「今どきの若い者は……」
いつの時代も言われがちなこの言葉。年齢によって価値感や考え方が異なるのはいつになっても変わらないようですね。
それを裏付けるように、明治安田生命保険相互会社が調査した、「シニア層と若年層の世代間ギャップ」に関するアンケートが興味深かったのでご紹介します。
なんと、シニア層と若者層とでは、お金に関する感覚の違いがあることが判明しました!
まずは、20代~70代の各世代別に、「もしも5万円の臨時収入があったらどうするか」という消費行動に関する調査結果から。
全体のスコアでは「貯金する」が最も高く42.3%でした。次いで高かったのは「旅行に行く」で18.4%でした。
■臨時収入(5万円)があったら
全体(n=1080) 貯金する:42.3、旅行に行く:18.4、美味しいものを食べに行く:12.7、洋服・バッグ・靴を買う:7.6、家電を購入する:7.1、飲みに行く:4.6、美容院やエステ等の美容に使う:2.5、イベント・フェスに参加する:1.1、アクセサリーを買う:0.6、メーカやブランドの化粧品を買う:0.6、ゲームに課金する:0.3、その他:2.1
20代(n=180) 貯金する:48.3、旅行に行く:11.7、美味しいものを食べに行く:5.6、洋服・バッグ・靴を買う:10.0、家電を購入する:8.9、飲みに行く:5.0、美容院やエステ等の美容に使う:4.4、イベント・フェスに参加する:0.6、アクセサリーを買う:1.7、メーカやブランドの化粧品を買う:1.1、ゲームに課金する:1.1、その他:1.7
30代(n=180)貯金する:41.7、旅行に行く:15.0、美味しいものを食べに行く:12.2、洋服・バッグ・靴を買う:9.4、家電を購入する:9.4、飲みに行く:3.3、美容院やエステ等の美容に使う: 2.2、イベント・フェスに参加する:2.2、アクセサリーを買う:-、メーカやブランドの化粧品を買う:1.7、ゲームに課金する:0.6、その他:2.2
40代(n=180)貯金する:47.2、旅行に行く:10.0、美味しいものを食べに行く:11.1、洋服・バッグ・靴を買う:10.0、家電を購入する:5.0、飲みに行く:7.2、美容院やエステ等の美容に使う:2.8、イベント・フェスに参加する:3.3、アクセサリーを買う:1.1、メーカやブランドの化粧品を買う:0.6、ゲームに課金する:-、その他:1.7
50代(n=180)貯金する:43.9、旅行に行く:15.6、美味しいものを食べに行く:19.4、洋服・バッグ・靴を買う: 5.6、家電を購入する:5.6、飲みに行く:5.6、美容院やエステ等の美容に使う:1.7、イベント・フェスに参加する:-、アクセサリーを買う:-、メーカやブランドの化粧品を買う:-、ゲームに課金する:-、その他:2.8
60代(n=180)貯金する:39.4、旅行に行く:24.4、美味しいものを食べに行く:12.2、洋服・バッグ・靴を買う:5.6、家電を購入する:7.8、飲みに行く:4.4、美容院やエステ等の美容に使う:2.2、イベント・フェスに参加する:0.6、アクセサリーを買う:0.6、メーカやブランドの化粧品を買う:-、ゲームに課金する:-、その他:2.8
70代(n=180)貯金する:33.3、旅行に行く:33.9、美味しいものを食べに行く:15.6、洋服・バッグ・靴を買う:5.0、家電を購入する:6.1、飲みに行く:2.2、美容院やエステ等の美容に使う:1.7、イベント・フェスに参加する:-、アクセサリーを買う:-、メーカやブランドの化粧品を買う:0.6、ゲームに課金する:-、その他:1.7
世代別では、20代は「貯金する」を選択した人が48.3%と、最も高いスコアを記録しました。一方で、40代以上では世代が上がるにつれ「貯金する」を選択した人は減少傾向となりました。
また、60代以上は「旅行に行く」を選択した人が29.2%と、全世代平均のスコアを10.8ポイント上回りました。特に70代のスコアはほかの世代と比べて突出して高く、およそ3人に1人が選ぶ結果に。
シニア世代は貯金よりも消費意欲が高く、消費先として「旅行」を選択する点については、アクティブなシニア層が増えてきている表れかもしれません!
この結果についての、明治安田生命チーフエコノミスト・小玉祐一さん「臨時収入時の消費行動」に関する分析を見てみましょう!
臨時収入があった場合、4割強の方が貯金するという結果は、貯金好きの日本人の気質を端的に示しています。これは日本人の美徳とも言えますが、過度な貯蓄志向は景気の悪化、所得の減少を通じ、結局は多くの人が貯金できないという皮肉な結果を招きます。若者の貯蓄志向は、将来的な社会保障制度への不安を反映している可能性もあり、政府の改革姿勢が問われていると言えるかもしれません。一方、70代では「旅行に行く」が突出して高く、アクティブシニアが景気回復のカギを握っているとも言えます。 (小玉祐一さん)
エコノミストの目から見た分析によると、「将来への不安」が若年層の貯蓄志向に拍車をかけているのかもしれません……。
そして、続いて 「千円札の肖像画」といえば誰が思い浮かぶか、に関するアンケート結果。
皆さんは誰を思い浮かべますか……?(画像は壱萬円札ですが……)
20代は「野口英世」が53.9%と最も高く、30代以上では「夏目漱石」を選ぶ人が最も多い結果となりました。また、50代以上は、4人に1人が「伊藤博文」と回答する結果となりました。
■千円札で思い浮かぶ人物(上位3位)
全体(n=1080) 1位:夏目漱石(41.6%)、2位:野口英世(35.0%)、3位:伊藤博文(15.4%)
20代(n=180) 1位:野口英世(53.9%)、2位:夏目漱石(39.4%)、3位:聖徳太子( 1.7%)
30代(n=180) 1位:夏目漱石(51.1%)、2位:野口英世(43.3%)、3位:伊藤博文( 0.6%)
40代(n=180) 1位:夏目漱石(49.4%)、2位: 野口英世(32.2%)、3位:伊藤博文(12.2%)
50代(n=180) 1位:夏目漱石(41.1%)、2位:野口英世(27.2%)、3位:伊藤博文(25.6%)
60代(n=180) 1位:夏目漱石(37.8%)、2位:伊藤博文(26.1%)、3位:野口英世(24.4%)
70代(n=180) 1位:夏目漱石(30.6%)、2位:野口英世(28.9%)、3位:伊藤博文(26.7%)
全体でスコアが最も高かった人物は「夏目漱石」で41.6%となり、次いで「野口英世」が35.0%と続きました。
「野口英世」の肖像画の千円札が発行されてからすでに10年以上経過しています。ですが、この結果から世間では「夏目漱石」の印象がまだまだ強いというのが伺えます。
※ご参考:千円札発行期間(日本銀行公式HPより)発行期間、肖像画
1950年~1965年 聖徳太子
1963年~1986年 伊藤博文
1984年~2007年 夏目漱石
2004年~ 野口英世
発行されていた期間と使用経験のある世代との関係から「夏目漱石」がトップになったのかもしれませんね!
「失われた20年」に生まれた若者世代は、経済成長、インフレ、預金金利というものを経験したことがありません。シニア世代の方のお金の使い方次第で景気は良くなっていくのでしょうか!? この世代別のお金の感覚の差が徐々に縮まっていくといいですね。(かすみ まりな)
情報提供元:明治安田生命保険相互会社
【あわせて読みたい】