自炊を始める前に、知っておきたい料理の知識
新生活で一人暮らしを始めた人や、コロナウイルス対策の一環としてリモートワークをスタートした人。
家にいる時間が増えたので「自炊を始めた」という話を最近、よく聞きます。節約にも趣味にもなるのは自炊の大きなメリットですよね♪
でも料理って、慣れるまで意外と難しいもの。
「自炊って大変そう。続けていけるかな?」
「料理にチャレンジしてみたけど、イマイチ美味しく作れない」
そんなふうに、あなたも悩んでいませんか?
そこで今回は、初心者向けの簡単で美味しいレシピを開発しているパパ料理研究家・滝村雅晴さんにインタビュー。自炊で美味しい料理を作るコツや、自炊ビギナーが揃えておきたいアイテム(キッチンツール・食材・調味料など)を詳しく教えていただきました。
●お話を伺ったのは……
今回は、男女問わず「自炊デビュー間もない人」に向けて自炊のコツを教えてくださいました。
【1】楽しいから自炊が続く♪ビギナーが覚えておきたい料理の心得3つ
普段は、家事初心者の男性たちに「パパ料理」の指導をおこなっている滝村さん。今回は男女問わず、料理を始めたばかりの「自炊ビギナー」に向けて、楽しく美味しく続けるコツを教えてくださいました。
料理初心者に意識してほしいのは、
1.レシピ通りに作ること
2.常に味見すること
3.ハードルを下げること
以上の3つであると、滝村さん。順番に詳しく見てみましょう。
■自炊ビギナーの心得(1)レシピ通りに作る
料理の初心者に意識してほしいのは、まず何よりも「レシピ通りに作ること」です。
慣れていない人ほど自己流にアレンジしたくなるものですが、基本をよく知らないまま応用すると失敗しやすくなります。
材料を適当に計ったり、足りない食材を冷蔵庫にあるもので代用したりするのは、料理にある程度慣れてから。慣れるまでは「レシピ通りの食材を買い、材料をきちんと計量し、レシピ通りに作ること」を意識しましょう。
■自炊ビギナーの心得(2)常に味見する
料理を美味しくするためには「味見」が欠かせません。味は、足りなければ追加することができますが、入れ過ぎたら元には戻せないからです。調理中は常に味見をし続けましょう。
「パパ料理」の専門家として、男性にはよく「レシピは組み立て家具やプラモデルの設計図と同じ」と説明しています。つまり、レシピという道しるべの通りに作れば、料理は誰が作っても同じものができるはずなんです。
その道しるべに従ってちゃんと歩けているかどうか、確認するのが味見の作業です。こまめに味見しつつ、レシピ通りに作ってみてください。
■自炊ビギナーの心得(3)ハードルを下げる
一汁三菜とか、映える料理を作ろうとか、ましてや「おかずを全部作ろう」なんて心構えは要りません。「1品だけ作ればOK」と考えましょう。
お味噌汁だけでも充分です。極端な話、炊飯器でご飯を炊いた時点で自炊の5割はできたようなもの。物足りなければお惣菜や冷凍食品、缶詰などで補えます。初心者ほどハードルを高くしがちです。まずは1品を目標にしましょう。
【2】自炊ビギナーの強い味方♪まず揃えるべきキッチンツールや食材は?
