殴られても痛くない!?闘う男・那須川天心にインタビュー【前編】

「今この名前が気になる!」という女子が急増中!キックボクサー・那須川天心の素顔とは…

今じわじわと人気が上昇している格闘技。そのブームを引っ張っているのが、立ち技格闘技イベント『RISE』や、総合格闘技イベント『RIZIN』での活躍が注目を浴びるキックボクサーの那須川天心選手なんです。強い相手にもひるまず立ち向かう姿に感動する女子が急増中ということで、CanCam5月号では弊誌史上初の格闘家密着取材を敢行しました! 本誌には載せきれなかった那須川選手のインタビューを、全文レポでお届けします。

「いつ、どんな相手にオファーされても逃げないのが、自分の思う『格闘家』」


CanCam編集部(以下、CanCam)最近、天心選手の存在が気になっている女子が多いということで今回取材させていただきました。

那須川天心(以下、天心)格闘家ってCanCamに出たりするんですか?

CanCam 初めてです。

天心 まじっすか!? ありがとうございます!

CanCam 恋愛のこととか、格闘技以外の質問をしても大丈夫ですか?

天心 もちろんです。全然大丈夫ですよ!

那須川天心、バンテージ

ジムでの練習前、丁寧にバンデージを巻き巻き。

CanCam まずは、昨年の大晦日に行われたメイウェザー選手とのエキシビションマッチは、今振り返るとどんな経験になっていますか?

天心 賛否両論あったと思いますけど、自分の中では本当にやってよかったと思っています。いつどんな相手にオファーされても逃げないというのが自分の思う「格闘家」なんです。戦う相手を選ぶ選手ってたくさんいると思うし、これはできる、これはやらないって判断するのはまぁ業界が違ってもあると思うんですけど、「次この選手と決まりそうです」と言われて、「ちょっと嫌です」と答えるのは、自分は違うと思っていて。メイウェザー選手とは体重も全然違うし、(ボクシングとキックボクシングで)ルールも違うし、オファーがきて最初はびっくりしましたけど、格闘家としてやる価値はある、やらなきゃだめだなと思ったので迷わず決めました。世界一の男を知る機会になったので本当にいい経験になりました。試合が本当に行われるのかどうかという駆け引きも含めて、勝つことに対してここまでしてくるんだなと勉強になったし、相手の技も試合で対峙して学べました。

那須川天心、アップ

ストレッチから始まって丁寧に20分ほどアップ。

CanCam 強い相手と戦うのは怖くないですか?

天心 うーん…試合が決まると毎回怖いですね。けっこうビビリなので。怖い思いを試合までの練習で埋めていくというか、練習は嘘をつかないと思うので練習で補っていく感じです。試合では怖さは消えて、やるしかないっていう覚悟が決まっています。メイウェザー選手は服を着ているときは感じなかったんですが、リングで対峙して「うわ! でっかいな」と、初めてちょっと怖いと思いましたね。あんなに体格差がある人とは今までやったとなかったので。

CanCam 周りからの期待はプレッシャーになりませんか?

天心 プレッシャーは感じたことがないんです。緊張は多少しますけど、「ヤバイ!ガチガチだ!」と思ったことは今まで一度もありません。

那須川天心、ファイティングポーズ

アップをしているうちにどんどん視線が鋭くなって本気モードに。

CanCam キックボクシングを始めたきっかけは?

天心 5歳から空手を始めて、テレビで観たK-1に憧れて小5のときにキックボクシングの道に転向しました。それからはずっとキックボクシングですね。空手は自分からをやりたいと言ったわけではなくて、父が礼儀作法を学ばせるために連れていってくれたんです。最初は嫌で、練習中に道場を抜け出したりもしました。途中から楽しくなってきましたけど。キックボクシングに転向してからは本当にずっと楽しいですね。

那須川天心、ファイティングポーズ、

「リングに入ると体が2倍、3倍に見える!」とフォトグラファー氏。

CanCam プロになることを決めたのはいつごろですが?

天心 高校1年生です。普通科に入るのか海外に行ったりするのか、高校に入るときにいろいろ悩みました。高校1年からプロデビューできるんですけど、普通科に行ってデビューするというのはあんまりイメージがわかなかったんです。普通科に行くと練習する時間も少ないですし、まわりの選手と大人と子供みたいな体格差があるだろうし、それで勝てないっていうのは嫌だなと。普通の高校生活も憧れたし中学の先生に反対されましたけど、自分はもうこの道で生きるって決めて、午前・午後・夜間がある3部制の高校に入りました。午前に4時間だけ通って午後は練習。その分4年通う高校だったので19歳のとき卒業しました。

CanCam ちなみに、パンチとかキックとか…痛くないんですか?

天心 そういうイメージがあると思うんですけど、練習のミット打ちは別に痛いものではないんですよ。試合中もアドレナリンが出ているから何も痛く感じないです。痛いのは試合が終わってからですね。痛みが1週間続くこともありますし、歩けないこともあります。それはまぁ仕方ないっていうか。他の選手と比べて自分はあんまりダメージをもらわないので、そこまでヤバイっていうのは今までなかったです。

那須川天心、水、

激しいミット打ち(動画をご覧ください!)を終えて。

 

「普段の練習の様子を撮影させてください」とお願いしたところ、入念なアップのあと、本気のミット打ちがスタート。パンチやキックの「パシーン」と響く音は必聴です。独占インタビュー【後編】へ続きます!

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なすかわ てんしん
1998年8月18日生まれ。千葉県出身。5歳から空手を始めその後キックボクシングに転向し、高校在学中の15歳でプロデビュー。キックボクシング公式戦29連勝、うち22戦はKO勝利という圧倒的実力から「神童」「キックボクシング史上最高傑作」と呼ばれ、格闘技人気を牽引している。2018年大晦日、総合格闘技イベントRIZINで50戦無敗のボクサー・メイウェザー選手とエキシビションマッチを行い世界から注目を集めた。現在RISEの世界トーナメントに出場中。165㎝、58kg。

撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY)、CanCam編集部 ヘア&メーク/朝日光輝(SUNVALLEY) 構成/木村 晶

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