4月29日、東京・新宿文化センターにて、w-inds.の千葉涼平さんとDA PUMPのKENZOさんが出演するダンスショーケース「The Shot Ⅱ」の東京公演が行われました。
開催前に行ったインタビューでは「前回よりダンスが濃い」「無茶振りシーンでは死ぬんじゃないかな」など気になる発言が多数。その公演のレポートをみっちりお届けします!
前回の「The Shot」同様、始まる前の各種注意ごとなどの場内アナウンスがなんとふたりの掛け合いからスタート。ふたりの絶妙なコンビネーションが相変わらず素晴らしく、各所で会場から笑いが。涼平さんが「ロビーにおいでのお客様は会場内にお戻りくださいますよう……」を何度もかむシーンでは「かわいい♡」と会場の皆様がキュンキュンしつつ大爆笑!
舞台冒頭は映像からスタート。期待が高まる中、映像内で着用していた、全身黒衣装にハットをかぶった出で立ちで満を持しておふたりがステージに登場し、男性ダンサー勢ぞろいのクールなダンスで会場を引き込みます。
そして衣装をチェンジし次はドヤ顔でオラオラな、腰づかいがセクシーなクラブ風のダンスを披露。その対比に魅了されてしまいます。
前回の「The Shot」は「10年前に生き別れたスーパースターの涼平がストリートダンサーのKENZOを探し求める」というストーリーがあり、それをダンスで表現する……といったものでしたが、今回は「こんなダンスを見せたい」というものが先にあり、そこにうまくストーリーを乗せているように感じます。ざっとストーリーを説明すると、「幼なじみのダンスメンバー+クラブで出会った人たちでショーを作ったら楽しいんじゃない!? こんなショーはどう?」という提案を次々に見せていくもの。いわばショー内ショーで見せていくものです。そのためキメキメにかっこいいシーンもコミカルなシーンも違和感なく表現されています。
コミカルな箇所では、ダンサーの中にはお笑いコンビのオリエンタルラジオの中田さんの実の弟(FISHBOYさん)の方がいることもあってか「武勇伝」にインスパイアされた「武勇dance」を全員で行ったシーンも。
そしてインタビュー時から気になっていた「無茶振り」のシーンでは、KENZOさん提案の「こんなショーはどう?」というものを「アジアン風・戦国風・スターウォーズ風」と、ありとあらゆる世界観で表現! まさにここは爆笑の嵐でした。
まずはアジアン風からスタート。アジアンな美女ダンサー5人に囲まれぎこちない涼平さん、そして現れたのは……金色のかぶりものをし、アジアの王族にいそうな(※イメージです)格好をした、ライジング王国の国王・KENDOと称するKENZOさん! なぜかKENDO国王モードのときはずっと裏声です。ツッコミどころ満載です。
KENDO国王の「(涼平さんが)王国の新人なんだから自己紹介しなさいよ」に始まる、コントのようなやりとりが繰り広げられつつ、最終的に涼平さんはダンスで自己紹介をすることに。
そして「死ぬんじゃないかな」とリハーサル時期に涼平さんが言っていた怒濤のブレイキンシーンが始まります! KENDO国王の「Here we go!(裏声)」の掛け声のもとに3ムーブ連続で、数々のブレイキンの技を披露! もちろんこのブレイキンシーンの振り付けは涼平さん本人です。体重を感じさせない技の数々に拍手。
とはいえ、2回目までは本気で技を繰り出しますが、3回目はさすがに体力の限界か!? 回れず崩れ落ちるこのシーン。千秋楽の回では3回目の最後に涼平さんが床に腹ばいになり頬杖をつく、というポーズを見せ、そのあまりのかわいらしさに会場は大絶叫!
しかし無茶振りゾーンはまだ続きます!
次はダンサーが和装で現れ……戦国時代にタイムスリップ!?
途中、涼平さんは武士に扮したダンサーから剣を奪い、本邦初公開の殺陣を披露!
