寒い季節に突入すると、風邪やインフルエンザの流行に備えて体調管理が欠かせませんよね。それに加えて今年は新型コロナウイルスもあり一段と気を引き締めている方が多いのではないでしょうか。
食生活や睡眠、感染症対策などそれぞれ心がけていることかと思いますが「入浴法」を意識したことはありますか? 実は入浴法のコツさえ押さえれば免疫力を上げることが可能なんです! 今回はリンナイ株式会社と入浴科学者・早坂信哉先生による「免疫力が上がりやすい入浴法」についてご紹介します。
あなたはできてる?「免疫アップ入浴法」達成度チェック
早坂先生に「免疫が上がりやすい入浴法」を実践できているかどうかを確かめる簡易チェックシートを作成いただきました。チェック数が5個以下の方は免疫が上がりにくい入浴をしてしまっている可能性大! さっそく見ていきましょう!
<「免疫が上がりやすい入浴法」簡易チェックシート>
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- 入浴前、入浴後にそれぞれコップ1杯以上の水分を飲んでいる
- 湯温は41℃までにしている
- 汗が出るまで浴槽につかる
- 湯上りはクーラーや扇風機に当たらない
- 寝る1~2時間前に入浴している
- 入浴剤を使っている
- 入浴中はスマホを持ち込まないようにしている
- 肩までしっかり浸かる
- 入浴前に浴室暖房をかける、シャワーでかけ流しをして浴室を温める
- 浴槽で深呼吸をする、歌を歌う
- 浴槽から出るとき、水を体にかけない
- 毎日浴槽に使っている
このチェックリストで5個以下に当てはまる、免疫力を上げにくい入浴をしている人は約半数もいるようです。とはいえ、チェックリストの内容を見てもわかるように、心がけるべきことはそこまで難しいことではないようです。
そのなかでも特に「これだけは意識すべき!」という免疫力アップに有効な入浴法のコツを早坂先生にお伺いしました。
免疫が上がりやすい入浴のコツ
◆免疫力アップには「血流改善」と「体温上昇」
免疫は「病原体に対する総合防衛システム」です。何か特定のことをすれば、免疫力が劇的にアップするという方法はありませんが、免疫力を上げると考えられる生活習慣はあります。そのひとつが入浴です。免疫系では免疫細胞が作られる場所と実際に機能する場所が体内では離れていますが、血流が良くなることで免疫細胞が体内を効率よく循環するようになり、免疫細胞が向上すると考えられています。また、体温上昇そのもので免疫細胞が活性化されます。これらのことから適切な入浴が免疫力を上げると期待されます。
◆毎日40℃のお湯に全身浴で10~15分が基本
血流を良くするには、熱すぎない40℃のお風呂に肩まで全身浴で10~15分入ることが基本です。この基本的な入浴法で血流は改善し、体温をほどよく上昇させます。40度を超える熱いお風呂は入浴時に血圧の急上昇を引き起こすだけでなく、体温も急上昇させた後、すぐに体温が下がりますので結果としても温まりが長く続きません。
また長く入りすぎますと、のぼせ(熱中症)を引き起こしますので、長くても15分以内で、額に汗を描いたら湯船から出るのが良いタイミングです。毎日入ることでよい睡眠にもつながり疲労も回復します。
◆お風呂でマインド「フロ」ネス!?
コロナ禍もあって日中は日常生活や仕事などで例年より強くストレスを感じ、交感神経が強く働いています。交感神経が強く働きすぎると免疫力が低下しますので、お風呂でリラックスして副交感神経の働きを強めることが大切です。
現状日本では深呼吸をする人は少なく、お風呂の「湯気」の効果を意識している人がとても少ないことが分かっています。湯気を吸い込む方法は欧州の温泉療法ではよく行われる方法です。湯船では40度以下のぬるめの湯につかり目を閉じて腹式呼吸で鼻から3秒息を吸い、すぼめた口から5秒かけて息を吐きだす「マインドフロネス」瞑想で、最もストレス解消が期待できます。
早坂 信哉 先生
東京都市大学人間科学部教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。主な著書は『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。
これからの寒い時期は病気も流行りやすい時期となります。手洗い・うがいを心がけるのはもちろんですが、今日ご紹介したような入浴法などもぜひ実践して免疫を上げておきましょう!(山口彩楓)