もう疲れた、でもまだがんばらなきゃ…そんなときの心理テクニック

もう疲れた、でもまだがんばらなきゃ…そんなときの心理テクニック

女性

一生懸命全力を出し切った……それでもまだやるべきことがある。そんなときに、あなたはどうやって自分の限界を突破しますか? 壁を破るための心の持っていきかたとは、どのようなものなのでしょう。そこで今回は、「もう疲れた、でもまだがんばらなきゃ…そんなときの心理テクニック」をご紹介いたします。

■3つの欲求を満たすことで限界を超える

自己決定理論という考え方があります。その理論によると、人が自発的に行動を続けるには3つの欲求を満たすことが大切だとされます。

まずは自律性の欲求。これは自ら行動を選択し、主体的に動きたいという欲求です。誰かに強制や要求されたのではなく、自ら始まりと終わりを決められることを指します。

次に有能性の欲求。これは自分はできる、能力がある感じることへの欲求です。知識を増やしたり、新しいスキルを身につけるために練習に励んだりすることを指します。

最後に関係性の欲求。これは他人と互いに尊重しあえる関係を作りたいという欲求。深い友情を築きたい、集団に属したいという欲求が含まれます。この3つの欲求が満たすことができれば人は継続して自発的な行動を取り続ける、すなわち自分の限界を突破することができるのです。

 

■目標とする人物との共通点を見つける

米国の心理学者グレッグ・ウォルトンとジェフリー・コーエンによると、なりたい自分に近い人や憧れの人との共通点を探せば、最高のモチベーションになるとされています。こういったやる気の生み出し方は、執着を持った対象とのつながりを維持したいという基本的動機付けによるものです。

もしもあなたが疲れていたとしても、目標となる人物に自分を重ね合わせることで、より一層がんばれるはずです。対象となる相手は、歴史上の人物でもかまいません。そんな理想の人物を自分の中にマインドセットするだけで、がんばれている自分に気づけるでしょう。

 

■自分の存在を環境に対して意味づけする

アドラー心理学の創始者であるアドラーは、一般的な人生の意味はなく人生の意味は自分自身で与えるものだと言っています。つまり、うまく内発的(自身の中)に動機づけることで、やる気を引き出すことが可能に。特に、仕事に対して適切な意味づけをするといいでしょう。

自分はこの環境に求められている人材だ今の苦しい仕事の経験が他でも活かせるはずだ、というふうに、現在仕事の意味を自分で定めることがポイント。トップアスリートなどいつも限界を超えられる人は、例外なく意味づけが上手です。自分が置かれている状況が変わるたびに、新しい意味を見出しやる気が自然に湧いてくる状況をつくっているのです。

 

■あえて一歩先取りすることで自分をけん引する

心理学においては、ツァイガルニク効果というものがあります。これは未完のものに対して強い興味を抱くという心理効果のことを言います。これを活用することで、もう一歩がんばることが可能に。

まずは「今日はここまで絶対やる!」「この仕事だけは終わらせる!」と目標を立てましょう。ここでは無理難題を課す必要はありません。自分ならここまではできるだろうというラインを設定することでOK。そしてミッション達成した後、もう一歩でもいいので取り組んでみてください。そして、あえて次の仕事を中途半端なところまで手をつけることで、もっとやりたい気持ちになり自分をけん引できるはずです。目標設定をして、プラス一歩進む方法としておススメなテクニックです。

人にはそれぞれメンタルブロックがあります。このメンタルブロックとは、自分で自分に設ける限界であり、思い込みとも言えます。そういった思い込みをいかに取り外せるかが、疲れていてもがんばれるかどうかのライン。気質や体質などは異なれど、時間はすべての人に平等に与えられています。その中でいかに自分のポテンシャルを発揮できるかが重要なこと。自分なりに限界突破できるジンクスやテクニックを持っておけば、きっと豊かな人生になるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。