ホリデーシーズンや年末年始、これまで頑張った自分へのご褒美に飲みたくなるもの…といえば、ワイン! 友達との家飲みでも美味しいものを用意できたらハナタカだけど、「でも、ありすぎて何を選べばいいかわからない!」「ある程度高いのじゃないと美味しくないのかな…?」と気になってしまうもの。
そこで、大人気ワイン漫画『神の雫』の作中に登場する筋金入りのワインオタク「本間長介」のモデルにもなった、ワインを知り尽くすプロに「1本1000円台で本当に美味しいワイン」をうかがいました。
株式会社モトックス 東京営業本部 営業企画室 室長
本間 敦さん
J.S.A.シニアソムリエ、J.S.A SAKE DIPLOMA、南アフリカワイン・スペシャリストなどの資格を持ち、あらゆるお酒に精通。渡伊50回以上を数え、ワイナリー200社以上を訪問。執筆活動を通じてイタリアワインの魅力を伝える。海外でも大人気のワイン漫画『神の雫』の巻末コラムを手掛け、登場人物「本間長介」のモデルとなった。
<前提>ワインも価格高騰中ですが、1000円台でお買い得なものはあります!
世界的なインフレで物価が上がっていますが、ワインも例外ではありません。なかでもフランスのワインは非常に高騰しており、少し前は手頃に買えたボジョレー・ヌーヴォーも、今は1000円台で買えるものはほぼありません。有名な赤ワイン『ボルドー』『ブルゴーニュ』も値上がり。そこに引っ張られるように他も値段が上がっていますが、その中でもお買い得なものはあります。
<スパークリングワインのおすすめ>
【カヴァ】迷ったらコレ!間違いないワイン
スペイン産のスパークリングワイン。シャンパーニュと同じ製法でられており、シャンパーニュに近い、ドライな味わい。さまざまなメーカーが手掛けていますが、栽培や醸造に関して厳しいワイン法によって品質が守られているため、迷ったら「カヴァ」を選べばほぼ間違いありません。
▼たとえばこんなワイン
スペイン産の瓶内二次発酵スパークリングワイン。柑橘果実を思わせるドライな味わいときめ細かな泡立ちが心地よく、フレッシュでフルーティな味わいです。価格もお手頃で、デイリーに飲んでいただくのにお薦め。
【プロセッコ】世界でいちばん売れているスパークリングワイン
イタリアのスパークリングワインで、カジュアルな辛口。白い花や青りんごのようなフレーバーで、どこか懐かしいラムネの味にも似ています。
水の都ヴェネツィアのあるヴェネト州で造られており、全世界で年間約6億本売れており(なんとシャンパーニュの倍!)、世界でいちばん売れているスパークリングワインです。
▼たとえばこんなワイン
優しい泡立ちで、口に含むとふわっと果実味が溢れ口に広がります。
「ブリッラ!」は少し予算オーバーですが、お祝いや豪華なパーティーで飲んでほしい、という想いで造られたロゼスパークリングで、少し予算を出してもいい日におすすめ。見た目も華やかです。
ひとつ注意してほしいのは、プロセッコにおける「辛口」度合いの表記。
Extra Dry(エクストラドライ)=やや辛口
Brut(ブリュット)=辛口
Extra Brut(エクストラブリュット)=極辛口
「エクストラドライ」と「ブリュット」と聞いたら「エクストラドライ」のほうがより辛そうに感じますが、「エクストラドライ」とラベルに表記があれば、ほんのり甘みを感じる、マイルドなやや辛口となります。
プロセッコの場合、使用するブドウ品種の「グレーラ種」は、とても酸味が強く、少し甘さを残したほうが、酸味が和らぎ、バランスが良くなります。まず「エクストラドライ」から試してみてはいかがでしょうか。辛さのグレードを明かさずブラインドで飲んでもらうと、大半の方が「エクストラドライ」を選びます。
また、アペリティフ(食前酒)のようにワイン単体で楽しむのではなく、じっくり食事と合わせるのであれば、食材の味わいをジャマしない辛口の方がおすすめ。ブリュットを選びましょう。
近年イタリア全土で、プロセッコを使ったヴェネツィア発祥のカクテル「アペロールスプリッツ」が大ブーム。オレンジやハーブを原料にしたリキュール「アペロール」+プロセッコ+スパークリングミネラルウォーターを1:1:1で割り、氷を入れたものです。夏の南イタリアのリゾートのオープンテラスでは、ほぼ全員がオーダーしているのでは?と思うほど大人気。
【アスティ・スプマンテ】甘口のスパークリングワインが飲みたいならコレ
プロセッコ同様イタリアのスパークリングワインです。フランスと国境を接するピエモンテ州の南部、アスティ県を中心に造られています。マスカット・オブ・アレキサンドリア(イタリアではモスカートと呼びます)を原料にした、爽やかな甘口のスパークリングワインです。
