夏の甲子園高校野球、いよいよ決勝の日がやってきました!
ところで。
高校野球の試合終了後に、負けたチームが甲子園球場の土を持ち帰っている風景が映されることがあるじゃないですか。
あれって最初に持ち帰った人って誰なんですかね?
というわけで、「甲子園の土」について調べてみました。
◆甲子園の土を初めて持って帰った人は誰ですか?
→1937年(夏の23回大会)出場の、川上哲治さんという説が有名です。
ど うやら「最初に持ち帰った人」は、「諸説ある」ようなのですが、最も有名なのは1937年に出場した川上哲治さんが最初に持って帰った、という説です。
いや、実に80年近く甲子園の土は持って帰られ続けているんですね! いったいひとつの大会でどのくらいの土が持って帰られているんでしょうか……。
……ところで、甲子園の土って、どうして持って帰られてもなくならないんでしょうか? 甲子園の土は、いったい、どこからやってくるのでしょうか?
◆甲子園の土はどこから来るの?
→岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山などの黒土をブレンドしたところに、中国福建省の砂を混ぜあわせて「甲子園の土」になります。
……。
なんと、「甲子園の土」、甲子園近辺の土も砂も使われていないようですよ!
もちろん当初は甲子園浜でとれるものを使っていたのですが、甲子園がある阪神間は、もともと土が白っぽく、そのまま使うとボールが見にくい状態……。というわけで「黒土を合わせよう」ということになり、試行錯誤の結果、淡路島の黒土を取り寄せ、ブレンドしました。そして当時の担当者がグラウンドを実際に走ったり、すべりこんだりして土のかたさや色を実験しました。
その後土や砂の産地は「よりよいものを」求めて変わっていき、現在も黒土と白砂のブレンドは、常に最良を目指すべく進化しているため、現在も、毎年同じ産地の土や砂を使っているわけではありません。
さらに、雨の多い春は水はけを良くするために砂を多くして、日差しが強くボールが見えにくい夏は黒土を多くする……。そんな風に季節ごとに土は変わっています。「グラウンドキーパー」という専門の方による、長年の経験と技術によって、絶妙な色合いと質感を持つ「甲子園の土」が生まれているのです。
さすが甲子園、土ひとつとっても、深いです……。
甲子園の土は「甲子園産の土」ではないかもしれないけれど、「甲子園球場の知と努力が結晶となった土」であることは確か。そんな土がこれまでずっと、そして今年も高校球児の熱い想いを支え、受け止めてきたのですね……!
さあ、どんな決勝戦になるのか、楽しみですね!(後藤香織)
情報提供元/阪神甲子園球場 http://www.hanshin.co.jp/koshien/
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