菊池亜希子「“出来ちゃった結婚”、ラッキーだったね(笑)」【インタビュー】

 

 

 

goods_a02WI 今回のDVD特装限定版には、その後の緑と真生のショートストーリーが付いているそうですね。

菊池 そうなんです。まだ読んでないんですが、すごく楽しみです。(子どもを)産んだ直後は、緑はあっけらかんと漫画を読んでいるんじゃないかな。病室に漫画がいっぱいありそう(笑)。それで、真生のほうが張り切ってお父さんになろうとしていて、緑がしらけた感じで「いきなりコロッっと変わって。なにやってんの?」みたいな目で見ている姿が目に浮かびます(笑)。

 

WI 想像できますね(笑)。

菊池 続編がショートストーリーで読めるというのは「なるほど」って思ったんです。こういう日常を描く登場人物がリアルな作品は、その先を“観たい”と思うし想像するのが、楽しいですよね。ずっと好きだった連載漫画が終わって「めちゃくちゃ寂しいけど、その先を想像するのがすごく楽しい」、そういう感覚の作品だと思ったし、私と中島(中島歩)君が演じていたと意識するよりも、劇中に生きている緑と真生の人生として受け取ってくれていた方が多いので、楽しんでもらえると思います。

 

WI  1本の作品ではなく、ずっと続く作品という感じですよね。

菊池 そうそう。ずっと続けられますよね。『サザエさん』とまではいかないけど、「この夏のふたり」とか、いくらでも描けますよね。でもそれって言い換えたら「どんな人でも、物語がある」ということだと思うから、観た人の“いま自分が歩んでいるもの”が、ドラマチックだと思えて「ちょっとだけいいかも」って思えてくるかもしれないです。どうでもいいことにイライラしていたとしても、この映画のことをふと思い出して「あ。なんか笑えるな」っていう目線になれたらなんかいいですよね。

 

WI 角隠しというか、ヘッドドレスが個性的な和装でしたよね。

菊池 映画で使っている花嫁のヘッドドレスは監督が自分の結婚式でつけたもので、緑の洋服の感じやファッションのセンスに関しては、かなり監督の中でハッキリとしたイメージがあって、私は衣装に関してはそんなに提案はしていなんです。緑は一本芯が通っていて、伝統的な結婚式で着物を選ぶけどヘッドドレスを使う、という感じはなるほどねって思ったりしました。

 

WI 監督が緑にすごく愛情を持っているのが感じられますね。

菊池 私も、緑を演じる取っ掛かりのひとつになったのは大きかったです。普段そこまでミニスカートでタイトなものを履いたりしないけど、緑はそういうものが好きで、高校生の時に頑張って買ったカーディガンとかイボイボが付いたレザーのハードジャケットとか、ロックだけどそういうのを大事に着ていたりとか、お金がないというのもあると思うんですが(笑)。そういう自分が持っている好きなものとか、緑のメイクの仕方とかも含めて、最初に役に入るときに、きちんと話をしました。