シロクマを撮り続け15年!話題の本『HUG!friends』カメラマンに裏話を直撃

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11月11日に発売され、北の大地カナダで、シロクマと犬が種族を超えて遊んでいる、心なごむ写真の数々が話題を読んでいる『HUG!friends』今回はシロクマを撮り続けて早15年、この本のカメラマンの丹葉暁弥さんに、Woman Insight編集部がインタビューを行いました。丹葉さんにお話を聞いたのは、なんと印刷が刷り上がったその日! 印刷所から持ってきた、できたてほやほやの完成した本を持ちながら話す丹葉さんの顔は、達成感に満ちあふれていました。

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シロクマに魅せられ続けている丹葉さんの名刺には、なんと自身が撮影したシロクマが印刷されていたんです! メールアドレスまでシロクマに関係しているもの。お話を伺う前からシロクマ愛をひしひしと感じます。

Woman Insight編集部(以下、WI) さて、まずはいつ頃からこの本の構想をあたためていたんですか?

丹葉暁弥さん(以下、丹葉) このシロクマと犬が遊んでいる写真は、最初に撮影してから13年間、ずっと大事にあたためてきた写真なんです。1回だけ、ブログか何かでワンカットだけ出したことがあるんですが、そのときもたくさんの反響をいただいて……。いつのまにかまったく知らない人のTwitterのアイコンになっていたりして、収集がつかなくなったことも(笑)。それから毎日新聞さんに大きく扱っていただいたり、JAさんが発行している子ども向けの雑誌に載せていただいたり、写真展のときに1〜2点展示したり……。ぽつぽつと出してはいたのですが、きちんとこの写真の意味が伝わるようにまとめるまで、本は出さないと決めていました。

WI この写真を撮れたのは、どういうタイミングだったんでしょうか?

丹葉 この犬はカナディアン・イヌイット・ドッグという、絶滅しかけた犬種なんです。このシロクマがいたところの近くに人口千人くらいの小さい町があって、そこに住んでいる友達に、その犬のブリーダーをやっている人がいるんです。その人に「このあたりにシロクマが来るから、来いよ!」と誘われたので、行って撮っていたら、シロクマが犬に近づいていって。そのときは、シロクマは半年くらい絶食をしていて、一番おなかをすかせている時期だったんです。だから、あっ、このままじゃ食べられるんじゃないか、どうしようってこわごわと見守っていたら……なんと、シロクマと犬が遊びはじめたんです。しかも、比較的穏やかな、メスの子グマなのかな、と思うじゃないですか。でも、なんとこのシロクマは男の子なんです

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WI 驚きですよね! もちろん、すべてのクマがこうして遊ぶわけではないんですよね?

丹葉 はい。クマが犬を食べてしまうことのほうが、よほど多いです。でも、このシロクマだけが犬と友達になった。犬も、ちょっと迷惑そうな顔はしていますが(笑)、攻撃もせず、優しい顔をして……この風景が、何年も続いていたんです。

WI このシロクマは今でもいるんでしょうか?

丹葉 ……それが、わからないんです。シロクマに何度も会いにいっているうちに、顔つきやちょっとしたキズで「あ、あいつだ」って個体識別ができるようになったんですが、このシロクマは、わからない。大きくなっちゃうと近づかなくなってしまうので……。

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WI おそらく、何度も質問されているとは思いますが、シロクマの魅力とはなんでしょうか?

丹葉 最初は、なぜシロクマを好きなのか、理由をつけながら話していたんです。陸上最大の肉食動物だから、とか。でも、ある日何かの講演会のあとに、後ろからふっと「どうしてシロクマなんですか?」と聞かれたことがあって……そのときとっさに「いや、好きなんです!」と言葉が出たんです。そしたらその方も、僕も、「そうだ、とにかく好きなんだ」と納得がいった。僕がシロクマを撮り始めた15年前は今よりも温暖化も騒がれていなかったから、そういうのを狙ったわけでもない。ただ、好きだったんです。

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WI 普段、シロクマを撮るときはどう撮っているんですか?

丹葉 今は、何度も行くうちに仲良くなった地元の人たちからボロボロの車を借りて、自分で運転してシロクマがいる場所に向かっています。僕が撮っているカナダのチャーチルは、実は欧米のものすごい観光スポットで、人間の背丈くらいの大きなタイヤをはかせた、40人も乗れるバギーでシロクマを見るツアーが盛んなんです。最初はそこに参加して撮っていたこともあったんですが、もっぱら今は自分で運転していますね。

WI 自分で運転ということは、もうシロクマがいるスポットをご存じなんですか?

丹葉 はい。行くと、もう、「あっここにシロクマがいるな」というのがわかるんです(笑)。そこに行って、たまたまシロクマがいたら撮る。いなかったら待たない。ずっと同じ場所で待っていたら撮る、というスタイルの方ももちろんいるんですが、自分の性格上できない。

WI 待たない、ということは、1日シロクマを見つけられない日もあるんですよね?

丹葉 もちろん、1日中シロクマに出会わない日も何日かあります。そういう日は、きれいな丘の上に行って、ぼーっと景色を見て、夜になったらオーロラを見る。それはそれでいいんじゃないかな、と思っています。毎年毎年行っているけれど、あの景色には、今でも行くたびに感動します。

 

ちょうど来週からまたシロクマを撮りに行くんです、と丹葉さんはポツリ。この記事が掲載されるのはまさにその頃、丹葉さんはきっと北の大地でシロクマを撮っています。撮った写真はすぐにブログやFacebookに掲載して、できる限り更新するようにしている、と言います。今年はどんなシロクマの風景を見せてくれるのか。本とあわせて、ご覧になってみてくださいね。(後藤香織)

★前回の記事はコチラ→ 必見!シロクマと犬のハグ!奇跡の癒し系写真本を発見

 

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『HUG!friends』写真:丹葉暁弥/物語:ひすいこたろう(小学館/1,000円+税)

『HUG!friends』詳細:http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784091046529
『HUG!friends』Amazon:http://www.amazon.co.jp/dp/4091046525
丹葉暁弥さんブログ:http://akiya.blog.so-net.ne.jp/
丹葉暁弥さんFacebook:https://www.facebook.com/photographer.tamba

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