ダメだとわかっていてもなかなか抜け出せない“不倫の沼”。実際に不倫が周囲にバレた場合、社会的にダメージを受けるだけではなく金銭的なダメージも避けられません。今回は不倫裁判に関する、みんなの素朴な疑問に弁護士の遠藤知穂先生が回答。しっかり読んで、不貞行為の代償の大きさについて知っておきましょう。
【Profile】不倫裁判にも強い大手事務所の女性弁護士。豊富な法律知識と接しやすい人柄で、依頼者が絶えない! ちなみにベリーベスト法律事務所は、弁護士への初回相談が60分まで無料。悩める人はぜひ相談してみて。https://www.vbest.jp/
Q.不倫で訴えられるときって、どこに連絡が来る?
「ケースバイケースでですね。弁護士から請求する場合、本人以外に知られないよう配慮して連絡します」(遠藤弁護士・以下同)
ただ不倫された当事者やその知り合いなどが連絡する場合、会社や実家に連絡され、周りにバレてしまうこともあるそう。
Q.不倫の慰謝料、相場はいくら?
「数十万~300万円くらいですね。これは裁判の場合の目安。離婚するかどうか、婚姻期間など事情によって決まります。裁判せず話し合いで解決する場合、このとおりになるとは限りません」
Q.夫が不倫して離婚。その場合、夫からどのくらいお金を取れる?
「100万~300万円くらいの相場で夫の不倫によって離婚せざるを得なくなったことについての慰謝料を請求することができます。金額はその他の破綻原因や不貞行為の期間、子どもの有無などによって決まります」
Q.不倫は犯罪ですか?
「NO! ただ、不法行為ではあります。不貞行為は、配偶者に対する不法行為。損害賠償責任が発生します。ただ、戦後に姦通罪が廃止となり犯罪行為ではなくなったため、刑法の領域では違法ではありません」
Q.不倫の裁判、どんなふうに進む?
「不倫裁判では大抵、証人尋問の前後で和解協議が行われます。証人尋問に進むと傍聴人の前で生々しい話をしなくてはいけなくなるので、和解するケースも多いです」
Q.既婚者と知らずにつきあっていた場合、慰謝料は払わなくていいの?
「客観的な証拠を出せれば、0円もしくは減額の可能性も。結婚相談所で出会い、家族にも婚約者としてあいさつに来たなど、既婚者と知り得なかった客観的証拠がしっかりあれば慰謝料請求を逃れられる場合も。しかしなかなか認められにくく、多くの場合は減額もされません」
Q.数年前の浮気、関係が終わっているならもう訴えられることはない?
「不貞行為から20年以内の間で、〝不貞行為に気がつき浮気相手を特定した瞬間〟から3年以内であれば慰謝料の請求が可能。終わった関係でも、訴えられることは充分あり得ます」」
「裁判」や「慰謝料」というキーワードが出てくると、急に現実味を帯びてくる“不倫の問題”。当事者同士はただ純粋に恋愛を楽しんでいるつもりでも、配偶者がいる場合はそれなりの責任を負うことにも…。不倫や浮気にはいつもリスクがついて回ることを忘れちゃいけませんね。
イラスト/芝 りさこ デザイン/岩見夏美(beeworks) 構成/衛藤理絵 Web構成/佐々木菜摘