皆さんは、時代小説など読まれたことありますか? ちょっと牽制してしまうジャンルではないかと思うのですが、それもそのはず、昔の時代モノは、完全に男の世界でもありました。男のロマンの“権力”や“生きざま”の傍ら、女はひたすら耐え、見守る。女性にいまいち受けなかったのも無理はないでしょう。そんな中『Precious』12月号では、「女性のための“時代小説の時代”がやってきました!」と題し、時代モノ小説の楽しみ方を紹介していたので、その中から映画にもなっている『清須会議』の楽しみ方をご紹介します! 以下、教えてくださるのは代官山「蔦谷書店」の文学コンシェルジュの間室道子さんです。
女性には本来「領土が欲しい」という気持ちがわからない。女の人は目の届かないところが嫌いなのでしょう。自分の手の届く範囲で自分でやりたいのであり、たまに家事を手伝う彼や夫に感謝を見せつつ「一からお皿、洗い直したい」と思っている女性も多いはずです。
『清須会議』は日本初の会議。今までは暴力で天下取りが決まったが、織田信長亡き後、初めて「話し合いで解決」が試みられた。武将たちの腹の探り合いと足の引っ張り合いの中、信長の妹、お市の方や秀吉の妻が彼らの動きを読む。
重要なのは男の本心を見抜くのに、遠方から来たライバルではなく、そばいる女が活躍する点です。女性の感や、現実的な考え方が発揮され更に、敵の脅しよりも女の流し目のほうが男には効いたりするのです! 現代でも男のプライドや男らしさを利用することは確かに使えるかも!!
登場人物も読者も「男って、馬鹿ね。」と思うのですが、そこには、軽蔑ではなく微笑と愛があります。現代も昔も変わらぬ、男の愛で方がここにあります! 男性としても、このように対応されると嬉しいものです。 男性の扱い方や喜ばせ方を知るのにも参考になりそうな『清須会議』。女性も時代小説が楽しめる時代が到来です。
(『Precious』2013年12月号)
『清須会議』 三谷幸喜/ 幻冬舎( ¥1,470)
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