■『どうしても触れたくない』ヨネダコウ
【STORY】
新しい職場の初出社日、嶋はエレベーターで二日酔いの男と一緒になる。それが、新しい上司・外川との出会いだった。無遠慮で図々しいように見えて、気遣いを忘れない外川に惹かれる嶋だが、傷ついた過去の経験から、一歩を踏み出せない。一方、外川は傷つくことを恐れず、嶋を想う心を隠さない。好きだけど、素直にはなれない……不器用な想いの行方は?
切なくて切なくてとにかく切ない! もどかしい恋にもだえたい人にはおすすめです。ふたりの恋の結末が気になりすぎて一気読み! 本気の恋だからこそ臆病になる気持ちがとても丁寧に描かれていて、読んでる間、何度も足をジタバタさせたさせてしまいました……。すみません階下の人。
最後は俊英のデビューコミックス。
■『海辺のエトランゼ』紀伊カンナ
【STORY】
小説家の卵でゲイの橋本駿と、物憂げに過ごす高校生・知花実央。3年前、2人は沖縄の離島の海辺で出会い、日に日に距離を縮めるが、実央が島を離れることに。そして3年後、島に戻ってきた実央は「3年考えた。男でも駿が好き」と迫る。しかし駿はいざ実央と恋人同士に、となると一歩を踏み出せなくて……。じれったいほど切ない、心洗われるボーイズラブ。
ひたすらにかわいい登場人物とお話、のどかな風景にまさに「心洗われる」1冊でした。懐かしささえ感じる美しい画面描写だけでも一読の価値あり。読後感はきれいな海を眺めながら居眠りした後のよう。初々しい恋のはじまりに、自分も恋愛したくなること間違いなしです。
いやー、すべて大変面白かったです。実際に読んでみて、個人的にいちばんいいなと思ったのは「ほとんどが1冊で読み切れる」こと。『同級生』のようにシリーズ化され続編が出るタイトルもありますが、その続編も毎回タイトルの違う1冊もの。前作を知っていても知らなくても楽しめる内容になっているんです! いろんなものを楽しみたい欲張りな女子にぴったりですよね。
ちなみにるなちゃんは『宇田川町で待っててよ。』を読んで(るなちゃんもBLデビュー!)「普通の少女漫画にはないドキドキがあって面白かったです! 恐れながらも気持ちに嘘はつけないという展開に読み応えがありました!」と興奮気味に感想を送ってくれました。
私的には、ちょっと刺激的なのがお好みなら『宇田川町で待っててよ。』、爽やかなときめきなら『同級生』、切ない恋にどっぷり浸りたい人には『どうしても触れたくない』、癒やされたいに人は『海辺のエトランゼ』をおすすめしたいです。(みつ子)
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