▼たとえばこんなワイン
関西の某大学で学生さん向けにワインのマナー教室を行った際、圧倒的にいちばん人気を集めました。若い女性に好まれる味でありながら、ワインを知り尽くしたプロからも「美味しい」と評判です。また、一般的なワインはアルコール度数が12〜15%ほどありますが、こちらは7%前後と飲みやすいです。
<赤ワイン・白ワインのおすすめ>
【プーリア州のワイン】全世界的にブームなコスパワイン
今、全世界的にブームになっているのは、南イタリア、プーリア州のワイン(ブーツの形をしたイタリア半島のアキレス腱からヒール部分の州)。イタリア20州の中で、ワイン生産量第2位を誇る州です。赤・白・ロゼともにコストパフォーマンスが素晴らしく、最近、どのワイン輸入会社の方にうかがっても「プーリアワインの売り上げが大きく伸びている」とおっしゃいます。
白ワイン:特徴を一言で言えば「アロマティック」。もぎたての黄色い果実や白い花、ジンジャーといった、まるで香水のようなアロマがあります。
赤ワイン:果実味がたっぷり、タンニンは滑らかで、飲み口が柔らかくふくよか。「赤ワインは渋くて、飲み口がなんだかざらざらして苦手…」という方も、プーリアのワインは、マイルドでソフトな口当たりのものが多く、万人受けします。
▼たとえばこんなワイン
「この値段でこのクオリティは素晴らしい」と、レストランやワインショップで大人気。
【アブルッツォ州のワイン】スーパーやコンビニでも見つけやすい高品質ワイン
1000円台など手頃な値段でスーパーやコンビニで見つけやすいのは、アブルッツォ州のワイン(ブーツの形をしたイタリア半島の、ふくらはぎ下部にあたる州)。
この州のワインで2000円台であれば、かなりの高品質のワインと言っても過言ではありません。 多数のワイナリーが手掛けていますが、ラベル記載されている銘柄名が、赤ワインなら「MONTEPULCIANO D’ABRUZZO(モンテプルチアーノ・ダブルッツォ)」、白ワインなら「TREBBIANO D’ABRUZZO(トレッビアーノ・ダブルッツォ)」であれば外しません。
白ワインはあっさりとした飲み口、ニュートラルな味わいで、さまざまなお料理に寄り添い、赤ワインは果実味豊かで、コクや深みもあり満足感が味わえます。
▼たとえばこんなワイン
【スペイン産ワイン】1000円台で美味しいワインに出会える確率が高い
ワインの値段が上昇傾向にある中で、スペインのワインは依然としてお買い得。1000円台で美味しいワインにめぐりあえる確率が最も高い産地の一つです。
▼たとえばこんなワイン
フレッシュな青りんごや洋梨のアロマ、生き生きとした柑橘系果実の味わいで、スペインの強い日差し感じさせる明るく爽快な味。この価格帯では注目すべきバリューワイン。
家飲みで、プライベートで飲んでいるのがこちら。特に白は、果実味、酸味、ミネラル感等の味わいのバランスが素晴らしく、家庭料理にも合わせやすいため、ワイン好きにお薦めしても「必ず喜んでもらえる」と断言できるワインです。
ラベルがキャッチーで、カジュアルな価格ですが、白、ロゼ、赤ともまろやかでスムーズな飲み口、強く主張するタイプではなく、和洋中、食事を選びません。日本では、ロゼが食卓に浸透していませんが、ヨーロッパでは今、ロゼワインが空前の大ブーム(フランスでは白ワインよりもロゼワインの方が多く消費されています)。お食事の最初から最後までロゼ1本で通せるのも魅力です。
【南アフリカ産ワイン】洗練されたワインの産地へ急成長中
最近、品質の向上が著しいのが南アフリカのワインです。以前は、どちらかといえば粗野なワインのイメージでしたが、新しく優秀な家族経営のワイナリーが多く参入、洗練されたワインの産地へと変貌を遂げています。
▼たとえばこんなワイン
シュナン・ブラン種は南アフリカで多く栽培されている代表的な白ブドウ。この品種から造る白ワインはトロピカルフルーツのアロマとジューシーな果実味、クリスピーな舌ざわりが特徴です。
南アフリカの地場ブドウ、ピノタージュ種から造る赤ワインは、柔らかなタッチで、果実由来の甘みと少しのスパイスのニュアンスを感じる後味が特徴。
白赤ともクリーンでよどみなく、キレイな酸味が口の中をリフレッシュしてくれます。
ワインには「濃厚なフルボディで、1杯飲んで美味しいワイン(だけどたくさんは飲めない)」と、「強すぎず飲み疲れしない、何杯飲んでも美味しいワイン」がありますが、オーカの白赤は後者。和食のような素材を生かした料理とも好相性で、食中酒として何杯飲んでも美味しいです。
ぜひワイン選びの参考にしてみてくださいね。
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