『AneCan』専属モデルとして、そして絵や小説の分野でも幅広く活躍する押切もえさんのバースデー記念インタビュー2回めです。
前回は「甘えられるようになった」自身の変化を語っていただきましたが、今回はお仕事の裏側部分をじっくりとうかがいました。
★前回はコチラ→ 「甘えられるようになった」押切もえ、35歳の変化を語る。
Woman Insight編集部(以下、WI) 2015年、さまざまなジャンルのお仕事をされていらっしゃったので、たくさんのホットトピックスがあると思いますが、中でも印象的だったことを3つ教えてください。
押切もえさん(以下、もえ) いちばんはやっぱり二科展の入選ですね。大きな美術展に出典することがまず初めてでしたし、趣味で描いていた絵が入選したことで「絵も描けたんだ!」と多くの方に知ってもらえたり、絵に関するお仕事がいただけたこともうれしかったですね。大きな絵を描いてみたら絵に対する想いも変わりましたし……。
WI どのように変わりましたか?
もえ 今までは、お花や果物などのモチーフがあって、その模写をしながら「空間をどう活かすか」という絵を描いていました。もちろんそれも、ものをすごくよく見るようになれるので面白いんですが、大きい絵はまた全然違う楽しみがあります。大きい絵は、「何をどう描くか」よりも「何を訴えたいか、何を表現したいか」というテーマが必要だと、絵の先生に言われたんです。それって、自分の中で考えがないとできませんよね。二科展に出す作品を描くのに4か月ほどかかりましたが、描いているうちに自分の心も技術も変わっていく……というのも面白かったな。
WI 4か月! かなりの時間をかけてらっしゃいますね。
もえ 4枚描いた中で、一番描き込んだものはキレイに描きすぎて、失敗しちゃったんです。でも、入選した『咲くヨウニ』は、実は少し描いて、ほったらかしにしていたものが最後に「あれかも!」とピンと来て。そのインスピレーションのままに描いたら意外とまとまったんですよ。最初は「縦の木の幹」として描いていたものを横にしてみて、そしたら見る人によっては砂丘や大地に見えたりと……。感じる人に任せる絵もいいんだな、と思うようになりました。