初めまして。CanCam専属モデルの坂田梨香子です。
『CanCam.jp』のエディターの面白コラムたちに対抗意識を燃やしたので(笑)、私も参戦します★
私が素敵だと思ったモノやコト、
いろんなものを自由に紹介していきますね。
先日、表参道ヒルズにて3/9〜19まで開催中の
『エルメスの手しごと展 “アトリエがやってきた”』に行ってきました。
こちらでは、エルメスのアトリエで働く職人たちによる
”手”で商品が作られていくさまを、目の前で見ることができるという
本当に貴重な体験ができます。
繊細で1つの傷も許さないその姿勢から、
ブランド力とチーム力の大きさを垣間見ることができます。
まずは、「鞍」の職人さん。
乗馬の世界では「人馬一体」という言葉が使われますが、その中で人と馬を繋げる大切な役割を担っているのが「鞍」。
騎手と馬が快適で、さらに怪我がないよう、突起や素材の角となる部分に細心の注意を計っておられるそう。
職人さんならではの”手”の表情にも注目してみたら、面白いくらい個性に溢れてました。
爪もよく切られていて、手は職人さんならではの細かい皺が見受けられました。
次はスカーフ。エルメスと言えば、私はスカーフを思い浮かべます。
長い工程を経て、エルメスのスカーフに最後の仕上げをするのが「縁がかり職人」と呼ばれる人たち。
いちばん圧倒されたのは、左手の親指と人差し指を使って内側へ巻き込んでいく技術。
出来上がったものをみても、機械で出来たような綿密さ。でも、それが人の手によって出来るんだということを
意識してみると、今まで以上に、とても愛着が湧いてきました。不思議。
彼女の手は、ふっくら柔らかそうな手。裁断も縫製もなんなくこなす感じの、素敵なママのような感じでした。
他にも、目が悪くなりそうなくらい細かい時計のパーツを1つずつセットしていく時計職人さんの姿も。
肉眼ではなかなか見づらいいパーツを扱っているのに、ピンセットを掴む手に迷いなし。パッと見では大きくて硬そうな手でしたが(ごめんなさい)、お箸遣いも上手そうな器用さ!
こちらは、磁器の絵付け職人。
お話によると、エルメスの磁器は、すべての工程をひとりのペインターが受け持つんだそう。出来上がった磁器の裏には革が張られ、担当したペインターのイニシャルも入るんだそうです。
ひとつの作品にひとりの職人。
しかも、厳しい品質チェックして落ちたものは廃棄、というこだわりよう。まさに一流で圧巻です。
丁寧かつ大胆に色を塗って行く彼女は、真っ赤なネイルの素敵な方。
とっても綺麗に塗られたネイルに、アーティスティックな雰囲気が溢れていました。
ご紹介したのはごく一部ですが、つくられていく工程を知ると、ものの見方が変わりますよね!
その手からつくられるものと、その人とも、なんとなく共通項があるというか。
職人の皆さんの、納得の手。まさに圧巻で、魅力的でした。
所作の裏にはふさわしい道具があり、その道具には歴史があり、独自の名前を持っている。
ささやかなディテールにも、その裏側には注意深い眼差しを持ち、完璧な仕事への誇りを抱くひとりの人間の存在があるんですね。
歴史を知るとファッションがもっと楽しくなる!
素敵な展覧会でした♡ (坂田梨香子)
エルメスの手しごと展 “アトリエがやってきた”は3月19日まで。気になる方は早めにチェック!