「20代の頃の自分に教えたい!」お金をかけるもの・かけなくていいもの”の最適解【おしゃれプロ連載】

今なら言える!「おしゃれとお金の付き合い方」

ファッション業界に身を置いて早20年以上が経過。「おしゃれするには、お金が必要!」だった20代を振り返り、今思うこと。20代の頃の私は、おしゃれな人になるために、素敵な服を買って、バッグを買って、靴も揃えて、トレンドが変われば、また新しいものを買う。雑誌を見ては「あれも欲しい、これも欲しい」。おしゃれな人を見れば、「あのバッグがあれば」「あの靴を履けば」…と、そうしていればもっとおしゃれになれるような気がしてました。

当時は、おしゃれをすることと、何かを買うことが、かなり近いところにあったのだと思います。でも、長くファッションに関わってきた今、まったく違うことを思うように。

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「おしゃれって、そんなにお金をかけなくてもできる」

実際、私がよく履いた靴の中にはZARAのローファーがあるし、UNIQLOのシャカシャカしたアウターも、GUのチノタックパンツもたくさん着ました。逆に、本革のオックスフォードシューズや、当時流行っていたバッグやボトムなど、「ここまでお金をかけなくてもよかったかも…」と思うものもあります。高いものを買えばおしゃれになれるわけでもないし、プチプラだからおしゃれに見えないわけでもない。

大切なのは「どこに、どうお金を使うか」

大切なのは、「いくら使うか」より、「どこに、どうお金を使うか」。20代の私に教えたい、今の自分の“ファッションとお金の関係”について、お話したいと思います。流行は「お金をかけなくても楽しめる」。今の私が、あまりお金をかけなくなったのがトレンド色の強い服です。Tシャツやパンツも、必ずしも高価なものでなくていい。今は手ごろな価格でも、シルエットがきれいなものや、トレンドを上手に取り入れた服が本当にたくさんあります。「今年はこの形のパンツが履きたい」「この色を取り入れてみたい」と思ったら、まずは気軽に試してみる。特に流行の変化が早いものなら、最初から高いお金をかけなくてもいいと思っています。

もちろん、流行のものを楽しむのは大好き。ただ、「流行っているから」という理由だけで高価なものを選ぶ必要はない。バッグや靴も同じです。私はバッグにはお金をかけることもありますし、流行のハイブランドバッグが本当に欲しいなら、購入するのももちろんアリ。でも、「今流行っているから」「いいバッグをひとつ持っておいたほうがいいから」という理由だけなら、無理をして買わなくてもいいと思っています。

私がお金をかけるのは、アウター・バッグ・時計

では、逆にどこならお金をかけるのか。今の私なら、アウター、バッグ、時計です。特にアウターは、以前よりお金をかけるようになりました。理由はとてもシンプル。アウターを着る季節は、アウターそのものがコーディネートの主役になるからです。冬は着る頻度も高いし、中に何を着ていても、いちばん目に入るのはアウター。

だからこそ、「流行っているか」よりも、「これを着た自分がよく見えるか」を大切にしています。スタイルがよく見える。羽織るだけでちょっと洒落て見える。着る頻度が高く、自分をよく見せてくれるものなら、私はそれにお金を使いたいと思います。

バッグを選ぶときも、私の場合は「定番の形」より「定番の色」。黒やベージュなど、自分のワードローブに合わせやすい色を選ぶことが多く、素材にはそこまでこだわりません。それより気になるのが、メンテナンスのしやすさ。どんなに素敵でも、汚れやすい、傷がつきやすい、扱いに気を遣う…そんなバッグは選びません。

そして、買った瞬間だけではなく、自分の生活の中で気持ちよく使えるか。今はそんなことも含めて、その値段を払うかどうかを考えるようになりました。

全身プチプラでも、小物で印象は変えられる

私は、全身プチプラもアリだと思っています。もし「なんとなくコーディネートが決まらない」と思ったら、変えてみるのは小物。バッグ、アクセサリー、靴。どこかひとつにポイントをつくるだけでも、全体の印象は変わります。