KENZOさん・涼平さんともにさすがにキレッキレの身のこなしで見惚れるばかり。これで涼平さんも和装でしたらさらに最高だった……と思いつつも素晴らしいシーンでした。しかし涼平さんの「これじゃダンスできないじゃん!」というツッコミにより戦国風ショーの提案は終了。
そして最後のタイムスリップは「THE SHOT WARS」!? ダース・ベイダーに扮したKENZOさん、R2-D2風のロボット衣装を着用しトコトコ歩いて現れた涼平さん……衣装だけで笑いが起きました。とはいえ、こちらもそもそも衣装が大きく重いためダンスができないので終了です。
そんな爆笑3連続タイムスリップシーンを終え、最終的には涼平さん提案の、「それは怒られるよ!」とダンサーたちも口を揃えた「ある設定のショー」を、ダンサーを巻き込んでKENZOさんに内緒で行う、という方向にストーリーは進んでいきます。
涼平さんがKENZOさんに「最近ストーカーにつけられてるんだよ」と相談をするも、KENZOさんは時間がないことを言い訳にスルー。しかしそこから映像に切り替わり、涼平さんは黒ずくめにサングラスの男ふたりに追われ……。
映像が終了すると、ステージはダンサー全員がその黒ずくめのストーカー衣装を着用して踊るシーンに。そのシーンは、追いつめられる涼平さんの顔とダンスの表現力の豊かさ・美しさが素晴らしい。涼平さんがダンサーにふわりと体を持ち上げられ回され、その体重の感じさせなさに「お人形さん!?」と思ってしまう箇所は、不思議な魅力を私たちに残しました。
そこから場面は切り替わり、ショーのリハーサルのシーンに。そのリハを終えた瞬間、「涼平が……!」と焦った顔でダンサーさんが飛び込んできて、何やら悲報を伝えます。ここではまだその「悲報」が何か明かされませんが、KENZOさん含めダンサーさんの悲しみっぷりに、見ている私たちは「これはただごとではないのだろう、なんだろう?」と想像力をフル回転。
そこから始まる、一連の「悲しみ」を表現したダンスシーンが、とにかく圧巻でした。
まずはタップダンスの音を背景に、KENZOさんがロックダンスを披露。タップの音とKENZOさんのダンス、照明はピンスポのみ……そんな非常にシンプルな演出だからこそ、KENZOさんのダンスがなおのこと引き立ちます。体のすみずみまで神経が行き渡り、「いったいどうしたらそんな体の使い方ができるのか!」と不思議に思ってしまう迫力は、さすが世界大会優勝者。
その後涼平さんが加わり、涼平さんとKENZOさんのおふたりのシリアスなダンスが続きます。「ダンスで喜怒哀楽を表現したい」と言っていた涼平さん、このシーンの「哀」の表現力が本当に美しい。回を重ねるごとに進化するその表現力は目を見張るばかりです。
そのシーンの最後は、悲しみに打ちひしがれ男泣きするKENZOさんでしめくくられます。いったい涼平さんはどうなってしまったのか……まさかストーカーに何かされたのでは……などと考えていると。
KENZOさんの背後に「ドッキリ大成功!」の看板を持ったダンサーさんと涼平さんが現れた!?
そこから始まる「お化け!?」「足があるよ!」というKENZOさんと涼平さんのやりとり……。
そう、なんと涼平さんが「怒られるんじゃないの!?」と言われつつもKENZOさんに内緒で行おうと提案したそのショーの設定は「涼平さんが死んでしまう」という設定! そりゃあ怒られますよ!
しかし最終的には舞台は和やかに大団円で終了し、楽しくダンスしてしめくくられるのでした。まさにめでたしめでたし!
「かっこいい!」「面白い!」「胸キュン!」「え、そんな話って……悲しい……」と、見る私たちにもさまざまな「喜怒哀楽」をもたらしてくれたダンスショーケース「The Shot Ⅱ」。
終了直後のおふたりにコメントをいただきました!
千葉涼平さん
短期間で作り上げ、あまり煮込みきらないままスタートしたこともあり、回を重ねるごとに出演者のみんなとどんどん呼吸が合っていくのが面白かったです。初日と千秋楽で内容は同じなんですけど、違う感じがするくらい。作り込んではいるもののアドリブのよさもあり、「これは面白いな、舞台らしいな」と思います。
また「The Shot Ⅲ」につなげていけたらな……と思います。皆さんの声あってのものなので、ぜひ事務所にがんがん電話やメールをしてください(笑)。よろしくお願いします!
KENZOさん
率直に、今はもうやりきって、胸の中がからっぽです。
ダンスを14〜5年やってきた自分も、涼平も、ダンサーも、おのおのがこれまでに自分のダンス人生をかけてずっと研磨してきたことをこの舞台に費やしました。いいキャストにめぐまれて、いい人たちに支えてもらって、そうしてこの舞台が出来上がったことに対して、本当に感無量というのが率直な感想です。それと同時に、パフォーマンスを見に来てくだったお客さんが、自分の中で宝物になったかな、と思います。ありがとうございました!
進化し続ける表現力とダンスの技術、ふたりの絶妙なコンビネーション、かっこよさと笑いの絶妙なバランス。「The Shot Ⅲ」がもし本当にあるとしたら、またどれだけ進化したものを見せてくれるのでしょうか。非常に楽しみで仕方ありません。(後藤香織)
【The Shotインタビューはコチラから】
第1回→ 【千葉涼平×KENZO対談(1)】The ShotⅡはフルーツパーラーから始まった!
第2回→ 【千葉涼平×KENZO対談(2)】涼平が『クローズ』に出るなら、笑顔の黒幕!?
第3回→ 【千葉涼平×KENZO対談(3)】日々を癒してくれるのは、逃亡とお寿司
第4回→ 【千葉涼平×KENZO対談(4)】夢が全部叶ったKENZOと、ひとつ叶った涼平。
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