直木賞作品『サラバ!』担当のもうひとつの顔は文芸誌『きらら』の編集長。お勧め本を聞いてみた!

WI 石川さんご自身は、もともと小説は好きだったんですか?

 もともと好きだったのは、埴谷雄高(はにやゆたか)の『死霊』とか。戦後ずっと書き続けてて、少しずつ『群像』に発表していたんですけど、最後未完のまま終わってるんです。9章で終わっていて、それが終わりという説もあるんですけど。どちらかというとドストエフスキー的な。

WI ちょっと暗いというか……思想的なものですか。

 あと、夏目漱石の『行人』。これも、棺桶に入れてほしいくらい好きで「棺桶本」っていうことにしてます。でも、印象が変わるのが怖いから、実は1回しか読んでないです。若いときにハマる本って、残り方が違いますよね。そういうふうに読者が思える本をつくりたいですよね。

WI ちなみに最近の作品でおもしろいものはありましたか?

 ジュンパ・ラヒリの『低地』という、翻訳本ですね。彼女は『停電の夜に』という作品で、ピューリッツァー賞を受賞しているんですが、そんな名作も「これのための習作でした」って言っちゃうくらいの傑作です。作家の角田光代さんも絶賛していました。

 

『きらら』は6月号からリニューアルを予定しているそう。イメージを一新するという『きらら』が楽しみです! 余談ですが、巻末の『きらら通信』は、石川さんが書いているとのこと。こちらもぜひ読んでみてくださいね!(五十嵐ミワ)

kirara_04

『きらら』2015年3月号
http://www.quilala.jp/pc/index.html

★1回目はコチラ→ 第一印象は最悪!? 直木賞作家・西 加奈子と『サラバ!』担当編集、出会い秘話

★2回目はコチラ→ 作家・西 加奈子と編集者の10年愛・・・直木賞受賞作『サラバ!』誕生の感動エピソード

【西加奈子さんインタビュー】

★【祝!直木賞】西加奈子に聞く、5%の喜びが支えた「サラバ!」誕生秘話

★【祝!直木賞】「作家になる気はなかった」西加奈子、ずっとなりたかった職業とは?

★【祝!直木賞】「普通でずるい人間だった」西加奈子が作家生活で得たもの、変わったこと

★【祝!直木賞】作家・西加奈子が「人生で唯一後悔していること」とは?

 

【あわせて読みたい】

※話題騒然!新コミック誌『ヒバナ』発刊直前の編集部を襲った悲劇とは…

※【検証】パトラッシュ&ラスカルのフェイスパックは可愛いのか?女子大生るなちゃんが実際に付けてみた

※押切もえ「小説新潮」に短編小説を発表!「こじらせ女子」等を題材に

※【実録】これはスゴイ!「現実に起きた運命の出会い」恋愛エピソード8選