えっ…。Z世代と上司世代、仕事の「当たり前」のギャップがスゴかった。

上司に指摘されること、なんか腑に落ちないんだよな…って思っちゃうこと、ありませんか? それって実は、“当たり前”を巡る仕事観ギャップにあるのかもしれません!

今年度がはじまり、はや2ヶ月。自身が新入社員になった方もいれば、新たに教育する立場として、新入社員と上司の間で指導方針の折衝に見舞われる立場になったという方もいるのではないでしょうか。

今回は、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが20代の会社員457名と40代以上の会社員480名を対象した調査をもとに、「Z世代と上司世代の仕事観、何が違って、何が同じ?」をお伝えしていきます。

この調査を見れば、あなたが漠然と抱えていた世代間の悩みの理由が見え、円滑な関係性づくりの糸口になるかも。

得意不得意や、うまくいかない時の対応など…仕事の進め方

ひとつめは「得意・不得意に合わせた仕事をしたい/頼む?」という項目。これが最も世代間でギャップが顕著に出て、20.4%もの違いがあることがわかりました。上司世代が「あらゆる仕事ができるようになって欲しい」と思っているのに対し、若手世代は「元々備わっている強みや弱み」を大切にしたいよう。若手からすると、不得意な仕事も満遍なくやらなくてはならず、モチベーションの低下に陥ったり、逆に自分らしさを思うように発揮できなかったり…という不満を招きかねない価値観ギャップに。

また、ふたつ目の「マニュアル重視か、まずは自分でやってみることを重視するべきか」という項目も、ギャップが14.2%となかなかに大きい。若手世代が求めるマニュアルがあれば、自分にあったペースで基礎を確認しながら慎重に進められるのに対し、上司世代の「自分で考えてみる」方法では、自主性が育つ一方最初はミスが生じがち。

フィードバックの理解度をめぐるこちらの問いも13.3%のギャップが生じました。やはりこちらでも、若手は自分の理解度に合うかどうかや、再現性を求めるのに対して、上司世代は言葉・熱量・振る舞いなどより多くの情報で認識のずれを防ぎたいという結果に。

これには、テキストメッセージに慣れたデジタルネイティブ世代と、対面でのやりとりに慣れたアナログ世代とで、親しみのあるコミュニケーションに違いがあることも大きく影響していそうですね。

失敗は必要? 競争心はある? 成長意識編

最初の質問は、「失敗は必要か? 避けるべきか?」。必要性を認識しつつもなるべく避けたい若手に対し、失敗は学びの源泉という考えが強い上司世代。怒られたり、厳しく指摘された経験の差があるのかもしれません。しかし、両者に共通するのは「失敗が許される環境の重要性」。若手がチャレンジングな姿勢を持っていろんなことにトライしていくための鍵はコレかも。

一見異なるふたつ目、三つ目の質問の肝になるのは、「周りと足並みを揃えたいか、抜きん出た存在を目指したいか」の違いです。若手の、「周りと同じくらいできるようになりたい」「競争心はない」という傾向が、自分の武器を持つことを重視していたり、競争傾向が比較的強い上司世代にとって、「やる気がないと受け取られないか」が円満な関係を築く肝になりそう。

どんなフィードバックを求めてる? コミュニケーション編

こまめか、まとめてかを巡るフィードバックに頻度に関する課題。若手は半々傾向にあるようで、「使い分け」を求める声が強め。上司世代は「その場でこまめに」を重視しているよう。あまりに頻繁すぎると、逐一監視されているようでつらくなってしまうし、まとめてだと重すぎる&理解度が変わってしまいますよね。上司世代は、まだまだ若手にとってのちょうどいい塩梅を探る必要がありそうです。

続いて、「どうやって褒められたい/褒めてる?(個別か、集団か)」という問いに対しては、若手の方が9.7%個別を重視する結果に。これも、目立ちたくもない・劣りたくもない集団で足並みを揃えたい若手の傾向が反映されていると言えそうです。

仕事の共通認識

ここまで若手と上司の認識の違いを重点的にみてきましたが、ここからは共通認識を見ていきます!

さっそくの一つ目は、「理想の褒め方/褒められ方」。両者ともに、その人に応じたカスタマイズした褒め方を重視しているよう。数字や実績をもとに成果で褒められたいタイプもいれば、「〇〇さんの周囲への気遣い、さすがだよ」みたいに、チームへの協調性を褒められたい人もいますよね。同じ会社に属していても、活躍する人材は場面に応じて多種多様。上司側の一人一人の若手をしっかり見て育てたいという思いが垣間見えます。

二つ目は、「フィードバックを積極的に受けたい/している?」という項目。どちらの世代ともにフィードバックを重要視している結果に。

これまでの結果を踏まえると、若手世代は「周囲から抜きん出たいわけじゃないけど、成長はしていきたい」という姿勢が強いようです。上司世代においても、若手をどんどん育てていきたい! という意欲を感じる結果になりました。

プライベートと仕事の優先度に関する問いでも、上司世代・若手世代ともに「プライベートを優先したい、させてあげたい」との声が高め。むしろ、この統計では上司世代のほうがプライベートを優先させてあげたいという思いが強いようで、若手からするとありがたい。そして、「多少無理しても20代のうちにたくさん仕事を経験したい派」の若手が4割近くもいるのは意外に思った! という方も多いのでは? 今の若手は成長を重視する、仕事へのモチベーションが高い人も多いようですね。

「メモを取ることの重要性」「働く時の服装の自由度」に関しても、両世代が共通認識を持っているという結果になりました。一方上司世代は、早く覚えるためのメモだけでなく、さらにそこから自主性を持って質問に活かしていく一歩先の姿勢を求めているようです。規則に関しても、若者以上に上司世代がダイバーシティを意識してくれているようですね。働き方改革やテレワークの普及も進み、「仕事の能力≠見た目のスタイル」という考えが上の世代にも普及したきっかけともいえそうです。

 


今回の調査から、若手と上司世代には、仕事における「失敗も糧にしていく姿勢」「自分からチャンスを掴んでいくチャレンジ精神」を求める声が上司世代から比較的強く見られ、若手世代は「失敗は最低限に抑えたい」「周囲と協調していきたい」という思いが強いことが読み取れました。

しかし、褒め方や見た目のスタイルプライベートの優先といった価値観においては両者が共通の認識を持っているという結果に。若手の仕事への意欲も高いようなので、上司は協調主義の若手の傾向を認識しつつ、若手も自分の殻を破って主体性を示す努力ができれば、円満な関係性が気づけそう♡ (Ami)