【気になる人ができたらやってみて!成就のための認知心理学】
恋心は人が生きていくうちに生じる自然な感情ですよね。でも、それが必ずしも成就するかは分かりません。感情の高まりに任せてしまうのもいいですが、成功率を少しでも高めるために押さえておくべきこともあります。そこで今回は、気になる人ができたときに役立つ考え方のポイントを認知心理学の観点からご紹介します。
■「似た者同士」はうまくいく?
人はどのようにして恋愛の相手を決めるのでしょうか。アメリカの心理学者バーシャイドらは、自分に似た人をパートナーに選ぶ傾向があるとするマッチング仮説を提唱しました。つまり、人は自分よりも魅力的な人に拒否されることを恐れるとともに、自分より魅力的でない相手を拒否する結果、似た者同士のカップルが誕生するというわけなのです。これを心理学においては、類似性の法則と言います。気になる相手に、自分と似た点を見つけることができたら、その恋は上手くいく可能性が高いと考えても良いでしょう。
■好き嫌いに大きく影響するラベリング&初頭効果
初対面の人に出会ったとき、人は無意識のうちに相手にレッテルを貼ってしまいます。心理学ではそれをラベリングと言います。相手にラベルを貼ってイメージを定着させるわけですね。そして、最初に定着したイメージが、その人の全体のイメージを決定してしまいます。これは初頭効果と言われる現象ですが、つまり第一印象は好き嫌いに大きな影響を与えるということです。アメリカの心理学者アッシュは、心理実験により第一印象の重要さを説いています。気になる相手には、奇をてらわず身なりを整えて丁寧に接していれば、まず問題は無いということですね。
■相手への認識をガラリと変えるハロー効果
私たちは人を判断するとき、どのような価値観で相手を見るのでしょうか。基本的には個人の価値観が基準になりますが、それは何らかの影響でコロッと変わってしまうことがあります。このように本人にまつわる新たな情報を得ることで、相手への認識が変わってしまうことをハロー効果と言います。ハロー効果が起きるものとしては、肩書きや学歴、年収や家柄などがありますが、身につけているものなどでもその効果が表れます。そのため、気になる相手には、それらを嫌味にならない程度にアピールした方が効果的なのです。
■気持ちの盛り上がりを測る4段階
恋愛は、ふたりの人間が新たな絆を作り出す創造的な行為です。この人と付き合っていいのかと迷ったときに活用したいのが、イギリスの心理学者グラハム・ワラスが提唱した創造過程の4段階です。これは出会いのきっかけを増やす準備段階、同じ時間を重ね相手のことをより深く知るようになる孵化段階、ふとした瞬間に恋の確信が心の中に生まれる啓示段階、そして家族や友人に紹介して検証する検証段階から成ります。気になる人との未来を思い描けるなら、その恋は本物なのかもしれません。
恋が生じるのは、一見偶然な事のように思えますが、実は人間の心の中ではさまざまな現象が起きています。好きという感情は、ほんのちょっとした印象やあなたの行動によって引き出すことができるものなのです。もしもあなたに気になる人が現れたら、騙されたと思って試してみると良いかもしれません。きっと、恋愛を有利に進められるはずです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。