日本のお風呂事情を探ろう!
疲れ切った1日の終わり。湯船に体を沈めてのんびりする時間は、身体も心もほぐしてくれる最高のリラックスタイムですよね。
日本人は世界有数のお風呂好き民俗。日本人の入浴文化の起源6世紀に渡来した仏教の教えにあると言われています。沐浴で身を清めれば病が退けられ、福が呼び込まれるとされて、平安時代には寺院による施浴が盛んに行われました。首まで湯船に浸かるスタイルができたのは江戸時代。最古の銭湯ができたのはさらにその前の1591年のことでした。そこから月日が流れた現代、今や一口に公衆浴場と言っても、「温泉」「銭湯」「スーパー銭湯」と多様な施設が存在しています。
そんな「お風呂大国日本」の公衆浴場は今、どういった様子なのでしょうか?ここではNTTタウンページ株式会社が全国の入浴施設の登録件数をもとに行った「日本一入浴好き」な都道府県はどこかという調査の結果をご紹介していきます!
温泉・銭湯に日本一お金をかけるのはどこ?
一般的に、家庭で支払う「温泉・銭湯入浴料」の平均はどれくらいなんでしょうか? 1世帯あたりの「温泉・銭湯入浴料」の全国平均は1,240円。それに対し、トップの青森市はなんとその4倍以上の5,392円という結果に。青森の大人入浴料金は450円なので、月約1回は公衆浴場を利用しているという計算になります。地域によって利用頻度に差が出ていることがよく伝わってきます。
入浴施設ってどれくらいあるの?
ここまで「温泉」も「銭湯」もひとくくりにしてご紹介してきましたが、実はそれぞれ定義があるんです。
「銭湯」とは?
地域住民の日常生活において保険衛生上必要な施設(公衆浴場法)とされていて、入浴料金は物価統制令によって規制されています。一方「スーパー銭湯」や「健康ランド」も「銭湯」の一種ではあるのですが、こちらは飲食施設や無料休憩スペースが強化された業態を指しているので、物価統制令の制限は受けません。
「温泉」とは?
その掘削や提供に関しては、水温や含有成分の条件を定めた温泉法で規制されます。また、温泉を利用して、いわゆる「温泉浴場」を営む場合には、銭湯と同様に公衆浴場法の規制を受けることとなります。
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それでは、入浴施設の業種にちょっぴり詳しくなったところで、こういった施設の登録件数の推移をチェックしていきましょう。
全体的に、減少してきていることがわかりますね。戦後の人口増加に伴い、たくさんの銭湯が開業したようですが、高度成長期に入って浴室付き住居が増加したことから利用者が徐々に減少してしまったようです。国民的レジャーとして定着している温泉も登録件数は減少してしまっているようですね。
銭湯の減少が止まらない…
そんな中で特に大きく数が減ってしまっているのが「銭湯」です。2013年から2022年の10年間で55%にまで減少してしまいました。1989年と2022を比べるとその差はさらに大きく、何と13%にまで減少してしまっています。
銭湯減少の主な理由に、①一般家庭への浴室の普及、②後継者不足、③燃料費の高騰、④認知度の低下などがあると言われています。このまま、日本が世界に誇る銭湯文化が消えていってしまうかもしれないと思うと寂しいですね…これを機に銭湯に足を運んでみるのもいいかもしれません。
入浴好きNo.1の都道府県はどこ?
それでは、入浴施設が最も多いのはどこの都道府県はどこなんでしょうか?都道府県別に人口10万人あたりの入浴施設の登録件数を調査した結果がこちらです!
1位は16.95件の青森県でした、2位を大きく突き放したダントツの1位ですね。2位に大分県、3位に鹿児島県と続いています。
以上の結果から、温泉・銭湯に日本一お金をかけるのは青森市、人口あたりの入浴施設の登録件数が多いのは青森県という結果になりました。
「日本一入浴好きな都道府県」は青森県ということになりそうですね。実は青森県は知る人ぞ知る温泉の楽園。身近に入浴施設がたくさんあるので、湯船に浸かって温まるのが好きな人が多いのかも。
湯船で冷えた体を温めて♪
いかがでしたか? 最近は気温もだいぶ下がって、暖かい湯船が身に沁みる季節になってきましたよね。近頃は入浴施設には全然行っていない、という人も、これを機に足を運んで、疲れた体を癒しつつ羽を伸ばしてみませんか?(石川智香子)
情報提供元/東日本電信電話株式会社