向井理さんがナビゲーターを務めるドキュメンタリー『ブータンが愛した日本人 向井理が見た、幸せの国のキセキ』(読売テレビ・日本テレビ系)が、2月4日15時からオンエア。ロケでブータンを訪れた向井さんが、現地で感じた思いを明かしています。
同番組は、海外で偉業を成し遂げ、その国の人々に愛され続ける日本人を掘り下げていくシリーズ第3弾。これまで2016年に『キューバが愛した日本人』、2017年に『ドイツが愛した日本人』が放送され、高い評価を受けていました。
今回、スポットを当てる人物は、ブータン王国に農業技術を伝授し、国王から「最高に優れた人」を意味する“ダショー”の称号を与えられた日本人・西岡京治さん。1964年に海外技術協力事業団の専門家として、アジア最貧国の一つで食糧自給が困難だったブータンに派遣された西岡さんは、28年間にわたって支援活動に従事。大きな農業革命をもたらし、彼が伝えた農業技術は現在のブータン国民の生活を支えているそう。
ブータンで西岡さんの足跡を追った向井さんは、「西岡さんがいかにブータンに貢献し、人々に愛されているかと肌で知ることができました。西岡さんが開発した村の人たちはもちろん、町の市場では西岡さんが伝えた作物を育てて市場に並べているという人もいて、西岡さんはブータンの人々の生活に根付いていました」と感想を。
また、西岡さんと直に接した方々にも話を聞いたらしく、その人々によると、西岡さんは怒ったところをまったく見たことがないのだとか。
「『西岡さんに何か日本語を習いましたか?』と尋ねたら、『西岡さんはすべてブータンの言葉で話すので日本語を聞いたことがなかった』と言われました。普通ならコミュニケーションを取る上で言葉の壁があるはずなのに、それを最初からなくすように努力されていたのは、すごいことだと思います。あと、西岡さんは一時的な支援ではなく、自分がいなくなってもブータンの人々が自活できるように技術を根付かせることを目標にしていた人なんだということを強く感じました」と感銘を受けた様子です。
今回、向井さんは「世界一幸せな国」と言われるブータンの若者たちにもインタビューを敢行。彼らならではの幸せの価値観を感じたらしく、「失業していたり、学校に行けなかったり、好きな仕事に就けていないといったネガティブな問題を抱えている人は多いです。でも『幸せですか?』と聞くと、皆さん『幸せです』と言うんです。僕はお祭りの時期に行ったんですけど『お祭りに参加できることが幸せ』という答えや『家族が笑っているから幸せ』『両親が生きているから幸せ』という答えが返ってきました。それは、彼らには“幸せは自分一人だけのものではない”という考え方があって、僕ら日本人の思考回路とはちょっと違うんだなと思いました。家族の結び付きがすごく強いということもあるでしょうね」と語ります。
また、初めて訪れたブータンで触れる文化も、向井さんにとっては興味深いことが多かったようで、「行く前から食べ物が辛い国とは聞いていて、実際に辛かったんですけど(笑)、そんなに辛過ぎず、おいしかったです。基本的に米が主食で、米が好きな僕には合っていたのかもしれません。ちょっと太って帰ってきたぐらいです(笑)」と食について明かし、「あとは、どこに行っても仏教の思想が感じられました。人々の考え方が、仏教に則っているんです」と振り返ります。
『キューバが愛した日本人』に続いて、このシリーズには2度目の出演となる向井さん。異国の地で粘り強く努力を重ねてその国の人々に愛される存在にまでなった日本人の功績を、日本人の一人として多くの視聴者に伝えたいという思いは強くなっているらしく、「キューバに行った時にも感じたことなのですが、人の思想や努力はずっと残るんだと今回強く感じました。西岡京治という日本人が、敬虔な仏教国家であるブータンで認められた唯一の外国人であることをすごく誇りに思います。勤勉で実直で、その国を心から愛し、自分の生活を捧げ、さらにその国を発展させた西岡さんは、ずっと将来のことまで考えて、当初考えていた以上のものを残しています。そこには、日本人のアイデンティティが象徴されているような気がします」と分析。
さらに「ブータンで“ダショーニシオカ”と言ったら通じる人もいるくらい、ブータンの人は日本人に対して好意的です。それは西岡さんのような人がいたお蔭であって、それは日本人として大事にしたいと思います。普段あまり行くことができない国ではあるかもしれませんが、そういう所で自分たちの国の先人たちがいるということを誇りに思っていいのではないでしょうか。グローバリズムの中で他の国と接することが多くなり、改めて日本人のアイデンティティを感じていただける作品になったと思っています」とアピールしました。向井さんの渾身のリポートに期待が高まります!