シャンパンとスパークリングワインの違いって何?
おしゃれなバーやレストランでの食事。スマートにドリンクを注文したいところだけれども、「今さら聞けない……」のがお酒の種類の問題。見た目は同じようなシャンパンとスパークリングの違い、みなさんははっきりと分かりますか?
そこで今回は、ワインの輸入・卸を行う株式会社フィラディスの代表取締役社長であり、ソムリエの石田大八朗さんにワインについての疑問に答えていただきました。
Q.「シャンパンとスパークリングワイン」って何が違うの?
漠然と「シャンパンとスパークリングワインはだいたい同じもの」「シャンパンは高級品でスパークリングワインは割安」と思っていませんか? 実はこの2つには、値段のほかにはっきりした違いがあります。
◆スパークリングワイン
炭酸ガスを含んだワインの総称のこと。フランス産もイタリア産もスペイン産も日本産も関係なく、全ての国で作られる泡が立つワインを「スパークリングワイン」と呼びます。
◆シャンパン
一方、シャンパンには厳密な条件があります。
・フランスのシャンパーニュ地方で作られたワイン
・特定のブドウ品種
・定められた栽培・醸造方法
この3つ全てを満たしたものだけが「シャンパン」と名乗ることが出来ます。つまり「シャンパン」は「スパークリングワイン」の一種ということです。
シャンパーニュ地方はスパークリングワインを作るのに最も適した地域。この「シャンパーニュ地方で作られた」ことこそが、シャンパンと他のスパークリングワインとの最大の違いです。
そしてシャンパーニュ地方で作られていたとしても、残り2つの「ブドウ品種」と「栽培・醸造方法」の基準がかなり厳しく指定されています。例えばシャンパンの泡は、密閉されたボトルの中でワインが発酵して生まれる自然な泡。醸造方法が特別でとても手間がかかり、品質も高くなります。そして「シャンパン」という圧倒的なネームバリュー……だからこそ値段が高くなり、シャンパンがスパークリングワインよりも「高級品」になる理由なのかもしれませんね。
Q.普段食べているぶどうとワインに使われるぶどう、何が違うの?
ワインボトル1本には、約1.2㎏のぶどうが使われています。
この「ワインに使われるぶどう」は、一般的にスーパーなどでも売られている「そのまま食べるぶどう」とは、いったいどんな違いがあるのでしょうか?
簡単に分けると、次のような違いがあります。
◆生食用
粒が大きい、種や皮が少ない、酸味が低い。
◆ワイン用
粒が小さく皮や種の比率が高い、酸味や糖度が非常に高い。
普段から親しみのある生食用は、食べやすいように皮が薄く、種がないのも多いですよね。甘くてジューシーだからこそ、人気のフルーツです。最近では皮ごと食べられるものもありますよね。
一方で、皮や種はワインの渋みを出す「タンニン」という物質が多く含まれているので、ワイン造りにはより多い方が向いています。酸味はワインの味の深みに大きく影響し、また糖分はアルコールへと変わるのでワイン造りの重要な要素になります。もちろんワイン用のぶどうをそのまま食べることもできます。1粒が小さいので果肉の量は少ないですが、とても甘いそうです。
とはいえ、生食用にもワイン用にも、両方の目的で使えるように栽培されている品種があります。
・甲州:山梨県を中心に栽培されているぶどうで、「甲州ワイン」としても馴染み深いですよね。
・マスカット・ベーリーA:新潟県が原産地で、厚い皮を持つ濃厚な酸味と甘みのあうぶどう。
・デラウエア:小粒な実が特徴で、古くから一般的に親しまれてきたぶどうです。
これらは全て日本固有種。たしかに産直場やワイン売り場で見かけたことのある名前ですね。
ワインやシャンパンについての豆知識をご紹介しました。大人の飲みの場でも通用する、ある程度のワイン知識を身に付けていたいですね。これを参考に、是非ワインを楽しんでくださいね。
株式会社フィラディス 代表取締役社長 石田大八朗さん
Japan Sommelier Association認定ソムリエ
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