■植田圭輔、失恋からの立ち直り方。「いっぱい落ち込んで…」
「悲しみ」がテーマだという『月刊 植田圭輔×小林裕和』。その話の流れで、植田さんから「失恋」というワードも。たしかに、夜の海辺でたそがれる横顔にそんな雰囲気を感じます。植田さんが失恋した時の立ち直り方は?
「失恋をしたら、いっぱい落ち込んで、すぐに立ち直ります。どれぐらい落ち込むか……もう、話にならないぐらいです。でも、そばに人がいなきゃダメ。悔しさ無念さ悲しさを仲間に全部聞いてもらって、みんなに散々迷惑をかけて、立ち直ったら恩返しをする!(笑) 僕は一人じゃ生きていけないタイプです。その日あったことを共有したいですしね。極度のさびしがり屋なんです。さびしがり屋なのに、一人でいたい気持ちも強いから、超面倒くさいと思います。付き合ったら大変なタイプ(笑)」(植田さん)
植田さんは好みの女性のタイプに、「僕は我が強くて、生活基準の最優先事項がやっぱりお仕事なので、それを受け入れてくれる人だと助かるかな。この年になるとタイプというか、波長が合う合わないというのが大切」と答えていました。そして最後に付け加えて、「……でも面食いだとよく言われます」と。そんな彼が理想の相手に巡り合えるのは、まだ先の話!?
■役者・和田雅成はソウルメイト?一緒にいて居心地がいい相手
ライバルも多い世界ですが、出演作品も多く、年齢問わず「うえちゃん」の愛称で親しまれる植田さんは“仲間”もたくさんいる印象。そう伝えると「僕はライバルより仲間のほうが多いかもしれないですね」と優しい表情に。
今回のフォトブックをSNSで情報解禁とともに、植田さんに即LINEで「きれいです」と感想を送ってきたのが、役者仲間の和田雅成さん。少し前に取材をさせていただいた時、ちょうど植田さんと舞台『劇団シャイニング/天下無敵の忍び道』で共演中。取材時の雑談で、事前に細かく打ち合わせをしなくても“あうんの呼吸”で立ち回りができるなど、和田さんの話す内容、話し方から「きっと植田さんのことがすごく好きなのだろうな」というのを感じたのでその話をすると、「すみません。あいつ、どこにいってもそうなんですよ(笑)」という返答。
そして、「誕生日が一緒なんですよ、僕ら」という一言。ともに、9月5日生まれの大阪出身。これはもう運命……ソウルメイト!
「誕生日が一緒というのを和田雅成から言われて、そうですか……という感じでしたけど(笑)、プレゼントを渡して祝ったことはありますよ。一緒に過ごしたことはないですけどね」(植田さん)
和田さんがどんな方か聞くと、一気にリラックスした表情に。そしてこんな話を。
「これ生意気に聞こえるかもしれないですけど、最初彼に会った時、“こいつきっと売れる”と感じたんです。舞台『戦国無双』が初対面で、大阪では活動していたけれど、当時、東京に出てきてまだ慣れていなかったこともあって、彼は「俺は1年後、絶対にのし上がってやる」というようなことをずっと言ってました。目がすごくきれいで嘘がなくて、頑固だけど、自分の信念に真っすぐ。仕事に対して真摯な人って絶対に報われると思っているので、案の定、一瞬で飛ぶ鳥を落とす勢いの存在になりましたよね。でもこの話をすると本人怒るんです(笑)。お芝居に対して熱い男なので、一緒にいて居心地がいいですね。仕事に対しての向き合い方とか、通じるものがあると思います」(植田さん)
初共演から、2年半ちょっと。最初こそ「うるさい関西人だな」という印象だったものの、これまで4作品をともにしてきて、「彼のいろんな顔を見ているし、僕のいろんな姿も見てくれてきた」と話し、今では、植田さんにとって和田さんは「この業界で一番波長が合う人」にまでなったそう。
仕事以外での共演がないという植田さんと和田さん。先日の取材で、和田さんにファッション改造計画を提案した話をし、せっかくなのでお二人でどうですか?と言うと、「ぜひぜひ! あいつ、本当に“星”しか着ないんですよ(笑)。星がついた服でかぶった時、まるで自分のもののように話していたので、『星はおまえだけのものでははないからな』って言ってやりました(笑)」と、にやり顔。
「しっかり改造計画をやって、和田雅成にファッションの楽しさを知ってほしいですね。僕はファッションは好きなほうなので、一緒に買い物に行きつつ、和田雅成を改造できたら面白いだろうなぁ。彼の横でチャチャ入れながらね。僕、チャチャだけは上手なんで、任せてください(笑)」(植田さん)
■植田圭輔と椎名鯛造。共通点は多いけれど、似て非なる2人
和田さんともう一人、舞台『劇団シャイニング/天下無敵の忍び道』で共演した、椎名鯛造さんの話もしてくれました。
椎名さんのインパクトある楽屋写真に「すごいでしょ?(笑)」といたずらっぽく笑いながら、「鯛ちゃんもこの世界で長く生きてきた人です。世間的に、僕と椎名鯛造は似ているタイプに分類されると思うんです」というので、どのへんが?と聞き返すと、「チビ(笑)」と即答。植田さんなりの照れ隠しなのかなと思ったのですが、その後にこんな言葉が待っていました。
