永作博美、17年間の友だち関係から結婚した夫婦の「あの距離感が理想」│ 映画「夫婦フーフー日記」

ところで、映画の撮影に入る前、監督から、本作の世界観を言葉で伝えられたりしましたか?

永作 監督の言葉のイメージがあまりなくて……監督の頭の中には、はっきりしたものはあるみたいですけど、言葉で説明される現場ではなかったですね。夫婦の掛け合いのシーンが多かったので、テンポやタイミングを言うことではないと思っていたのかもしれないですけど、私は現場で、「(テンションを)上げて上げて」と言われた印象しかないです(笑)。

佐々木 僕は……“推し測る”ことが多かったです。「監督は、いまなにを考えているんだろう?」って(笑)。撮影では、どの視点で立ったらいいんだろうという難しい部分はあったので、監督が明確にもっているビジョンに近づけるために、僕は推し測りながら撮影をやっていました。後半は、お互いに共通認識を持ちだしたので、わりとスムーズでしたけどね。

 

最後に、本作では「死」に直面する人々の姿をコミカルに描いている部分もありますが、大切な人たちを残して死んでしまうことは、どの年代でそれを体験するかによって受け止め方は違ってくると思います。この役を通して感じたことを教えてもらえますか?

佐々木 僕は、生まれて1歳にも満たない赤ちゃんをもった男性……ということで、実際に撮影の合間でも、永作さんがいらっしゃるときはいいんですけど、僕ひとりのときは、赤ちゃんが泣き出して「どうしよう」とオロオロしてしまったんです。でも泣き止んで笑顔が出てきたら、現場も和んで。これって劇中の話と一緒で、なかなか泣き止まない赤ちゃんを抱えていると、仲間が来てくれることで助かる部分があり、ひとりで子育てをするって大変だよなぁと思いました。ヨメがたくさんの仲間を残してくれたこと、そして父母の存在も大きいと、撮影以外の現場でもなんとなく感じました。

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永作 私は死んでしまう役なので難しいですけど、今回の場合、「若さ」っていうのは切り離せないかもしれませんね。別に年齢の問題……ということでもないのでしょうけれど、やっぱり「若かったのに」というのはどうしても出てきてしまいますね。未来を想像しているときに、命が消えてしまうことは切ないですし、無常さは感じますけど、時間は過ぎていくわけで。ヨメが最後に遺した言葉から、本当にヨメはがんばったんだなぁと思わされました。ちゃんと最後にみんなを安心させて亡くなっていったというか……そこにも彼女の魅力がいっぱいだなぁと思う、彼女の最後の言葉でしたね。

 

映画『夫婦フーフー日記』は、夫婦が“フーフー”言いながら過ごした493日間の物語。“泣けるコメディ”のなかには、「死」という永遠の別れを受け止めつつ、残された人々がどう「生きるか」……そんなヒントもくれる映画です。家族など大切な人と、ぜひ劇場で。(さとうのりこ)

映画『夫婦フーフー日記』
http://fu-fu-nikki.com

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[出演]佐々木蔵之介 永作博美
佐藤仁美 高橋周平 / 並樹史朗 梅沢昌代 大石吾朗 吉本選江 宇野祥平 小市慢太郎 / 杉本哲太
[原作]川崎フーフ「がんフーフー日記」(小学館刊)
[監督]前田弘二/[脚本]林民夫・前田弘二
(C)2015川崎フーフ・小学館/「夫婦フーフー日記」製作委員会
2015年5月30日(土)から、新宿ピカデリー他にて全国ロードショー

 

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