2018年も終わりを迎える今日この頃。三省堂が2018年、今年の新語を発表しました!
「今年の新語」では、特定のジャンルやコミュニティーに偏らないよう、使用者層や使用域の広がりと使用頻度の高さを考慮しつつ、来年以降も使われてゆくであろう日本語が選ばれます。なので、あくまで「今年特に広まったと感じられる新語」ということで、必ずしも「今年生まれた言葉」ではありません。
ですが、選定は辞書を編むエキスパートが慎重に行っているので、辞書に載ってもおかしくない新語がバランス良く認定されています!
新語の選定にあたっては一般公募を行い、応募総数は延べ2,315通(異なり1,296語)となりました。これらの投稿などをもとに、辞書を編む専門家である選考委員が一語一語厳正に審査し、「今年の新語2018」ベスト10を選定。
ベスト10には、実際の国語辞典の編者が腕を振るって語釈を付しているので、まるで辞書に載っているかのような形式でランキングが楽しめちゃいますよ♪ それでは、語釈にも注目して、ランキング結果を見ていきましょう!
■SNS時代の美を語る「ばえる(映える)」が大賞
2018年の新語大賞には「ばえる(映える)」が選ばれました!
実は2017年に惜しくも入選を逃していた「インスタ映え」。2018年にはその後部要素である「映(ば)え」が独立した動詞となり、「ばえる」という形で一般化するという新展開を見せました。
SNS社会での美的感覚を象徴する新語であり、また、美しく際立ったものに対してプラス評価を与える語として、日常生活で広く使われていますよね。それに加えて、日本語の歴史的観点からも興味深い特徴があるので、まさに2018年の大賞にふさわしい新語として選定されました! ちなみに、「ば(映える)」が辞書に載ったら、下の図のような掲載となるようです。
はやく「映える」を辞書で引いてみたいですよね。さて、2018年の新語としてその他ランクインした日本語とは一体何なのでしょうか……。
■2018年を物語る新語ベスト10
大賞の「映える」に続いて、2018年を物語る新語ベスト10を確認していきましょう!
【2位】「モヤる」
もや・る[モヤる](自五)〔俗〕もやもやする。特に、不満や不愉快(フユカイ)、反発を、ばくぜんと感じる。「見ると―投稿(トウコウ)はブロックする」〔二〇一〇年代に広まった ことば〕 (『三省堂国語辞典』飯間浩明先生)
【3位】「分かりみ」
わかりみ【分かりみ】〈名〉理解できること。共感できること。また、その度合い。「―が深い・―がすごい」[最近の若い世代の言い方。接尾辞「み」は、本来、「赤み」「面白み」「新鮮み」のように、一部の形容詞・形容動詞の語幹にのみつくものであったが、「つらみ」「尊み」のように、従来は「つらさ」「尊さ」と、接尾辞「さ」しか付かない形容詞語幹へも広がった。「分かりみ」は、それが、さらに動詞の連用名詞形にまで広がったもの] (『三省堂現代新国語辞典』小野正弘先生)
【4位】「尊い」
とうと・い[尊い]タフトイ(形)〔俗〕〔アイドル・キャラクターなどが〕とても美しくて、いとおしい(と思わせるようすだ)。「ヒデキ―!」〔二〇一〇年代半ばからの用法〕 (『三省堂国語辞典』飯間浩明先生)
【5位】「VTuber」
ブイ チューバー[3]〖VTuber〗〔バーチャル-ユーチューバーの略〕動画配信サイトのユーチューブで、生身の人間に代わって投稿コンテンツに出演するコンピューター-グラフィックスのキャラクター。 (『大辞林』編集部)
【6位】「肉肉しい」
にくにく し・い[5]【肉肉しい】 (形) 〔特に牛などの赤身の肉料理で〕 量感に加えて質感までもが強く感じられ、見るからに、肉のうま味や食感などが好ましく感じられる様子だ。〔近年の言い方〕「ワインに合う─ 一皿を豪快に味わう/─ハンバーグ」 [派]━さ[5] (『新明解国語辞典』編集部)
【7位】「マイクロプラスチック」
マイクロ プラスチック[8]〖microplastic〗 大きさが五ミリメートル以下の微細なプラスチック。ペットボトル・レジ袋・ストロー等のプラスチック製品が海洋に流入し、波や紫外線等によって劣化し、砕けたもの。大量に存在することが知られるようになり、深刻な環境汚染の原因として近年問題になる。 (『大辞林』編集部)
【8位】「寄せる」
よ・せる[寄せる](他下一)性格が近いものにする。似たものにする。「俳優が原作に寄せた演技をする」〔二〇一〇年代からの用法〕 (『三省堂国語辞典』飯間浩明先生)
【9位】「スーパー台風」
スーパー たいふう[5][7] 【スーパー台風・スーパー〈颱風】〔←super typhoon=米国の合同台風警報センターによる最大強度階級の台風〕 最大風速が毎秒約六五メートル〔=一三〇ノット〕以上の極めて強い台風。日本の気象庁の最大強度階級である「猛烈な(最大風速毎秒五四メートル)台風」を超える。 (『新明解国語辞典』編集部)
【10位】「ブラックアウト」
ブラックアウト〈名〉[blackout]①[夜間の]大規模な停電。また、そのことで混乱や不安が広がること。「大災害時の―」②報道規制、灯火管制、記憶障害など、一時的に働きが止まること。③[演劇などで]舞台が暗転すること。 (『三省堂現代新国語辞典』小野正弘先生)
「Vtuber」や「マイクロプラスチック」などがランクインしている今年の新語2018年の結果から、2018年を振り返ることができそうですね!
さて、あなたにとって2018年の新語にふさわしい言葉は何でしょうか。この機会に周りのお友達と辞書に載りそうな単語について語ってみても良いかもしれないですね。(かすみ まりな)
情報提供元:株式会社三省堂/「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2018』」