久住小春、壮絶な「月島きらり」時代の裏話「家では筆談でした」

WI えっ!? そうなんですか!?

小春 はい(笑)。1日にきらりのレコーディングを3つして、次の日はモーニング娘。のレコーディングをして……きらりのシングルとモーニングのシングルが同時進行な上にアルバムも録って、どっちもライブがあって、ミュージカルもあって、さらに声優もやっていたのでそれも週イチで収録して……と、とにかく忙しくて、駆け抜けていました。その頃は親と一緒に住んでいたのですが、家に帰るともうしゃべれなくて、家では筆談で会話していました。懐かしいですね。すごい中学時代だったな、と思います……。でも、楽しかったなあ。

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WI もし10年前の自分に、何か言葉をかけられるなら、なんて言いますか?

小春 10年前のデビューしたての最初の頃が、いろいろわからないことだらけだったし、いちばん忙しかったな、と思うので「これから大変になるよ、メゲないで、力尽きないで!」って。

 

WI 当時、メゲました?

小春 メゲました(笑)。もうやめたい、って思ったことも何度もあります。自分の思いがなかなか伝わらなかったり、体力的にきつかったり……。「あー、無理!」って何度も思ったから、本当に「メゲないで!」って言ってあげたいです。当時の自分は何もわかってなくて、自分のことを特別だとかなんとも思っていなかったけど、ただがむしゃらに大変な毎日を過ごしていたので……。

 

WI 「やめたい」と思ったとき、支えになったものは、なんですか?

小春 家族のサポートが大きかったです。私は結構諦め体質で、「無理かな」と思うとやめちゃうタイプなんですけど、家族が支えてくれたのでここまで続けてこれました。たまに、「自分はどうしたらいいんだろう」って思ったときに、家族に相談すると、客観的に見てくれつつ、私のことを知っているから「小春にはこれは無理なんじゃない?」とか「こういうのはできるんじゃない?」って言ってくれるんです。家族の言葉はすごく信頼していますね。

 

WI それはデビュー当時からずっとそうですか?

小春 そうですね……私はダンスも歌も苦手だったんですが、家族がライブを観に来てくれて「もうちょっとこういう風に踊ったらいいんじゃない?」ってアドバイスをしてくれたり、公演ごとにマネージャーさんがライブ中に撮ってくれる引きの映像のDVDを一緒に観ては「歌い方こうしたほうがいいんじゃない?」とか、褒めてもらったりとか。褒めてもらえると自信がつきましたねえ。

 

WI 家族とはずっと仲良しなんですか?

小春 いや、すっごい大ゲンカしたこともありますよ(笑)。ひとり暮らしを始めるか始めないかくらいの、17~18歳のときかな。今思えば反抗期で「あれやりたくない、これやりたくない、全部嫌だ!」という感じだったんです。プライベートで好きなことややりたいことがなかなかできない……というストレスがあって、一緒に住んでいた家族に当たってしまったりしたんですよね。けれど、離れて暮らしてみたら、やっぱり家族の存在はありがたかったんだな……って。1年くらい経ったら元の関係に戻りました(笑)。

 

WI なんだかお話を聞いていると、すごく濃厚で波乱万丈な人生ですよね。

小春 穏やかな人生を望んでいたんですけど……なんかわかんないけど波乱万丈に……(笑)。でも、波乱万丈のほうが面白いし、結果的にはよかったかな、って。