キッチンツールや食材・調味料など、どれが必要で揃えるべきものなのか、というのもビギナーが悩みがちなポイントです。買い込みすぎても収納する場所がないし、足りなすぎても不便ですよね。
そこで、自炊ビギナーが揃えておくべきアイテム(キッチンツール・食材・調味料)についても、滝村さんにリストアップしていただきました。
■自炊ビギナーが揃えておくべきアイテム(キッチンツール編)
●鍋、フライパン類
- フッ素加工のフライパン(サイズは26cm程度)
- 蓋(なければアルミホイルで代用可能)
- 両手鍋(18〜20cm)…カレー、シチュー、肉じゃがなどに◎
- 片手鍋(16cm)味噌汁、インスタントラーメンなどに◎
●調理器具
- 包丁
- まな板
- キッチンばさみ
- ボウル(大中小)※1つ耐熱ガラス製があると便利
- ザル
- 計量カップ
- 計量スプーン(大さじ/小さじ)
- 木べら
- 菜箸
- トング
●保存用品
- ジップロックコンテナ(保存容器)
- フリーザーバッグ、ジップロック(袋)
●その他
- アルミホイル、フライパン用ホイル
- キッチンペーパー
- ふきん
- 台拭き
これらのアイテムは、揃えておくと調理をスムーズにしてくれます。
一方で、「フライ返し、泡立て器、やかん、ミニフライパン、土鍋、卵焼き器、電子レンジ、オーブントースター、スチームケース」といったアイテムは、料理に慣れてきてから購入を考えればOKとのこと。買い物の参考にしてください♪
■自炊ビギナーが揃えておくべきアイテム(食材・調味料編)
「まずはこれだけ揃えておけば大丈夫」という食材に・調味料も見ていきましょう。
●揃えておきたい食材
薄力粉、片栗粉、にんにく・しょうが(チューブ可)、かつお節、白ごま/すりごま
●常備しておくと便利な食材
卵、油揚げ、豆腐、納豆、ねぎ、ヨーグルト、チーズ
●揃えておきたい調味料
【1軍】
塩、コショウ、砂糖、味噌、サラダ油、マヨネーズ、ケチャップ、ウスターソース、ポン酢、めんつゆ
【2軍】
みりん、酒、酢、すし酢、粉チーズ、オリーブオイル、ごま油など
1軍は自炊を始める前に揃えておくと便利な調味料、2軍は作りたい料理に応じて買い足していくとよい調味料です。
■慣れないうちは無くてもOK。おすすめしないアイテムは?
また反対に、ビギナーのうちは「買わなくてもOK」というアイテムもあります。
●大きすぎるアイテム
大型の電子レンジや大きすぎる鍋など、必要以上にビッグサイズのアイテムはかえって使いづらいかもしれません。
●重すぎるアイテム
鋳物やホーローの鍋など、重すぎるアイテムも料理に慣れないうちは使いづらく感じるものです。鍋やフライパンは、まずは実際に持ってみて軽いものからスタートしましょう。
●使用頻度が低いもの
サラダドライヤー(野菜の水切り)、ダッチオーブン、スモーククッカーなど、日常的に使う頻度が低いアイテムはビギナーには向きません。
●クセが強い調味料
カレースパイス類、ナンプラー、バルサミコ酢、紹興酒、ハーブ類など、味のクセが強い調味料は使用頻度が低くなります。
とくに一人暮らしでは使い切れずに余らせることもしばしば。開封して時間が経てば、風味が飛んで美味しくなくなってしまいます。これらもビギナーにはあまり向きません(もちろん、作ってみたいレシピにことごとくこれらが入っている場合は好みに合わせて購入してくださいね)。
●時間や手間のかかる食材
大きなブロック肉、骨付き肉、牛すじ、鶏ガラなどは調理に時間がかかります。ビギナーは、こま切れ肉や挽肉など調理しやすい大きさに切ってある肉を買いましょう。
もちろん魚は「まるごと買ってきてさばく」なんて頑張らなくてOK。切り身や柵など、すでにさばいてあるものを買いましょう。対面でさばいてくれるスーパーもたくさんあります。
■料理ビギナーが楽しく自炊を続けるコツ・まとめ
改めてビギナーが楽しく美味しく自炊を続けるコツは、
1.レシピ通りに作る
2.常に味見する
3.ハードルを下げる
この3つです。
そしてこだわりのアイテムや食材は素敵ですが、ビギナーには扱いきれない可能性も大です。まずはビギナー向けのアイテムを使いこなすところから始めましょう。
おうち時間を楽しく、美味しくしてくれる「自炊」。長く続けられるように工夫していきたいですね。
次回以降もまだまだ自炊のコツをご紹介していきます。お楽しみに。
次回はコチラ→ 料理初心者でも美味しく作れます!「外さない味付けのコツ」と「簡単レシピの選び方」