ナスカの地上絵、マヤ文明、マチュピチュ……謎に包まれたこれら古代文明に、新たなる科学技術が投入され、これまで分からなかった新事実が相次いで発見されています。
NHK BSのザ・プレミアム シリーズでは「知られざる古代文明」と題して、12月3日(土)から数回にわけて、古代文明にまつわる最新研究の成果を紹介する番組が放送。
シリーズ第1弾(12月3日)の舞台は、古代文明のなかでも特に謎が多いとされる「南米のナスカ」。続く第2弾(12月10日)には、中米で17世紀まで栄えた「マヤ文明」を紹介していきます。
そしてこのシリーズ第1・2弾の舞台となっている南米ペルーと中米グアテマラに、俳優・佐藤健さんが現地を訪問。「子どものとき、マチュピチュが憧れだった」という佐藤さんに、今回、インタビューを行うことができました。
●もともとマチュピチュに興味があったということですが、実際に現地に足を運んでみてどうでしたか?
佐藤健さん(以下、佐藤) 普段から、行ったことがない土地に行きたいという欲はもっていたので、番組の企画でお話をいただいたとき、まずは「行きたい」という気持ちはありましたし、そしてそれ以上に、「文明を勉強することで人間のことが深く知ることができる、理解できるんじゃないか」と思ったんです。僕が今回行ったのは、第一文明が発展した土地です。ゼロから生まれた文明ということは、そこに人間としての本質が隠されているんじゃないかと思ったし、そうことを知っていくことで、いまの僕たちの生き方にも影響がある発見や考え方にもつながるのではないかなと興味がわきました。
●芸能界デビューして10年で、初のリポーターという仕事になりますね。
佐藤 リポーターとしてきちんとできているかわからないですし、懸念していたのは、「僕は何者なんだ?」と(笑)。僕の「行きたい」という欲はひとまずおいて、これは仕事なので、番組における自分の役割は何だろうというのが心配な点ではありました。ただ、僕は文明に対して知識はないので、もしかしたら視聴者の方と視点が近いのかな、と思っています。僕が疑問に思ったことを言うことで、みなさんが持っている疑問が解消できたらいいなと思うし、ディレクターの方にも「特に役目を感じず、普通に見て感じたことを話してもらえれば」と言っていただいたので、かなり素です。正直心配で、「あれでよかったのだろうか」と未だに思っています(笑)。
●初めて行かれた場所ということで、何か困ったことは?
佐藤 困ったことは、思っていたよりなかったです。暑かったり、食事の面で多少あったりはしましたが、全体的に楽しくよい旅ができました。ただ、高地に行くと“高山病”になることがありますが、僕もやっぱり体調に少し変化を感じました。そこが初体験だったかな……僕はまだよかったほうだけど、ちょっと危なかったですね。かなり気をつけました……はしゃぎすぎないように(笑)。
●新しい場所で、適応能力があるタイプですか?
佐藤 どうでしょうね……今回は、プロフェッショナルな方々が周りにいらっしゃったので何も問題はなかったですが、もしひとりで行っていたら、生きて帰ってこれたのか心配ではありましたね(笑)。
●一緒に現地に足を運んだ大学教授の方からの何か印象的な話や言葉はありましたか?
佐藤 僕はほとんど何も知識のない状態で行ったので、すべてが勉強でした。たとえば、素材は違うのですが、エジプトとグアテマラという違う場所に同じピラミッドがありますよね。いまと違って簡単に連絡を取り合うことができない時代なのに、なぜ同じ形のピラミッドが存在するんだろうと思って聞いてみたんです。すると、人は本質的に空や高いところに向かいたいという気持ちがあるみたいで、でもいざ高い建物を造ろうといったとき、当時の技術ではあの三角形がベストだったらしいんです。その話で、ピラミッドの形の謎が10秒ぐらいで解決しちゃったんです(笑)。
●初めて知りました! 今回現地に行ってみて、何か自分のプラスになったことがあれば教えてください。
佐藤 文明に興味があっても知らないことだらけでしたが、それを詳しく知ることができたのがいちばんプラスになりました。それと、昔の人たちも楽器を使ったり歌を歌っていたことに驚いたりすることがありましたが、昔の人たちが考えてくれたから、僕たちが当然のように歌ったり踊っているということに気づけたんです。古代のことを知ることで、昔の人は僕らと別世界にいたイメージを抱いていましたが、過去から徐々にバトンが渡されてきて、いまの時代とつながり、僕たちがいるんだなというのをあらためて実感しましたね。
●では、旅を通して俳優業につながるような発見は?
