【今日のインサイト】10月16日は辞書の日!で、「新明解国語辞典」の面白さは相変わらずだった

10月16日は辞書の日! 1758年のこの日に、米国の辞書製作者ノア・ウェブスターが生誕したことを記念するものです。
「辞書」と聞くと何やら小難しそうで敬遠してしまう方が多いと思いますが、実は読み物としても、とっても面白いんですよ♡

同じ言葉をいろいろな辞書で引いてみたり、同じ辞書の違う版を読み比べて「解釈が時代によって変わっている……!」ということを見てみたり……飾りとして本棚に並べておくだけではもったいない!

ここでは、 独特の言語センスで有名な新明解国語辞典第七版(発行:三省堂)の、面白い項目を抜粋してご紹介します♪

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【恋愛】

「特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。」

小説かっ!! 新明解さん愛してる!!
新明解国語辞典の個性を象徴する、最高に有名な項目ですね。ちなみに第五版では「出来るなら肉体的な一体感も得たい」などと赤裸々に想いを告げてどよめきを呼んでいましたが、どうやら落ち着いたようです。ところで時代を反映してそろそろ「異性」と限定しなくてもいいんじゃないですか?

ちなみに

【恋】

「特定の異性に深い愛情をいだき、その存在が身近に感じられるときは、他のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感・充足感に酔って心が高揚する一方、破局を恐れての不安と焦燥に駆られる心的状況。」

だそうです。微妙に違いますね。

 

【鮭】
「北洋にすむ、大形の魚。秋、自分の生まれた川をさかのぼって卵を産む。薄い紅色の肉は美味。卵(=スジコ、イクラ)も食用。しゃけ。サーモン。」

食べ物に関する項目はたまに「美味」と主観を入れてくるのが新明解さんの特徴です。ほかにもいろいろな魚介類を調べてみました。

「美味」と書かれていた:あわび、牡蠣、鮭、かれい、鯛、はまぐり、ひらめ、ふぐ、帆立
「美味」と書かれていない:あさり、あなご、鮎、あんこう、いか、いくら、いわし、うなぎ、うに、えび、かつお、かに、サバ、サンマ、しじみ、たこ、にしん、はたはた、ぶり

「かれい」に「美味」とあった瞬間「ひらめ」を調べたらやはり「美味」と書いてあったときのこのニヤッと感。あと、貝類がお好きなようですね。

 

ちなみに、例文ひとつひとつも面白いのが新明解さん。

【さしずめ】

そのものの特質(根本性格)を端的に表せばそう言えると判断する様子。
「この遺跡は―現代のアミューズメントセンターといった所と思えばいいだろう」

辞書の限られたスペースで「アミューズメントセンター」という例文に使うには長い単語をどうしても出したかったのがうかがえます。

【熱】

二.何かに夢中になって、本来の自分を見失う(すべきことを忘れた状態になる)「マージャン―」
マージャン以外に何か例はなかったのでしょうか。

 

もちろんネットの辞書や電子辞書でも「言葉を調べる」だけなら問題ないですが、思いもよらない言葉との出合いがあるのが紙の辞書の魅力♡ 家の本棚の中で飾りになってしまっている辞書をお持ちの方は、是非一度ご覧になってみてくださいね♪ (後藤香織)

 

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