まずはツイッターのアンケート機能を使って、87年〜96年生まれの人に、自分や同世代の人が「ゆとり世代」と言われることについて、どう思っているのか3択で聞いてみました。
Q.「ゆとり世代」だという実感はありますか?
・自分はゆとりだなと思う 41%
・ゆとりを感じたことないんですけど! 38%
・友達や周りにゆとりらしい子がいる 21%
2016年現在の年齢だと29歳から20歳という年齢差があるからでしょうか、結果は「自分はゆとりだなと思う」41%、「ゆとりを感じたことないんですけど!」38%が僅差となりました。
ゆとりっぽいエピソードも気になりますが、今回は「ゆとりを感じたことないんですけど!」という方の意見をご紹介。これが、「ゆとり格差」ってやつなのでしょうか……。
■「ゆとりを感じたことないんですけど!」
・「ゆとり第一世代なので。中学生になった時からゆとり教育が始まっているので、他のゆとり世代よりも土曜授業を受けていました」
・「現在29歳ですが、大学3年生の時にリーマンショックが起こって、就活も売り手市場から買い手市場に変わって大変でした」
この意見だと、「就活氷河期だったゆとり世代は苦労しているから他のゆとりとは違う!」というものが垣間見えてきます。
確かに、文部科学省と厚生労働省が発表した2016年卒の結果(4月1日現在)では、大学(学部)の就職率は97.3%(前年同期比0.6ポイント増)で、調査を開始した1997年年3月卒以降、過去最高となりました。
とは言え、長引く不況の現状を踏まえて、以前よりも大企業志望者は減り、自分が手の届く範囲で就活をしている人が増加、就職が決まらない学生はわざと留年、行きたくはないけど大学院に進学など……買い手市場に移ってはいるものの、苦労は変わっていないとの声も聞きます。
・「私立受験して中高一貫に通っていたので、ゆとり教育は受けていないんですけど。いわゆる第二ゆとり世代に当てはまります」
・「学校はゆとり教育だったので、塾に通っていました」
こちらの意見では「ゆとり世代間でのギャップ」から一変、「ゆとり教育だからこそ生まれた格差」が登場しました。
「ゆとり教育だからって政府や人のせいだけにしてないで自分で何とかしろよ」という世間の声もよく耳にしますが、その声の通りに、ゆとり世代の中でも勉強に一心に取り組んでいた人は少なくないようです。
ただ、私立受験や塾などの「教育にかけるお金の差」というのは、格差になってはいけない気も……。
この「ゆとり世代」の問題には、世代間のギャップだけでなく、実は同じ世代の中でも「これだから他のゆとり世代は……」といった格差が陰に潜んでいるのかもしれません。
ゆとり世代を取り上げた放送中のドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)では、「世代でひとくくりにはできない」というテーマが根本にありますが、果たして、この日本に蔓延る世代分けで人を判断・区別する意識は変わっていくのでしょうか。
「多様な社会なのに、未だに世代で括るのはおかしいよね」って感じる人が増えていくこと、「ゆとり」という言葉のネガティブイメージが払拭されることを願うばかりです。(かすみ まりな)
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