「二人とも、体を動かすのが好きなんです。普段もそうですけど、舞台上でも得意としているほうです。お芝居も大好きだし、いい意味で、自分に自信を持っていると思います。通じるものはすごくあるけど、根本的な性格の部分が違う。色でいうと『白』と『黒』ぐらいに。一般的に見ても、彼のほうが元気でやんちゃなイメージですよね。役者として似ている部分は多いけど、僕らのキャラがかぶることはないんです。それもあって、共演する機会は少ないんですね。一般的に原作がある場合、小さいキャラクターはひとりしか出てこないことが多いので、作品によっては、僕だったり鯛ちゃんだったり、また別の誰かだったり……という感じ。過去に共演したことはあるけど、劇団シャイニングみたいに、直接戦ったりすることってほとんどなかったんですよ。この舞台で共演したことで『うえちゃんの殺陣を見たことなかったけど、こんなに動けるんだ!』と言ってました。いい先輩であり、僕にとって大好きな仲間なので、そういう人に自分のことを認めてもらえるのは嬉しいですね」(植田さん)
この話の後、「……それもあったから僕はあの現場で張り切ってたのかもなぁ」と、独り言のようにしみじみしている植田さんがとても印象的でした。
■植田圭輔、コンプレックスを武器に変えて新たな扉を開ける
今でこそ、自虐的に自分の身長を笑い飛ばしている植田さんですが、「もともと身長が低いことにすごくコンプレックスを抱いていた人間だった」という話もしてくれました。でもそれは、ある瞬間“強さ”にも変わるのが芸能界。「そんなふうに切り替えて考えられるようになるまでは、すごく時間がかかった」と言っていましたが、TVアニメ『王室教師ハイネ』で、“身長の小さな”主人公ハイネの声を担当し、9月には同作の舞台版(ミュージカル)でも同じ役で主演が決まっています。
「自分の見た目とか、身長が高くないことが、役者としていい意味の“ギャップ”になるのかなと今は思えます。そういう人間がパワーに満ちあふれていたり、タフネスさを出せたら、同じようなことで悩んでいる人たちに、『あれ、自分でもやれるのかも』と思ってもらえる気がしています」(植田さん)
今、空前の「2.5次元ブーム」。植田さんも“2.5次元舞台”に出演することが多い役者のひとり。そんな彼がこれまでの10年心がけてきたこと、そして役者としてこれから目指すのは、主演作品に多く出ることでも、テレビにたくさん出ることでもなく、「続ける」ということ。
「僕が10年間ずっと言い続けているのは、『続けることが一番の目標』。“売れる”ってなんだろう……主演をいっぱいやること? この世界で天下を取るってそういうこと?というのもあるし、一発ドカンと売れても、結局、それを維持していくことのほうが難しい。だったら自分のペースでゆっくり歩いていって、自分らしく表現し続けることのほうがとても大事なんじゃないかって。少なくとも、そのほうが自分の心も腐らないと思うんです。裏を返せば、続けていないと不安なんです……仕事がないこと、お芝居をしていないことのほうが不安だから、止まることなく続けなくちゃいけないんだろうなって」(植田さん)
「自分が持っている最大の武器を表現できる場所で、自分を表現し続けることが、今僕が一番やりたいこと。きっと時代は変わっていくし、2.5次元ブームがずっと続くものではないと考えているので、その時々求められるものの中で、自分が旬の存在でありたい」という植田さん。役者として「野心しかないです!」という彼に贈るエールは、「頑張って」ではなく、きっと「今を楽しんで」という言葉のほうがしっくりくるのかも知れません。
植田さんの話を聞いていて、「継続は力なり」ということわざを借りると、継続が愛を呼び、それが力になる。その力が愛への恩返しとなり、次の継続につながっている、そんなふうに思いました。
余談ですが、仕事虫の植田さんに「プライベートでの幸せの瞬間」を聞いてみると、「家に帰って、缶ビール一杯とおつまみで、テレビを観ながら過ごす時間。どんなに忙しくても必ずやります。一回オフってから、セリフを覚えるとか、自宅での作業に入りますね。缶ビールを飲みながら、何にも考えない時間が一番好きかも(笑)」と教えてくれました。
「今の自分にとって、稽古も本番もすべて日常みたいなもの。だから何をするにも、変にゲン担ぎもしたりせずいつも通り過ごすのが大切だと思っている」と、植田さん。ひとたび舞台に上がれば、全身全霊でその役を生き、確固たる存在感を発揮する役者、植田圭輔さんがこれからどんな意外な姿で観客を驚かせてくれるのか、今後の活躍に期待しかありません。
撮影:小林裕和、取材・文:さとうのりこ
■植田圭輔さん出演舞台
BSスカパー!オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダルSeason2』
2017年8月18日(金)~毎週金曜日ほか放送
https://www.bs-sptv.com/yowapeda/
『王室教師ハイネ THE MUSICAL』
東京公演:2017年9月7日~10日@Zeppブルーシアター六本木/大阪公演:9月16日~18日@森ノ宮ピロティホール
http://www.musical-heine.com/
舞台『K-MISSING KINGS-』
関西公演:2017年10月19日~22日@京都劇場/東京公演:10月27日~29日@天王洲 銀河劇場
https://www.marv.co.jp/special/stage-k/
◆植田圭輔:ツイッター
https://twitter.com/uechan_0905
◆植田圭輔:ブログ
https://ameblo.jp/keisuke-ueda
◆オフィシャルinfo 「うえちゃんネル」
http://sp.ch.nicovideo.jp/uechannel
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