佐藤 最近は、現代に生きる役を演じる機会が多かったのですが、今後もし昔の時代を生きていた人たちを演じることになるとすれば、「別世界の人」ではなく、この人たちがいたからいまがあるんだという意識に変わっていくのかなと思います。
●番組を通して、古代文明の研究に時間を費やしている方々の“追究心”を垣間見られると思うのですが、佐藤さん自身は「知りたい」と思ったことはとことん追求するタイプですか?
佐藤 そうですね。やりだしたらとことんやるタイプですが、あまりひとつのことを深く追究したことはないかもしれないです。なぜなら、やりだしたらとことんやってしまうのがわかっているから。僕は熱中しすぎると、いろんなところに影響が出るまでやってしまうタイプなので……だから意識して、手を出さないようにしている感じです(笑)。
●ちなみに今年は何かに熱中されましたか?
佐藤 ちょこちょことは熱中しています(笑)。最近でいうと、人生で初めて「食事制限」をしています。いままで一度も気にしたことがなかったのですが、食べ物を手に取ったらまず先に“成分表”を見るのが習慣化してきました。食事制限は役づくりの一環でもあるのですが、大変なのかなと思っていたけど、やってみたら意外に楽しいですね(笑)。
●今回、念願のマチュピチュに行くことができたわけですが、今後、プライベートで行ってみたい海外はありますか?
佐藤 行ったことがない場所は無条件で行きたいんです。砂漠のピラミッドを生で見たことがないのでエジプトにも行ってみたいのですが、南極にも行きたいと思っています。行ってみたいと実際にどれぐらい寒いのかもわからないですからね。テレビで観て「マチュピチュに行ってみたい」と思っていた理由と似ているのですが、とても興味深い場所です。
●過去にいちばん長く滞在していた海外はどちらですか?
佐藤 N.Yは、3か月ちょっと暮らしていましたことがあります。英語の勉強をいちばんの目的として行っていたので、一緒に過ごす友だちもいなくて基本的にひとりでした。午前中に先生のところで英語を教えてもらい、ひとりでランチを食べて、午後にまた先生のところへ行って、夜はまたひとりでごはん(笑)。特にやることがなかったので、のんびり過ごしていましたね。
●旅に必ず持っていくものを教えてもらえますか?
佐藤 『どん兵衛』です。CMに出させていただいているからとかじゃなくて、これは本当に必ず持っていく物なんです。海外で困るのが“お米が違うこと”で、N.Yにいたときも日本からお米とかカップラーメン類を送ってもらっていました。それがなかったら長期間過ごせなかったですね。特に『どん兵衛』はマスト。今回の旅でも『どん兵衛』と『カップヌードル』を持って行きました。どこで食べてもお湯を入れるだけで、確実に美味しいですからね。
●カップラーメン類を持っていくとなると、けっこうかさばるので荷造りも工夫をしないと荷物が入らないですよね。荷造りは得意ですか?
佐藤 僕、この世にある作業の中で「荷造り」がいちばん苦手です。服は何枚必要か……何を持って行くべきか……どう詰めたらいいかもわらなくて。何が必要かなんて、旅先に行ってみないとわからないですよね。取材で行く場合はスタッフの方がいろいろ用意してくださるから問題はないのですが、プライベートの旅行になると、忘れ物もしょっちゅうあります(笑)。
●では番組放送が12月ということで、今年1年を振り返って印象的だったことを教えてください。
佐藤 やっぱり……『君の名は。』でしょうか? 素晴らしい作品でした。あとは「ポケモンGO」。先ほども言いましたけど、僕は“やるからにはとことんやるタイプ”なので(笑)、ポケモンを探しに出掛けたりしていましたね。最近は、探して見つかるポケモンは全部つかまえてしまったので、タマゴからかえるのを待つばかりです(笑)。
最後に番組の見どころとして、「人間たちがどのように生きてきたかわからなかったけど、現場でいろいろ教えていただくことで、“ああ、やっぱりそうだったんだ”ということが多く、いまを生きている人たちの常識と違うことがたくさんありました。そういうことを知ることで、僕たちの生き方をあらためて考えさせられるきっかけになると思うので、番組を観ながらそういったことを感じていただけたらうれしいです」と、佐藤さん。
ふたつの古代文明の最新報告として、また、佐藤健さんの瑞々しい旅行記としても楽しめる本番組。日本チームが明らかにしたナスカ絵2000年にわたる変遷、そして佐藤さんが見出した、古代マヤと私たち日本人との繋がりとは……? 番組詳細はHPにて。(さとう のりこ)
シリーズ 知られざる古代文明
2016年12月3日(土)午後9:00~10:30
「発見!ナスカ・大地に隠された未知なる地上絵」
2016年12月10日(土)午後9:00~10:30
「発見!マヤ・密林に隠されたピラミッドと謎の石舞台」
http://www.nhk.or.jp/bs/
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