もし今、自由に使えるお金が5万円あったとして、私は高いトップスを一枚買うより、アクセサリーかバッグを選びます。服の予算を上げることだけが、おしゃれに見せる方法ではないし、むしろ、全体を見たときに「どこを効かせるか」を考えるほうが大事だと思うので。

コーディネートが決まらないと、「何か新しい服を買わなきゃ」と思いがち。でも実際には、服が足りないのではなく、バッグや靴を変えるだけでよかった、ということもあります。

「買うこと」以外にも、お金を使うといい

そして、20代の私に今だからこそ伝えたいことがあります。それは、ファッションに使うお金=新しい服を買うお金、ではないということ。靴が傷んだらメンテナンスをする。お気に入りの服をきれいな状態で着られるようにケアして使う。Tシャツがくたびれてきたら、高価なものに買い替えるのではなく、今の自分が気持ちよく着られるものを買い直す。

高い服を着ることより、今持っているものをきれいな状態で着ることに、お金や手間を使う。それも立派な「おしゃれへの投資」だと思っています。クリーニングに出す。靴を磨く。毛玉を取る。新しいものを買うことだけが、おしゃれを楽しむ方法ではありません。むしろ今は、「何を買うか」と同じくらい、「どう着るか」「どういう状態で着るか」を大切にしています。

メンテナンスが必要なのは服だけじゃない

そしてこれは、服や靴だけの話ではありません。自分自身も同じです。清潔感があるか。髪型は今の服に合っているか。メイクとコーディネートの雰囲気は合っているか。どんなに高価な服を着ていても、そこがちぐはぐだと、素敵には見えにくい気がするからです。服ではなく、自分自身にお金や手間をかける。それも、おしゃれのためのお金の使い方だと思います。 

加えて私が大事だと思うのが、TPO。その場所に合っているか。一緒にいる相手や、その日の目的に合っているか。どんなに素敵なコーディネートでも、その場から大きくズレてしまっていたら、服の値段に関係なく、おしゃれには見えにくい。

逆に全身プチプラでも、服がきれいな状態で、ヘアやメイク含めてバランスが取れていて、その場にも合っている。私はそんな人を見たときに「素敵だな」と思います。髪を整える、靴をきれいにする、今の自分に合うメイクを探してみる。

素敵だなと思う人がいたら、真似してみる

今まで選ばなかった服を試してみる。ヘアやメイクを少し変えてみる。そして服を着たら、全身鏡でちゃんと見る。その服自体がかわいいかではなく、今の自分に似合っているか。スタイルがよく見えるか。靴やバッグまで含めてバランスが取れているか。

私も「この合わせ方で合ってるかな?」と不安になることがあります。そんなときはInstagramで似たコーディネートを探します。同じようなパンツや靴を使っている人を見つけて、「なるほど、こう合わせるのか」と参考にして、もう一度着てみる。そして全身鏡を見て、「うん、これなら大丈夫」と自信を持って出かけてみたり。

最初から正解が分からなくてもいい。真似して、試して、鏡を見る。そうやってトライすることが、おしゃれセンスを磨いてくれると思うから。

「私はこれが似合わない」と決めつけない

「この色が似合わない」「こういう服はキャラじゃない」「もうこの年齢だから着られない」そうやって決めつけてしまうのも、もったいない。年齢を重ねれば顔つきも変わるし、髪質も、体型も、ライフスタイルも、そのときの気分も変わります。だったら、似合うものだって変わって当然。昔似合わないと思っていたものが、今着てみたら意外としっくりくることもある。髪型やメイクも「私はずっとこれ」と決めるのではなく、今の自分や、今着たい服に合っているか、ときどき見直してみるといいですよ。

20代の私に「高い服を買わなくても大丈夫」と伝えたい

20代の頃の私に「何にお金をかければ、おしゃれになれる?」と聞かれたら、今ならこう答えます。「そんなにお金をかけなくても大丈夫だよ」。小物で印象を変えたり、持っている服や靴をメンテナンスすることも大切だよ、と。そして、自分自身も整える。素敵な人を真似してみる。分からなければ調べる。おしゃれに必要なのは、たくさんのお金よりも、どこにお金を使うか考えること。そして、自分を鏡で見る時間と、ちょっとした手間を怠らないこと。似合うものを決めつけず、トライしていく気持ちも忘れずに。

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