■新人部門 1位
『恋するインテリジェンス』著者/丹下道(幻冬舎コミックス)
エロ濃度★★★☆☆
BLの世界から最も遠いのではないかと思われる、霞ヶ関の官僚たちの恋模様を描いた短篇集。
表題ともなっている『恋するインテリジェンス』では、その名の通り、外務省で諜報活動を行うイケメンたちが登場。
任務のため男同士でバディを組み、色任務(セクシャル・ヒューミント)のため男役と女役に分かれて、くんずほぐれつ訓練(と称したアレです)に勤しむ。と、こう書くといかにも荒唐無稽な世界だが、ディテールにリアリティがあるので、さほど違和感を感じずに読むことができます。その芸達者ぶりはこれがデビュー作とは思えないほど。
他にも財務省を舞台にした作品など、普段垣間見ることのできない官僚の世界とBLの世界が同時に覗ける、ある意味オトクな作品です。
■エロ部門 1位
『クロネコ彼氏の愛し方』著者/左京亜也(新書館)
エロ濃度★★★★★
さすがエロ部門1位というだけあり、表紙の構図からして他の作品とは違います。
それぞれBLアワードエロ部門1位を獲得した『クロネコ彼氏のアソビ方』『クロネコ彼氏の甘え方』に続くシリーズ3作目。
濃いのは表紙だけではなく、ストーリーものっけから濃厚なエロシーンではじまります。さすがだよ、エロ部門1位……。
大道具スタッフと人気俳優の恋愛を描いた作品なのですが、実は2人は地球の人口の0,001%とされる猫科動物に変身する猫化人間。それぞれクロネコ人間と豹人間であり、興奮度がマックスに達すると変身してしまいます。
私は前2作品を未読なため、その設定が唐突に感じてしまったのですが、猫とBLという、両者が好きな人にとってはたまらない組み合わせなのではないでしょうか。
ちなみに主人公の真悟は「エロキャラクターランキング」3位に、更に相手役の賀神圭市は「攻めキャラクターランキング」3位、「エロキャラクターランキング」4位に同時入賞しており、その実力(?)のほどが窺えます。
個人的に不思議だったのが、サイトでの作品紹介文に「肌色の金字塔」とあり、肌色??? と思っていたのですが、どうやら裸を指すネットスラングだそうで。なるほどですねー。