ウブだった10代の名残り…「社会に染まりきれない自分がいる」│宮崎秋人&廣瀬智紀

◆ドラマ『男水!』宮崎秋人&廣瀬智紀インタビュー【後編】

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(左:廣瀬智紀さん/右:宮崎秋人さん)

 

Woman Insight編集部(以下、WI) 合宿所での生活は、聞いているだけで修学旅行の夜が想像できるようですが、おふたりはどのような高校生活を過ごされていましたか?

廣瀬智紀さん(以下、廣瀬) 僕は男子校でした。

宮崎秋人さん(以下、宮崎) え、智紀くん男子校だったんだ! 僕は共学です。

廣瀬 それもあって、学生時代みたいだなって思っています。原作と違ってドラマでは男子生徒ばかりなので、合宿所だけじゃなく、撮影以外はいつも男子校みたいな雰囲気で過ごしています。

宮崎 だから本当に、すごく楽しいですよ(笑)。男だけで汗臭~くやっています(笑)。智紀くん、高校のときは何か部活やってましたか?

廣瀬 僕はサッカー。学生の頃は、高校3年の引退までずっとサッカーばっかりやっていました。だからこの現場のノリはすごく懐かしいというか、「そういえばずっとサッカーやっていたな」という感覚が蘇るというか……根っからのスポーツ少年でした。

宮崎 僕は、小学生からずっとバスケットボールをやっていたのですが、高校からはバンドをやっていました。

廣瀬 え!! ウソ!! マジで!?(笑)

宮崎 はい(笑)。担当楽器はギターです! もともと趣味で始めて、気がついたらバンドになってました。

廣瀬 友だちが「バンドやろうぜ」みたいな?(笑)

宮崎 そう(笑)。体育の授業で長距離を走りながら、友だちと二人で「ギターやってるんだ」「え、僕も。じゃあ、バンドやろうぜ」って。

廣瀬 それから二人で始めたの?

宮崎 その後、「別のクラスに、ベースがすごく上手いやつがいるらしい」って聞いて、バンドに誘ったんです。それから、最初に僕をバンドに誘ってくれた友だちの地元で「ドラムをやりたい」という子がいて、彼だけ高校は別だったんですけど、その4人でやっていました。

廣瀬 青春だね! でも高校の青春って、そういう感じだよね。高校生でバンド始めようとなったら、友だちの友だちにも「○○やってるやつがいるらしい」ってメンバーが集まっていく感じ。すごく楽しそうだね。

宮崎 すごく楽しかったです!

廣瀬 僕は、身ひとつで、汗水流してボールを追いかけているほうが身近だったんですよ。バンドは自分とは程遠いイメージ。楽器をそろえるのも大変だし、練習場所もそうだし……どこか“大人の遊び”ってイメージだったな。

宮崎 たしかに、少し背伸びしていたところはあるかも。必死でバイトしないと欲しい機材は買えないし、ライブをやるにも、練習するにもお金がかかるし。

廣瀬 そっか。じゃあ、高校のときからバイトしていたんだ? 僕は、高校のときはバイトしたことなかったなぁ。

宮崎 ライブの対バン相手も20歳を越えている人たちが多かったから、毎回刺激的でした。

廣瀬 しかも、高校生だからってナメられるのも嫌な年ごろだしね。

宮崎 そうそう!(笑)

廣瀬 僕は、高校時代サッカーしかしていなかったので、バイトをしている子たちも「大人だな」と感じていました。いま思えば、ウブだった気がする……。その名残りなのか、いまでも、いまいち染まりきれない自分がいるんです。

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WI 何に染まれないのですか?

(宮崎さんが小声で「……社会」とポツリ)

廣瀬 たとえば、社会……うん、社会(笑)。って、こんないい年した大人が発言しちゃいけないのかもしれないけど、未だに高校時代の気持ちがどこかにある気がします。「汚い世界は知らずにいたい」とか、知りたいことがあっても「知らなくていいや」という素振りをしてしまったり、目を逸らしてしまうんです……。

 

WI ということは、実は、廣瀬さん以外のキャストのみなさんがプールで泳いでいるのを見ながら、青春時代を思い返して、うらやましかったりしますか?

廣瀬 それはすごく思います! 小学生のころ、水泳教室に通っていたし、水の中にいるのも好きなんです。(いきなり宮崎さんのほうを向いて)僕、すごく賑やかな子だったの。中学も高校も、先生のあげ足を取って、みんなを笑わせるようなムードメーカー的な存在で。

宮崎 ええ~意外!!

廣瀬 性格的に目立ちたがりなところがあったのだと思います。

宮崎 いまの智紀くんからは想像できないです。いまは違った意味で目立ってはいますけど……。

廣瀬 ちょっと(笑)。いまもどこかに“目立ちたい”という性格は残っていると思うんですけど、僕以上に濃いキャラクターの人が多いから、どんどん萎縮しちゃったのかも(笑)。それもあって、この世界で生き残っていくためには自分をプロデュースする術も必要だなって思います。僕は学生のころは人の前に出て楽しませたりする性格でしたけど、芸能界では別の部分で勝負をしていかなくちゃいけないなと感じて、いまのような性格になったような気がします。あ、話が逸れちゃいました(笑)。

 

WI そんなことないですよ。その話を聞いて思ったのですが、いろんな現場があって、現場ごとに周りのキャストをみて自分のポジションを変えたりすることはありますか?

宮崎 同年代や年下が多いか、先輩たちが多いかによって、必然的に身の置き方は変わるかもしれないですけど、僕自身の立ちまわり方は変わらないですね。智紀くんは、どこで会っても智紀くんだしね(笑)。

廣瀬 そうだね(笑)。ただ、今日もそうですが年々、素の自分で居やすくなっている感覚はあります。いろんな仕事をして、たくさんの方々と共演させていただいて、僕がこういう性格だというのをわかっていただいたり、初めましての方でも、僕が過去に共演した方から話を聞いてくださっていたり。最近特に、僕が僕でいられる環境が増えたなと感じています。

 

WI では今回の現場もすごく居心地がいいのでは?

廣瀬 そうですね……ありがたいことに。

宮崎 本当に面白い現場だよね。いろんな刺激ももらっています。

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