ワイン1本飲みきれない…味を落とさない保存のコツは?ワインにまつわるQ&A

ワインって、手軽に楽しめそうでいて、何かと難しそうなことも多いもの。たとえば「一度開けたら飲み切ったほうがいいとわかっていても飲みきれないときどうする?」「自宅でワインを寝かせたら美味しくなるの?」など、気になることは尽きません。

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そこで、大人気ワイン漫画『神の雫』の作中に登場する筋金入りのワインオタク「本間長介」のモデルにもなった、ワインを知り尽くすプロに「意外と知らないワインにまつわるQ&A」をうかがいました。

お話をうかがったのは…
株式会社モトックス 東京営業本部 営業企画室 室長
本間 敦さん



J.S.A.シニアソムリエ、J.S.A SAKE DIPLOMA、南アフリカワイン・スペシャリストなどの資格を持ち、あらゆるお酒に精通。渡伊50回以上を数え、ワイナリー200社以上を訪問。執筆活動を通じてイタリアワインの魅力を伝える。海外でも大人気のワイン漫画『神の雫』の巻末コラムを手掛け、登場人物「本間長介」のモデルとなった。

Q.よく「古いワインは高級」と言われますが、ワインを買って自宅で寝かせると美味しくなるのでしょうか?

A.お手頃値段のワインは、できるだけ早く飲むのがおすすめです!

一般的に、1,000円台くらいのワインであれば早めに飲むことをおすすめします。特に白ワインの場合はフレッシュな果実味が重要ですので、ラベルに生産年度(ヴィンテージ)が書いてある場合は3年以内のものを。
3,000円台くらいの赤ワインであれば、もしご自宅にワインセラーがあれば、4~5年は熟成することで美味しくなる可能性はあります。

Q.ワインを開けても1本飲みきれないのが悩みです。

A.最初から密封容器に取り分けてしまいましょう!

ワインは空気に触れることで酸化し、時間とともに味が変わってしまうため、飲み残してしまったら他の小さな容器に口いっぱいまで満タンに注いで、キッチリ栓をして冷蔵庫で保管しましょう。そうすれば1週間くらいは風味が落ちません。もっとおすすめなのは「今日はそんなに飲めなさそうだな」と事前にわかっているならば、開栓した時点であらかじめ他の小さな容器に移しておくことです。

容器は、小さなステンレスボトル(魔法瓶)、小さな小瓶(清涼飲料のスクリューキャップの空きビン等)、ペットボトルなどなんでも構いませんが、しっかり洗って乾燥させたものを使ってください。空気に触れさせないため瓶口まで「満タンに」入れることがポイントです。7分目くらいまで入れる…では、空気に触れる面積が大きく、酸化が進んでしまうので意味がありません。

Q.コルクとスクリューキャップはコルクのほうが美味しそうなイメージがありますが…実際どうですか?

A.それぞれの良さがあります!

スクリューキャップは、衛生面と抜栓のしやすさに優れた、とても安全なキャップ。近頃は高級なワインでもスクリューキャップにするところが増えています。

自然素材でできたコルクはゆっくりと空気を透過して熟成を促してくれる反面、コルクにカビの一種が付着していわゆる「コルクダメージ」が発生する可能性があります。
「熟成」を必要とする高級ワインの場合は、スクリューキャップでは密閉度が高すぎて不向きです。
1000円台くらいの価格帯のワインであれば、スクリューキャップでなんの問題もありません。むしろ早く楽しむ白ワインは密閉性が高く造りたてのフレッシュ感がキープされており、衛生的でメリットがあります。 

Q.ワインをできるだけ早く冷やす方法はありますか? 冷凍庫に入れてもいいですか?

A.いくつか方法がありますが、冷凍庫は避けてください

 

ワインクーラー(ない場合はボウルなどを代用)に氷水を入れ、そこにワインの瓶を入れると、季節にもよりますが約30分で常温から8℃まで冷やせます。

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市販されている「保冷剤付のワインクーラー」は冷凍庫で冷やして、ボトルに巻き付ければ急速に温度を下げることができて、大変便利です。

また、未開栓のボトルを冷凍庫に入れて冷やすことはやめましょう。冷やしすぎて凍ってしまう場合があります(味わいも劣化します)。特にスパークリングワインの場合、瓶に小さな傷や気泡があると、凍ってしまうと破裂する場合があります。

Q.高いワインって美味しいの?

A.1,000円未満のワインと2,000円台は明確に違いますが、実は3,000円台と5,000円台は好みの違いです

1,000円未満のワインと2,000円台のものを比較すると、収穫や醸造、熟成の方法が異なり、1,000円未満はどちらかと言えば大量生産型、2,000円台は、人の手によりこだわって造られているため、より「美味しい」と感じるワインは2,000円台のほうが明らかに多いと思います。

では、3,000円と5,000円のワインを飲み比べたときどうか……実は、この値段になってくると、正直個人の好みのゾーンに入ってきます。「意外と3,000円台のほうが好みだな…」と下克上が発生することが頻繁にあるのが、ワインの奥深さです。

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構成/後藤香織 写真/(c)Shutterstock.com