柳ゆり菜、栗原類は「この人に自分を差し出してもいい」【インタビュー】

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WI 栗原さんの役は、メイクも時間がかかっていますよね。

栗原 2時間はかかりましたね。

 類君、途中寝てましたよね。「疲れているんだな」って思いました。

栗原 顔を真っ白に塗って、その後にアイシャドウを塗って、鬘をつけて、コンタクトを付けて……。トータルで2時間はかかってましたね。

 そうそう。類君がメイクをしている隣で、みんなが入れ替わっていく。という感じで、起きたら「おはようございます」って挨拶(笑)。

栗原 僕も、目が覚めて「あ。柳さん来てるんだ」って感じで、文字通りに「おはようございます」(大笑)

 

WI コミック的な要素も多い本作の中で、大人ムードを担当しています。栗原さんのイメージにはあまりない部分ですよね。役作り的に苦労はありましたか?

栗原 この撮影の最中に思っていたのは、雅は人間嫌いの吸血鬼なので、撮影中はスタッフを信じていましたが“誰も信じない”ようにしていました。まり子とかも、申し訳ないんですが“コマ”として見ていました。基本的に人を信じず、話しかけられても「あ。そうなんですね」って終わらせるようにしていました。仲良くしたい気持ちもあったんですが、僕も器用な人ではないので、ちゃんと役に入りきるためにそうしたいと思っていたし、基本的に人と会話しない面もあるのでそこに苦労はないんですが、完全な雅を見せるというのは難しい場面ではありました。

 

WI 手下である女性3人との現場では、どのように雰囲気作りをされましたか?

栗原 “雅”としてどういう感じで、この人たちを囲えばいいのか?というので、2,3回リテイクしました。威圧感というか雰囲気を作り出すのが難しかったです。「女性といるのが免疫的にない」というのはリアルな生活でも無いんですが(笑)、そこまで大人のムードを出そうとは考えなかったです。

 雅の手の動きや立ち方が、色気を醸し出しているというか魅力的で、普通の人間とは違って惹かれる部分があるように、私も雅に対して魅力を感じていました。

栗原 色気は意識していないんだけどね。でも監督と役作りの際に(昭和)30年代の吸血鬼映画などをベースとした“クラシックホラー”に出てくる吸血鬼の話をしたので、僕は、画面を見てても、色気は感じなかったんですよね。

 「吸血鬼」っていうだけで、仕掛けて女性を襲うみたいなセクシーなイメージだから、雅という役に対しても色気を感じるのかも。部屋のシーンも置いてあるものや照明もムーディーに仕上げてくれているので、雰囲気が醸し出されていたと思います。

 

WI まり子さんのそういうセクシーな部分での、役作りは?

 私は本当に初心者で、グラビアの撮影もまだそんなに経験していない時だったので、色気に関しては本気で理解していなかったと思います。なので無我夢中でやっていました。でも長い布を引きずったり、和服というところの動きは女性らしくと考えていました。あと表情も悪女っぽく意識して。でも雅に対してだけは、憧れがあって「この人に自分を差し出してもいい」という役だったので、そういう時は献身的な女性を演じたいと思いました。