寝苦しい熱帯夜… どう対策すべき?
今年は特に暑い日が続いていますよね… 夜になってもとっても暑いので、皆さんも寝苦しさを感じている人が多いんじゃないでしょうか? 実は熱中症の約4割は夜間・睡眠中に発生しているんです。熱帯夜にはしっかりと対策する必要があります。
ここでは、パナソニック株式会社が20~60代の男女550名を対象に実施した「夏の睡眠時のエアコン利用に関する実態調査」などをもとに、睡眠時のエアコン電気代&活用術をご紹介していきます!
「今年の夏、暑さで寝苦しい」&「睡眠に満足していない」が約7割
今年の夏の睡眠状況について、「暑さで寝苦しいことはありますか?」と聞いてみると、約7割が「頻繁にある」(16%)、「時々ある」(57%)と答え、多くの人が寝苦しさを感じていることがわかりました。さらに、「今年の夏、睡眠に満足していますか?」という質問でも、「全く満足していない」(17%)、「あまり満足していない」(51%)と同じく約7割が睡眠に満足していないことがわかりました。
Q.夏の睡眠を妨げる要因と考えられるものは何ですか?
夏の睡眠を妨げる要因として最も多かったのは、やっぱり「暑さ」(75%)。続いて、「湿気」(52%)、「ストレス」(27%)が上位でした。
圧倒的1位に輝いた「暑さ」ですが、実は2021年の調査では回答割合が44%で、「ストレス」(54%)に次ぐ2位だったんです。2022年には70%、そして2023は75%と、今年はこの3年で最も「暑さ」に悩まされている人が多い夏となっていることがわかります…
Q.今年の夏、睡眠時のエアコンの使用状況は?
そんな暑さに対抗する手段として第一に思い浮かぶのはやっぱりエアコンですよね。日中は多くの人が使っていると思いますが「睡眠時」となるとどうなんでしょうか? 今夏の睡眠時のエアコン使用状況について調査したところ、「使用していない」が26%と、4人に1人は睡眠時にエアコンを使用していないことが判明しました。最も多い使い方は「オフタイマーを設定して睡眠時から一定の時間使用」で、30%という結果に。また、睡眠時に「つけたり消したりする」という人も11%いるようです。
Q.一晩中つけっぱなしにしない理由は?
「一晩中つけっぱなし」にしない一番の理由としては、「電気代がかかるから」(34%)が最多の結果となりました。
たしかに電気代がかかることは避けては通れない問題ですが、熱中症のリスクも無視できません… 実際に睡眠時にエアコンをつけっぱなしにしていると、どれくらいお金がかかるんでしょうか?
睡眠時のエアコン電気代を検証!“朝までつけっぱなし”の電気代は約23円
ここからは、パナソニックエアーマイスター兼睡眠改善インストラクターの福田風子さんが紹介する睡眠時エアコン電気代&快眠術をお伝えしていきます。
20時以降に冷房をつけているエアコンのデータから、1時間当たりの消費電力を算出したところ平均92Wで、8時間使用した場合は約23円の計算になりました。(電気料金目安単価31円/kWh、エオリア PXシリーズ夜間冷房ログデータより)
パナソニック株式会社の試験では、同じエアコンの設定でも外気温が35℃のときに比べ、外気温30℃の場合には消費電力が52%ほどと、約半分近くなるという結果が出ました。これは、エアコンは外気温と設定温度の差が大きいほど、消費電力量が多くなるからだそうです。気温が多少下がる夜間は日中に比べて電気代がかからないようです。
さらに、別の試験で「3時間の切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」を比べたところ、「つけっぱなし運転」の方が夜中に目が覚めてしまう回数とその時間が少ないことがわかりました。
夜間は日中に比べ電気代がかからない上に、「つけっぱなし運転」の場合は夜中に目覚めてしまう回数や時間も少ないことを考えると、熱中症対策として、夜間にエアコンをつけっぱなしにすることを、改めて検討するのもありなんじゃないでしょうか?
Q.夏の快眠のためにしていることはなんですか?
「夏の快眠のためにしていること」を調査したところ、このような結果になりました。しかし、「薄着をする」「扇風機を直接体にあてる」といった対策は実は間違いなんです。その他にも、「寝る前に冷たい飲み物を飲む」「寝る前にお酒を飲む」「寝る前に水分摂取を控える」「直前にお風呂に入る」などもNG対策。その理由とともに快眠術をご紹介していきます。
エアコンと睡眠のプロが教える熱帯夜の快眠マニュアル
〜エアコンを使った4つの快眠ワザ〜
①エアコンは寝室に入る30分前にON、上に向けて風をあてておく
温度同じくらい重要なのがエアコンを運転させるタイミング。ついやりがちな間違いが、布団に入ったタイミングでスイッチを入れること。日中に室内に溜め込んだ熱が、夜になっても天井や壁にこもっているので寝るタイミングでエアコンをつけると、室温が下がるまでに時間がかかることがあります。寝室に入る30分前にエアコンをONにし、上に向けて風をあてておくのが、効率よく良い睡眠環境を作るコツです。
②タイマーは設定せず、設定温度は26度~28度に
一般的には、室温26~28℃が心地よく眠れる環境だといわれています。快適な寝室環境を保つには、冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードに。特に熱帯夜は途中で運転を停止する設定にはせずに、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにしましょう。途中で運転を停止してしまうと、その後室温が上がると共に寝苦しくなり途中で目覚めてしまう原因になります。
③湿度は60%以下に保つ
湿度が高いと手足からの放熱が妨げられ、深部体温が下がりにくくなるため、寝苦しくなりがちです。夏場は、寝室の温度だけでなく湿度にも注意する必要があります。寝室の湿度は60%以下に保つことが重要! 湿度が高い時はエアコンの温度を下げる、または、エアコンを除湿運転する、といった対応をおすすめします。
④扇風機との併用使いのすすめ
エアコンの風が苦手という人も結構いますよね。そういう人は温度を下げすぎてしまっていることも考えられます。エアコンの温度設定は下げすぎず、ただ、どうしても室温が高くて寝入りが悪いという方は、扇風機を併用することもお勧めです。その際は、表面に太い血管の通っている足首あたりに風を当てると深部体温が下がりやすく眠りに適した環境になります。ただし、風を体の1ヶ所だけに長時間あてつづけるのは体が冷えすぎてしまう可能性があり、NGなのでお気をつけください…!
