扱いになり、買取そのものができないこともあるため要注意です。

▼有料でクリーニング/補修すると、査定額はUPする?

「有料でクリーニングや補修に出したほうがいいのかな?」と考える方もいらっしゃると思います。ケースバイケースなのですが、お金をかけたからと言ってそれに見合う金額UPが見込めるとは言い切れません。

商品の見た目や状態だけでなく、ニーズによっても買取金額は上下します。たとえば「1000円かけてクリーニングした洋服が、買取金額500円」ということも、残念ながらあり得ます。また、補修したことによって買取不可になってしまう場合もあります。

結論としては、クリーニングや補修は無理におこなわず、「自分で簡単に落とせる汚れだけ落としておく」くらいに留めるほうがお得になる可能性が高いです。

■アイテム別に徹底解説|査定額をUPさせるコツ!

全てのアイテムに共通のコツは、なんとなくイメージできました。次に、アイテム別のポイントを聞いていきましょう。

▼「アパレル(衣類)」を売る場合

家で洗濯できるものは洗濯してから送るのが基本のコツです。クリーニングやアイロンがけまではしなくても大丈夫ですが、「軽く毛玉をとっておく」など自分でできる範囲のメンテナンスをおこなうとベターです。
送るときは、できるだけ丁寧に畳んで箱に入れると、シワになりにくく良い状態をキープできます。

また、衣類でとくに気をつけたいのが “ニオイ” です。たばこ、ペット、香水、柔軟剤……といったニオイが強く残っているものは、買取ができない場合もあります。

襟元や腰回りについている「品質タグ」の有無も重要です。品質タグが切り取られている場合、ブランディアでは買取不可となってしまいます。タグの文字が薄れて読みにくくなっていても、付いたままであれば問題ありません。

▼「靴」を売る場合

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靴は、まず底などについた泥を落とし、軽く汚れを拭き取ります(可能な範囲で構いません)。インソールやパットを貼った場合は丁寧に外し、レザー製の靴は専用のクリームでちょっとお手入れしてから出せば完璧です。

ヒール部分の傷や摩耗はマイナスポイントになりますが、市販のリペア用品などで補修するとかえって買取不可になってしまう可能性もあるため、無理に手を加えない方が良いでしょう。

有料のリペアサービスに出すべきかどうか悩む方もいらっしゃるかと思いますが、「買取金額より修理代のほうが高くつく」というケースも、残念ながらあります。
定価が数万〜十数万円するようなハイブランド(クリスチャン・ルブタンなど)であればリペア費用のモトをとれる可能性もありますが、そうでない場合は自分でできるお手入れの範囲でOK。

▼「バッグ」を売る場合

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全てのポケットをチェックして、中身を取り出します。その後、外側や内側についた汚れをできる範囲で落としましょう。

黒いバッグの角が擦れて白くなっているときなど、ついマジックを塗りたくなってしまうかもしれませんが、塗装は絶対にNGです。「自己流の塗装」「ファスナートップの付け替え」などを行うと改造品とみなされ、最悪の場合は買取不可になってしまいます。

バッグを高く売るためには、普段からのお手入れも大切です。型崩れしないよう保管したり、カビが生えないよう湿気のこもらない場所に置いたり、普段からの工夫で商品価値が変わってきます。

▼「時計」を売る場合

時計は、よく見ると結構汚れているもの。査定員はルーペを使って傷や汚れをチェックします。査定に出す前に、綿棒を使って細かい汚れを拭き取り、綺麗にするのがオススメです。

時計の査定では、付属品(買ったときに付いてきたもの)も重要なポイントになります。たとえば金属製のブレスレットタイプの時計では、腕周りに合わせてコマの数を調節している人も多いでしょう。外したコマをなくすと買取金額も下がってしまうので、コマはきちんと保管しておくのがベストです。

また、ギャランティ(保証書)やシリアルナンバーが付いている場合、それらの有無も重視されます。ロレックスなどはギャランティの有無で査定額が数万円ほど変わるケースもあるので、時計の付属品は大切に保管しておきましょう。

他に査定員が注目するのは、文字盤のガラス部分の欠けやベルトの擦り切れなど。これらは修復が難しいので、普段から丁寧な扱いを心がけるのが一番です。

▼「財布」を売る場合

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財布については、基本的にバッグと同じです。中身を全て取り出し、外側と内側の汚れを落としておきましょう。

財布の査定額が下がってしまう原因として多いのは、プリクラなどのシール跡、カード入れ部分のべたつき、折り財布の角の部分のへたりや擦り切れ、小銭入れの黒ずみなど。使用感があまりにも目立つものは買取ができない場合もあります。対策はなかなか難しいのですが、やはり普段から丁寧な扱いを意識するのが良いでしょう。

■ブランドアイテムを少しでも高く売るポイント・まとめ

査定額をUPさせるポイントは、「買ったときの状態に近づける」ことと、「原状回復できなくなる行為を避ける」ことの2つ。そのためには、普段から丁寧な扱いを心がけることも重要です。

たとえば、

・雨の日に使ったバッグや靴はしっかり吹いて乾かす
・そもそも買った段階で防水スプレーをかけて雨ジミ対策をしておく
・靴は湿気のこもりやすい場所に入れっぱなしにせず、定期的に通気が良い場所に出す

など、ちょっとした工夫が大切です。日頃の行動を少し変えるだけで、大事な服や小物を長く使える上、いざ売りたいときに買取金額がUPしたら嬉しいですよね♪

次回はさらに具体的に、「ブランドアイテムを売る時期」や「箱・袋などの付属品」についてのQ&Aをご紹介します。

取材協力 ブランディア/BEENOS株式会社
文・構成/豊島オリカ