誤解しがち!「ゆとり世代」の本音を聞いたら、正しい接し方が見えてきた

『これだから“ゆとり”は!』なんていうセリフ。

今ではすっかり常套句ですが、本当にそれで終わらせていいのでしょうか?

ゆとり

私自身は、いわゆる「ゆとり世代」よりだいぶ年上世代の人間ですが、“ゆとり”と呼ばれる20代の方々と関わる機会が多くあります。

直接彼らの話を聞くにつれ、 『これだから“ゆとり”は』という否定的な見方に対して「偏見から誤解が生まれているのでは?」「彼ら(ゆとり世代)の行動の意図がきちんと伝わっていないのでは」と感じることも増えてきました。

そこで今回は、仕事やプライベートで出会った“ゆとり世代”の若者たちの、本音の言葉をまとめてみました。

 

■“ゆとり世代”に対する誤解

“ゆとり世代”とは、小学校~高等学校などで「完全土日休み」「学習内容3割減」などのいわゆる“ゆとり教育”を受けた世代のこと。2016年現在、20~29歳くらいに成長しています。
確かにこの世代には、行動や考え方に特徴的なパターンがあります。

でも、すべてを「ゆとり教育のせいだ」とするのは少々乱暴かもしれません。なぜならこの世代が育ってきた背景にはゆとり教育だけでなく、

・バブル崩壊後の大不況
・社会の急激なIT化
・地震や津波を始めとする大災害

など社会的にも大きな出来事が多々あり、当然彼ら自身や家族関係にも大きく影響していると思われるためです。

それでは実際のエピソードとともに、「ゆとり世代」に特徴的な考え方やその対処法を見ていきましょう。

 

■“ゆとり世代”の苦悩の数々

【1】指示待ちなのはリスク回避(Aさん/23歳/女性)

新卒

「女性上司から、指示待ちはやめなさい、自分で考えて動きなさいって注意されます。真剣に仕事してないとか、面倒臭がりとか思われてるみたい……。でも、私は「勝手な行動をする」ことのほうが危ない、いけないと教わってきました。だから、指示されてもいないことを勝手にするのはいけない気がして、どうしても自分から動けないんです」

 

ゆとり世代の中には、Aさんのように「指示を待つのがなぜいけないの?」と戸惑う人が多いようです。年上の上司からすると、ときに「やる気がないのか?」とカチンとくるかもしれません。が、彼らとしては「勝手なことをして失敗するほうが大変だ」と、逆によかれと思って指示を待っている可能性があります。

また、「マニュアルがないと動けない」というのも似た理由からだと思われます。ただし確認しておきたいのは、彼らが本来とてもまじめで素直であるということ。マニュアルやきちんとした説明という「正解」を前もって渡せば、安心して進むことができます。ゴールへ到達するための能力も、やる気も、きちんと持っているのです。

 

【2】失敗するのって、すごく怖い(Bさん/26歳/男性)

怯え

「先輩から「おまえはチャレンジ精神が足りない」って言われます。たしかに最近、仕事で伸び悩んでいます。先日、リーダーにならないかという話が来たんです。給料も上がるし魅力的だと思いましたが、失敗したときのことを考えると腰が引けちゃって……結局断りました。失敗するのってすごく怖くないですか? そのリスクをおかしてまでチャレンジしようとは思えないんです」

 

バブル崩壊や不況に苦しむ年上世代の姿を見てきた“ゆとり世代”。「失敗したら取り返しがつかないのでは」という恐怖が心の底に染み付いているのかもしれません。裏を返せば非常に慎重であるということ。それを長所として活かすことも可能なのではないでしょうか。

 

【3】プライベートの確保で仕事もプラスにしたい(Cさん/28歳/男性)

コワーキングスペース

「残業をせず、飲み会の誘いも断るのは、行きたくないからというより「他にやりたいことがあるから」なんです。子供の頃から「自分の時間は自分でちゃんと確保しないとまずい」って感じてて……。それに、会社の外で経験したことを仕事にも活かしたい。そのためにも残業しないよう努力してるんです。やる気がないんじゃなく、自分の時間でしたいことがたくさんあるからなんです」

 

終身雇用の崩壊や、親世代のリストラ、兄姉世代の就職難……。世の中の厳しさを目の当たりにしてきた“ゆとり世代”は、とても現実的です。自分の心身の全てを仕事一本に注ぎ込んでしまうと、それが失われたときどうなるか。その危険性を鋭く察知しています。

“ゆとり”の名とは裏腹に、彼らの多くは勤勉で、強い向上心を持っています。語学や資格の勉強、趣味、ボランティアなど、世代全体が幅広い知識と経験を身につけつつあります。上司や同僚に迷惑をかけていないのであれば、仕事とプライベートを分けたいという彼らの願いを快く承諾することは、長い目で見れば「戦力の成長」「会社の利益」に繋がるのではないでしょうか?

 

■まとめ

職場の中で、何をやっても下に見られる、始める前からやる気を疑われ、成果を認めてもらえない。そんな状態でモチベーションを保つのは、誰にだって難しいですよね。

理解できない、と揶揄されがちなゆとり世代。でも彼らは、時代の激しい変化にものすごい速さで適応してきた世代です。能力もモチベーションも、本当は充分にあります。

彼らの特性を理解し、得意と苦手を見分けて能力を伸ばしていくこと。それが我々年上世代が目指すべき姿勢なのかもしれません。

(豊島オリカ)

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