エアコンと睡眠のプロが教える熱帯夜の快眠マニュアル
〜寝苦しい夏に役立つ6つの快眠ワザ〜
①お風呂は寝る1時間前までにバスタブで入浴する
深部体温をスムーズに下げるためには、反動を利用するのがコツ。そこで意外と大切なのがバスタブにつかって入浴することなんです。夏でも38~40℃のお風呂に、20分ほどつかるのがおすすめです。入浴することで深部体温は約0.5℃上がるといわれていて、一度上がった深部体温は反動でより下げようとする体の性質があり、この落差が寝入りやすさにつながります。
【NGポイント】
上がった深部体温はお湯の温度にもよりますが、約1時間かけて徐々に下がっていき、この時に眠気が高まるので、「寝る直前にお風呂に入る」はNG。ベストなタイミングで布団に入れるように、入浴時間を調整してみましょう。
②シャワーだけなら3つの「首」を温めることで快眠モードに
「こんなに暑いのに湯船に浸かるのはきつい…」と思った人も多いんじゃないでしょうか? 夏にお湯につかるというのは結構ハードルが高いもの。ただし、シャワーだけという場合でも、足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に合計5分ほど少し熱めのシャワーを当てることで、効率よく深部体温を上げることができます。夏はシャワーしか浴びない、という人はお湯を当てる位置と時間を意識してみましょう。
③リビングや浴室の照度は控えめに
目から入る光の量が減るほど、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすくなります。入浴前に、リビングの照明をオレンジなどリラックスできる色にしておきましょう。また、浴室内は天井も低く、照明器具が目に近いところにあるため、入浴時に浴室の電気が明るい場合は、照明を消して脱衣所の灯りだけにするか、浴室用の防水間接照明を利用するのも効果的です。ただし、照度を落とす場合は十分に周りにお気をつけください。
④部屋着からパジャマに着替えておやすみモードに
パジャマに着替えるという行為そのものがルーティンとなり、脳がおやすみモードに切り替わるため、部屋着のまま寝てしまう人は、パジャマを着る習慣を身につけると◎
質の良い睡眠のために、パジャマは大きな役割を果たします。睡眠中には、コップ一杯の汗をかくといわれています。大量の汗をかくと、背中と敷き布団の間の湿度が高くなり、寝苦しさを感じる原因になります。そこで、しっかり汗を吸ってくれる綿やシルク製のパジャマ着用がおすすめです。
【NGポイント】
夏には「半袖・半ズボン」という人も多いでしょうが、寝具から出た手首や足首に直接冷気が当たって体を冷やしすぎてしまい、快眠が妨げられてしまうことがあります。全身にかく汗を吸収するためにも、夏でもゆったりとした長袖・長ズボンが理想的です。
⑤飲み物はカフェインレスのものを
寝る直前にカフェインが入っている飲み物を摂らないという人でも、夕食時に緑茶などを飲むと、寝つきに影響してしまいます。夕方以降は水や麦茶、ルイボスティーなどカフェインレスの飲み物がおすすめです。
【NGポイント】
就寝前に冷たいものを飲みすぎると血管が収縮して深部体温の調節を妨げてしまうので、できるだけ常温で飲むようにしましょう。「寝る前にお酒を飲む」も寝酒は睡眠を浅くするためNGです。深い睡眠が得られず眠りの質が悪くなります。健康な深い睡眠を得るためには、アルコールは避けた方がよいでしょう。
また、夜中にトイレへ行きたくない、睡眠中にあまり汗をかきたくないなどの理由から、「寝る前に水分摂取を控える」人もいますが、こちらもNG。先程ご紹介した通り睡眠中は汗をかきます。熱帯夜になると、一晩で500~1000ミリリットルも汗をかくことも…! 熱中症の予防のために水分と塩分は充分に摂取してください。
⑥BGMには自然音や歌詞のない音楽を
入眠時のBGMには、雨音や風、川のせせらぎ、鳥の鳴き声などの自然音か、歌詞の意味を追わずに聴けるインストゥルメンタル音楽などが、脳を休め、リラックスモードに導いてくれるので効果的です。
熱帯夜も、質のいい睡眠でしっかり体を休めよう!
この信じられないくらい暑い日中を乗り切るためにも、夜はしっかりと質のいい睡眠をとって疲労回復しておきたいところです。ご紹介したエアコンについての調査結果や快眠術を活用して、ぜひ快適な睡眠スタイルを模索してみてはいかがでしょうか?(石川智香子)
情報提供元/パナソニック株式会社「エオリア」